【ふるさとを返せ 津島原発訴訟】「予見可能性も結果回避可能性も無い」国が最終弁論 1月に結審 来夏にも判決言い渡しか via 民の声新聞

原発事故で帰還困難区域に指定された福島県双葉郡浪江町津島地区の住民たちが国や東電に原状回復と完全賠償を求めている「ふるさとを返せ 津島原発訴訟」の第32回口頭弁論が3日午前、福島地裁郡山支部303号法廷(佐々木健二裁判長)で行われた。

[…]

【「規制権限不行使に違法性無い」】
 「時間は40分と申し上げておりましたが、実際は50分ほどかかると思われます。出来る限りコンパクトにまとめてお話したいと思います」
 国の指定代理人が、用意した「意見陳述要旨」を早口で読み上げた。モニターに「被告国の責任論の主張について」パワーポイントの資料を映し出しながら、他の原発事故関連訴訟と同様、国には大津波の予見可能性も過酷事故の結果回避可能性も無く、当時の規制権限不行使に違法性が無かった事を訴えた。
 1992年の「伊方原発訴訟最高裁判決」を引用。「津波という自然災害による原子力災害の発生の予見可能性に関する裁判所の審理・判断は、①原子炉施設に関して用いられた安全性の審査又は判断の基準に不合理な点があるか否か②当該原子炉施設が当該基準に適合するとした規制機関の判断過程に看過し難い過誤・欠落があるか否か─の二段階審査によって判断されなければならない」と強調した。
 そのうえで、「(本件原発事故は)規制権限の不行使の違法性が肯定されたこれまでの最高裁判決の事案と異なり、原告らが『(国が)規制権限を行使すべきであった』と主張する時期において、いまだ被害は発生しておらず、被害をもたらす原因も科学的に判明していなかった」と繰り返し主張した。
 「本件津波により深刻な被害が発生したとしても、規制権限不行使の違法が直ちに肯定されるものではない」と結論付け、「科学的根拠の乏しい自然事象も含めてあらゆる事象を規制に摂り込むということになれば、かえって原子力工学その他の多様な科学技術の統合体である原子力発電所のシステム全体の安全性を低下させることにつながりかねない」とも述べた。

[…]

全文

This entry was posted in *日本語 and tagged , . Bookmark the permalink.

Leave a Reply