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そこが聞きたい:戦争と科学者の責任は 益川敏英氏 via 毎日新聞

◇核兵器の怖さ、次世代に−−日本パグウォッシュ会議諮問評議会委員・益川敏英氏

世界の科学者が参加し、戦争廃絶を目指す「パグウォッシュ会議」=1=が戦後70年の来年11月、長崎市で開かれる。防衛と民生両用の技術開発の 動きが進む。準備を担うノーベル物理学賞受賞者、益川敏英さん(74)に科学者の責任を聞いた。【聞き手・千葉紀和、写真・森園道子】

−−戦後70年に「パグウォッシュ会議」を日本で開く意義は。

二つあります。一つは被爆70年に長崎で開催することで、改めて被爆を現実の問題として世界にアピールできる。もう一つは、若い世代への継承で す。戦後70年を迎え、戦争と核兵器の怖さを本当に知る世代が、科学者の中でも少なくなっています。ヒロシマ・ナガサキの後、太平洋での米軍の水爆実験で 日本の漁船員が被爆した事件(1954年)が起き、反核運動が高まります。そうした機運の中で、核兵器を生み出した科学者が自らの責任を問いかけ、核廃絶 と平和的な紛争解決を目指すパグウォッシュ会議が発足しました。日本からも高名な先生が参加し、若造だった私は手伝いました。ですから、その時代の雰囲気 を感じてきた世代なんですね。次の世代を引っ張り込み、受け渡す任務が我々にあります。我々が非常に重要だと思います。

−−安倍政権の国家安全保障戦略や防衛計画大綱では、安全保障分野の産官学連携や、防衛にも応用可能な民生技術(デュアルユース技術)で、大学との共同研究も期待されています。

私に言わせれば、なめられているんだと思います。そういう変なことは、以前ならつぶされたでしょう。今も個々人はおかしいと思っているかもしれま せんが、社会の中に勢力として顕在化しなくなりました。特に研究者は軍事研究に対するアレルギーがはっきりありました。でも、若い世代は抵抗感が薄くなっ ているのかもしれません。背景に、研究費の問題もあります。近年は競争的資金が増え、研究者が資金を獲得するために作文して、成果を出すようになりまし た。研究者は研究できないと食べていけない。お金の面で研究者の意識が変わるし、実質的にそうなっていますね。

−−研究者の意識、倫理観が改めて問われていると。

科学技術というのは使おうと思ったら何でも使えます。研究者の手をいったん離れたら、簡単には制御できません。防衛に限った共用は軍事研究ではな いという考え方もあるようですが、それは違います。例えば、レーダーに探知されにくいステルス技術の戦闘機は防衛とも言えますが、先制攻撃できる兵器で す。意識の問題は、研究者個人に期待してもダメだと思います。もっと全体の層として、あなた方はそれで良いのかという問いかけと、それに対する反応に期待 するしかありません。パグウォッシュ会議は間接的ですが、問いかけの機会になるでしょう。

(略)

−−福島第1原発事故は新たな核の被害者を生み出しました。

会議では「福島の教訓と科学者の社会的責任」も議題になる予定です。今、手っ取り早い答えは「原発はもう使うな」でしょう。私は危険性を十分理解 し、安全対策のためのコストも払って、覚悟を持って使うべきだと考えています。その間に、早く次の安全なエネルギー源を確立しましょうと。有限な化石燃料 を使いまくって、後は知らんよというのはないと思うからです。理論物理学者の大先輩、武谷三男(1911〜2000)は、安全性とは「許容量」だと言いま した。利益と不利益のバランスの問題で、社会の監視力が問われていると思います。ただし、原発利用はプルトニウムを生み出し、日本も核兵器を製造できる量 を保有しています。難しい問題だからこそ、正直に語り合うことが必要です。

全文はそこが聞きたい:戦争と科学者の責任は 益川敏英氏

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One Response

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  1. yukimiyamotodepaul says

    「被ばく」という脅威を避けるために、核兵器に反対するのだと思っていましたが、原発を許容してしまっては、その理論は崩れてしまうのではないでしょうか。『被ばく」の可能性が「覚悟を持って使うべき」になってしまうのは、ぜひとも避けたいと思います。



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