環境放射能除染学会の国際シンポジウムは十一日、郡山市のけんしん郡山文化センターで開かれた。電力中央研究所の井上正名誉研究アドバイザーが東京電力福島第一原発事故からの県内の環境回復に向け、現状や課題などを説明した。
井上氏は政府が個人の追加被ばく線量年間一ミリシーベルト以下を除染の長期目標としている点について触れ、一定の条件下で空間放射線量に換算した「毎時〇・二三マイクロシーベルト」ばかりに県民がとらわれている点を指摘した。個人の行動形態によって実際の被ばく線量は異なることを強調し、「帰還した住民の個人線量を測定するとともに、結果について分かりやすく説明する必要がある」と訴えた。
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