食品や環境の放射能を測定しているいわき市のNPO法人「いわき放射能市民測定室たらちね」(織田好孝理事長)は5日、楢葉町内の道路脇の土壌で、セシウム合算で1キログラム当たり5万ベクレル超の放射性物質を検出したとする調査結果を発表した。
土壌は町からの避難者で、東京電力協力企業の技術者だった安島琢郎さん(75)らが今年6月に町内4カ所で採取した。同町上繁岡の生活道路脇の土壌で5万2500ベクレル▽町営住宅近くの小学校の通学路脇で3万4790ベクレル▽寺院近くの生活道路脇で2万6480ベクレル▽中学校の通学路で8850ベクレルなどを検出したという。近辺の空間線量は0・3~0・7マイクロシーベルトと比較的低かったが、安島さんは「低線量でも健康被害は報告されている」「通学路になる場所の土壌が高濃度汚染されている」と町への帰還に懸念を示した。
「たらちね」の鈴木薫事務局長は「特に小さな子どもを持つ若い母親はこの現状では帰還をためらう。帰還する人としない人の間で住民同士のあつれきが生じる」と話した。
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