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それでも電気で回っている~3.11以後の電力・原発・住民たち(下)via NET IB News

自作のノボリで運動

 そこに足を踏み入れたとき、ノボリの数に圧倒された。「健康無害を証明せよ」「四十年空気も水も汚染」……ほかにも多くの原発反対の標語が書かれている。

 「ほとんど1人でつくったよ」と語るのは、唐津市在住の薬剤師・北川浩一氏。唐津の市民グループ「玄海原発反対!からつ事務所」の発起人の1人を務め、発足以来、自作のノボリをもって同市内の役場やオフサイトセンターの前に立つのが日課になっている。

 同グループは2016年8月に発足。九州電力川内原子力発電所1号機が稼働されたことを受け、玄海原発の再稼働を阻止しようと教育や医療に関係する市民が中心となって立ち上げた。現在は年間3万枚ビラを作成して住民たちへ配布、原発の危険性の周知徹底に務めている。

 その活動のなかで住民たちの生の声を聞くことがある。チラシを受け取った玄海町のある町民からは、「原発の廃炉だと。俺たちを被ばく労働者にするつもりか」と怒鳴られたこともあるという。北川氏は「これが立地自治体の現実」と述べる。

 「(町民も)原発が危険だという現実はわかっている。わかっているが、そこから脱出できない」と北川氏。ほかにも、農業や漁業に携わる人々に配ったときには、押し黙られてしまったという。

玄海町農家の苦悩

 玄海町の農業従事者と接点をもっていたという九電の子会社の元社員は取材に対して、「玄海町での農業振興には無理があった」と振り返る。

 「農家がどんなに良いものをつくっても、産地をいうと『扱えない』と断られる。買ってもらえない。産地を明記しないとなると、市場の半値で買われる」と農家の苦しみを代弁する。「玄海町には稲作が大変な棚田も多い。そんなところでつくっても、全然売れない。だったら、原発の関連施設の建設現場で働いたほうが儲かる」

 反原発運動とは距離を置くものの、この元社員も先述の市民グループと共通する点を指摘する。「全然、安心だとする説明がない」。

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2 Responses

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