東京電力福島第一原発でこの春、鋼鉄製の保管用コンテナから漏れ出したとみられる放射能に汚染されたゲル状の塊が見つかった。東電によると、敷地内の屋外には、主に低レベルの放射性廃棄物を入れたコンテナ約8万5千基が並ぶ。雨水などで劣化が進むと、廃炉作業の支障になりかねず、対応に困っている。
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そうしたコンテナは現在、8万5469基ある。そのうち、2017年11月以前に詰めた4011基は、中身の詳細な記録が残っていない。放射線量が高いものが入っていないことは確認したが、「不燃物のがれき類」ということしかわからない、という。
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東電の担当者は「さびの程度で判断し、著しい場合には補修や詰め替えを検討する」と説明する。28年度までに屋外の保管を取りやめ、新設する専用施設に移すことにしている。
東電の推計では、今後の廃炉作業で、がれきや使用済み防護服など放射能に汚染された廃棄物が32年3月末までに約78万立方メートル発生する。東京ドームの半分を上回る量だ。焼却や破砕、再利用によって約3分の1に減容する計画だが、最終的にどう処分するのかは決まっていない。(藤波優)