エネ庁課長、脱原発検討せぬよう圧力 via 中国新聞

経済産業省資源エネルギー庁の吉野恭司よしの・きょうじ原子力政策課長が昨年12 月、核燃料サイクルの見直しを検討していた原子力委員会に対し「脱原発シナリオの分析を行うことは、慎重派を勇気づける材料になるが、原子力を維持する材 料にはならない」との文書を渡し、脱原発の検討をやめるよう圧力をかけていたことが3日、分かった。

(中略)

課長が文書を渡した昨年12月は原子力委内部でサイクル政策の検討をどう進めるか調整していたころで、原子力委が独自に将来の原発比率を仮定して議論を進める方針だったという。

経産省によると、吉野課長は昨年12月27日、近藤駿介こんどう・しゅんすけ原子力委員長らを訪問し、経産省の審議会が原発比率を示すのを待って核燃料サイクルの議論をするべきと述べ、補足として問題の文書を手渡したという。

文書には「経産省審議会の議論を先取りしているとして、原子力委に大きな批判が予想される(原子力委のあり方論に発展するおそれ)」と、脅しとも取れる表現が盛り込まれている。

この結果、原子力委の小委員会は原発比率を仮定せず、使用済み核燃料の再処理や地中廃棄などの技術的な検証を優先。今年3月末に経産省審議会が、原発ゼロを含む複数の原発比率をまとめたことを受け、小委員会は、その比率を基に4月から本格議論を始めた。

吉野課長は共同通信の取材に「行政機関同士の意見交換として文書を渡したが、内容は筆が滑ってしまった。(原子力委が独自に脱原発シナリオを検討すると)数字が独り歩きし、議論が拡大することを懸念した」と述べた。

全文はエネ庁課長、脱原発検討せぬよう圧力

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