岩手大、北里大の研究者を中心とした「東京電力福島第1原発の事故に関わる家畜と農地の管理研究会」(代表理事・山根義久前日本獣医師会長)は、原発事故 後に20キロ圏内で飼養されている牛の健康状態などを調査し、牛の部位別の放射性セシウム濃度は筋肉で高く、内臓のおおむね2倍に上るという研究成果をま とめた。26日に東京大で開く公開シンポジウムで発表する。同研究会は、大型動物の放射性物質の体内分布などについて世界で初めて得られたデータとしてお り、さらに調査を続ける予定だ。
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同研究会は牛の行動解析、被ばく線量測定、血液採取で得られる遺伝子の変化などを分析。牛の部位別の放射性セシウム濃度についてネックやモモ、ヒレの値が心臓や肝臓などの約2倍に上るという研究成果を得た。ネックよりもモモやヒレの方が濃度は高いという。
公開シンポジウム「福島第1原発事故 帰還困難区域で生きる牛が教えてくれるもの」は26日午後1時から東京大医学部教 育研究棟14階の鉄門記念講堂で開く。申し込みは不要だが、事務局に事前に申し込んだ人が優先。定員は約200人。申し込み、問い合わせは事務局 (090・2023・9353、Eメールinfo@liffn.jp)へ。
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東京電力福島第1原発事故後、原発から半径20キロ圏内で飼育 されている牛を調査している「家畜と農地の管理研究会」が26日、東京大でシンポジウムを開いた。
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佐々木助教は、福島県浪江町で飼育されている6頭を解剖。正常な臓器と比較したが、異常はなかったという。
一方、岩手大の佐藤至教授は、牛の筋肉の放射性セシウム濃度が、内臓などに比べて高いと発表した。