東電、六ケ所村に2.7億円 経産省「寄付に近い」via 朝日新聞

東京電力が福島第一原発事故後、青森県六ケ所村に約2億7千万円を支払い、隣接する同県東通(ひがしどおり)村の東通原発の建設費として処理していたこ とがわかった。経済産業省は、東電の電気料金値上げ申請を受けた審査で、この支出を寄付金に近いと判断。今年度分以降について、電気料金算定の基礎となる 経費「原価」に組み込むことを認めなかった。

東電は、福島事故賠償に向けたコスト削減策として寄付金の原則廃止を表明したが、原発建設費という別の名目で事実上、寄付を続けていた疑いが強まった。

朝日新聞が入手した資料によると、東電は2011年5月末と12年5月末、1億3340万円ずつを六ケ所村に支払った。東電は支出について、六ケ所村の 漁業振興対策事業の助成が目的で、原発建設に関連すると説明している。一方、原発建設に伴う漁獲量の減少などに応じた補償については、すでに東電が各漁協 に支払っている。

東電は長年、地域振興などの名目で原発立地自治体などに年間20億円程度の寄付金を出し、原価に組み入れてきた。今年5月9日に、実質国有化される内容 の総合特別事業計画が政府に認められ、その中で「寄付金は原則的に廃止」と明記。7月に家庭向け電気料金の値上げが決まった際、原価から寄付金は除かれ た。

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《東電広報部の話》 六ケ所村への支払いは、いわゆる寄付金とは考えていない。寄付金は原則的に廃止しており、この支払いはその対象ではない。公表を前提としていないため、相手先との関係上、詳細の説明は控えたい。

《経産省電力システム改革専門委員会委員を務める八田達夫・学習院大特別客員教授の話》 福島事故の賠償のために東電を存続させるとして国民負担を増や したのだから、東電は賠償にできるだけ多くの資金を回すべきだ。今回の六ケ所村へのカネは、原価には入っていないものの、建設の見通しが立たない原発のた めの不必要で不透明な支出で、許されない。実質国有化された以上、こうした余計な支出をチェックする仕組みが必要だ。

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