(2012年8月3日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
環境保護団体が原子力発電は高すぎると訴えることはあるが、発言の主がゼネラル・エレクトリック(GE)のような原子力産業の先駆的企業のトップとなると、話はまるで違ってくる。
■原発業界の「不都合な真実」
GEは1950年代に世界でも最初期の商用原子炉を建設し、2007年に日本の日立製作所と原子力発電の合弁会社を設立して以来、業界トップの一角を占めてきた。
GEのジェフリー・イメルト最高経営責任者(CEO)が、原子力発電を経済的に擁護するのは「非常に難しく」、大半の国はガスと再生可能エ ネルギーの組み合わせに移行していると、7月末にフィナンシャル・タイムズに対して語ったのは、業界の「不都合な真実」を口にしただけだと見る投資家もい る。
昨年の各種経済予測では、原子力発電所が生み出す電力はこの先何年も天然ガスや風力発電所、太陽光パネルの電力よりも安いか同程度とされていた。
一部の専門家はそうした予想を疑問視してきた。太陽光パネルの市場価格が急落し、風力タービンの価格も下がったうえ、膨大な量のシェールガスの発見で米国における安いガス価格がほかにも広まるとの期待が生じたからだ。
欧州で20年ぶりの原子炉新設となるフィンランドのオルキルオト3号機とフランスのフラマンビルの建設は大幅に遅れ、原子炉建設コストの試算を膨らませた。日本の福島での原発事故が一段とコストを増やし、ドイツなど一部の国は原子力発電の廃止を決めた。
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♦ Nuclear power hard to justify in cheap gas world: GE via Reuters