一九五四年、米国が太平洋・ビキニ環礁で行った水爆実験でマグロ漁船「第五福竜丸」が被ばくして一日で六十年。福竜丸以外の漁船の被害を追った映画「放射線を浴びたX年後」の上映会が二十八日、横浜市中区であった。福島県双葉町の前町長、井戸川克隆氏ら東京電力福島第一原発事故の避難者らも参加した。 (橋本誠)
「-X年後」は、南海放送(松山市)が二〇一二年一月に制作したドキュメンタリー番組を八十三分に拡大。核実験による船員の健康被害を調べた高知県の高校生と教師の活動を軸に、日本列島にも及んだ放射能汚染を米国の機密文書で明らかにした。
上映後、伊東英朗監督が「被災六十年とか、三・一ビキニデーという言い方は、一九四六年から六二年まで行われた核実験を矮(わい)小化する。記念日をつくることは事件を過去にしてしまうことで、福島ではつくってはならない」と訴えた。
井戸川氏は、原発再稼働に進む政府を批判したうえで、住民の避難が続く現状に触れ、「映画のように人権無視の状態を放置してはならない」と述べた。
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