(吉田前所長と3度にわたり会われたということですが、インタビュー以外で吉田前所長と話して印象的だったところは?)
吉田所長はですね、大阪出身の方なんですね。私も徳島生まれ、大阪育ちですので、大阪弁でやり取りができたんですけども、本当に表裏がなくてですね、立派な指揮官だなという印象があります。それとですね、私『わもん』というコミュニケーションの手法で、吉田所長の了解をいただいて、福島第1原発重要免震棟に入れていただいたんですが、一番最初に申し上げたいのは、私は原発賛成・反対、そのどちらの位置でもなくてですね、エンドポイントを吉田所長と話し合って、『福島完全安全宣言』というところに置かせていただいております。(インタビューも撮られたということですが、インタビューの中で吉田所長が一番訴えたかったことは?)
事故調のインタビューに、ずいぶん多く答えておられるんですが、今回の福島でのビデオの中でもおっしゃっているんですが、肉声がどうしても届かないと。現場の声が、どうしても届かないということをおっしゃっておられます。(作業員の方とも2011年10月から、定期的にメンタルケアをされているということですが、そういった作業されている方たちの声というのは?)
10カ月にわたり、毎月延べ250人ほどの方にお話を聞いてきたんですけどね、心中はすごく複雑です。自分たちがいったん被害を受けて、加害者になっている。今もう世論はですね、東電に対していろんなご意見があるので、悪いなあと思っているんですけど、自分たちも家が流されたり、お身内がいなくなったりですね、そんなところがあるので、非常に皆さん、複雑な思いを抱えておられます。(具体的にエピソードで聞かれたことは?)
多くの方がおっしゃっておられますのは、まず奥様が洗濯物を干すときに、東電のジャンパーをベランダに干すことができないので、部屋干しをしているとか。異業種交流会に参加できないので、名刺の数が減ることがなくなったとか、そういったお声をよく聞いております。
続きは吉田昌郎前所長にインタビューした薮原秀樹氏に話を聞きました。
参照◇Tepco workers face mental health crisis after cost cuts: counselor
薮原秀樹氏、ここでリンクされている外国人記者クラブでの話のほうが率直なのがちょっと気になります。