原発が立地する周辺地域への電気料金の割引事業をめぐり、経済産業省OBが四代続けて理事長を務める財団法人 が、割引分の現金を各世帯などに給付する業務を事実上、独占的に受注していることが分かった。同省などが通達や給付金の運用規則で財団に半ばお墨付きを与 えていた。地域振興を名目に国から交付された原発マネーが、特定の天下り団体に流れ込んでいる。
この財団法人は電源地域振興センター(東京都)。自治体から業務を受注した後、電力会社に事実上丸投げし、二〇一〇年度の場合、計約三千八百万円(決算額)を得ていた。
割引制度は、国が地方自治体に給付金を交付した後、自治体がセンターに補助金として支出する。一〇年度は原発のある北海道や福井、静岡など十五道 県に計約二百十億円が交付され、センターが住民への支払い業務のすべてに携わった。しかし、給付金の計算や住民らへの現金振り込みなどの実務は、電力会社 が行っていた。
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