池田信夫
放射能デマを取り上げるとかえってパニックを拡大するので、いつもは無視しているのだが、広瀬隆氏と明石昇二郎氏が行なった刑事告発は悪質なので、事実関係を訂正しておきたい。
彼らは32人を東京地検に告発しているが、告発なんて誰でもできるもので、それ自体は犯罪に関与していることを意味しない。普通のメディアは無視しているが、「自由報道協会」は彼らに記者会見させ、それをニュースメディアではBLOGOSだけが報じている。
この刑事告発が悪質なのは、行政の責任者だけではなく、山下俊一氏(福 島県立医大副学長)などの専門家も対象にし、犯罪者として立件するよう求めていることだ。山下氏は、長崎の被爆者などの調査をもとに「100mSv以下の 被曝と発癌率には因果関係がない」という結果を発表し、今回の事故についても福島県の放射線健康リスク管理アドバイザーとして勧告してきた。これは学界でも広く認められた説であり、彼が研究者としてそれにもとづく勧告をするのは当然である。
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