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課題は「前村長〝独裁〟からの脱却」 日大で物理学んだ杉岡村長が初登庁 「放射線防護の三原則に従う」「開かれた村政目指す」via民の声新聞

  • 2020/10/20

無投票で飯舘村長選挙に当選した杉岡誠村長(44)が27日午前、村役場に初登庁。杉岡村政が船出した。6期24年にわたって君臨した菅野典雄前村長の強引な村政で村の民主主義は破壊され、原発事故による放射能汚染や被曝リスクに対する村民の懸念も否定され続けて来た。杉岡村長はまず、村民との対話と線源の存在を認めたうえでの放射線防護に取り組む。前村長が硬く閉じた村長室の扉は開け放たれるのか。村民の拍手で役場に迎えられた杉岡村長には、前村長が否定し続けた放射線防護と「開かれた村政」の実現が期待されている。

村民不在の〝復興〟を反省】
 杉岡村長自ら「すがすがしい秋晴れの日」と表現したように、暖かい陽光に包まれての初登庁。しかし、現実には前任の菅野典雄村長が遺した〝負の遺産〟があまりにも大く横たわっている。午前10時から行われた初めての訓示では、村役場職員を前に「反省」を口にした。まずはそこからだった。
 「『復興』という言葉が叫ばれてからもう10年が経とうとしていますが、いつの間にか、この『復興』という言葉が、行政側が一方的に押し付けるようなイメージで捉えられて本当の『復興』を実感すべき住民の姿が、住民自身がおざなりになって来たのではないか。そんな危機感を持っています。本来、手段であるべき『復興』のための様々な取り組みが、いつの間にか目的となってしまった。そういうところがあるのではないかと反省しています」
 課題は〝菅野独裁〟からの脱却。前村長は原発事故による放射能汚染と被曝リスクに向き合わず、村民の声を押し切る形で原発事故後の村政を進めてきた。懸念の声が多い中での村内学校再開。道の駅などハコもの建設ラッシュと贔屓にする彫刻家の作品を大量購入。自身に好意的な地元メディアの取材は積極的に受け、広告を次々と出稿した。一方でフリーランス記者には「悪い事ばかり報じる」と敵意をむき出しにした。
 「起きてしまった事をいつまで口にしても仕方ない」と被曝リスクへの村民の懸念を否定し続けた。国には「良くやってくれている」とすり寄って交付金を獲得し、原発事故の加害当事者である東京電力を「東電さん」と呼んだ。避難指示解除の住民説明会では、国や東電と同列に並んで村民の怒りを買った。子育て中の母親は「村は嫌いでは無いけど、村民の声に耳を傾けないような村長のいる村に将来は無い」と中通りに移住した。菅野氏が勇退を発表した際には、村政に協力的な村民ですら「村長選挙にきちんと立候補して、惨敗して役場を去れば良いんだ」と口にしたほどだった。〝傷〟はそれほど深いのだ。

【反対意見封じる田中俊一氏】
 杉岡村長を迎える村民の輪の中に、原子力規制委員会の田中俊一前委員長の姿もあった。田中氏は委員長退任後に飯舘村に移住。「飯舘村復興アドバイザー」(2018年2月1日から2020年3月31日まで)を委嘱されるなど、菅野氏の〝右腕〟として今も影響力を持っている。
 「杉岡さんとは付き合いが長い?杉岡さんは役場の係長をやってたから…」
 声をかけると、いつものようにぶっきらぼうな調子で答えた。そして、長泥行政区で行われている除染で生じた汚染土壌の再利用実証について質すと、これまでと同様に反対意見への批判を口にした。
 「モニタリングポストの撤去も、汚染土壌の再利用も、汚染水の海洋放出も、反対する方がおかしいんだよ。それしか方法が無いんだから…。それしか無いですよ。陸上保管なんてあり得ないですよ。(汚染)水は永遠に流れて来るし、あり得ないですよ。何のために陸上保管をしなければいけないんですか。安全上の問題など何も無いのに。何も問題無いですよ。50年以上、戦後世界中で皆流しているけれど何か起こったという話は無い。あの基準は国際基準として決まっているんだから」
 自分も含めて国の方針が絶対正義で反対する側は悪、という構図こそ、原発事故後の菅野村政がつくりあげてしまった村の姿だった。田中氏は反対する人たちだけでなく、メディア批判も口にした。
 「当たり前の事が出来ないとね。そんな事をやってたらあんた、『いちえふ』の廃止(廃炉)なんて出来やしないですよ。廃棄物は山ほどあるし、もっともっとリスクの大きい事がいっぱいある。モニタリングポストもそう、汚染土壌の再利用もそう。もっとリスクを合理的に考えないと。反対してたら福島の復興なんて出来ないですよ。原発事故は原発事故なんだけれども、それをどう克服するかという視点が全く無いのが、あなたとは言わないけど、あなたたちマスコミの…」
 「およそ大学で学んだ人たちとは思えない思考力しか無い。まるで反対している人が悪いみたいだって?そうですよ。反対するのは構わないけれど、福島の復興の妨げになるような事はやめなさいって。妨げてますよ、ものすごく。村内にはフレコンバッグがいっぱいあるでしょ。これをどうするんですか? これを毎日見ている人たちは? 村に戻って来たって田んぼの上にあれがあったら何も出来ないでしょ」
 「再利用しなくたって良い? 別に良いじゃないですか再利用出来るんだったら。安全上、何も問題無いんだから。問題無いと言い切って良い。言い切れます。そのための実証試験をやってるんです。ものを普通に考える力が無いんだったら、もうやめたら良いんだメディアなんか。何が『民の声』だよ」
 杉岡村長は田中氏とどう付き合っていくのだろうか。

[…]

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