「除染バブル」キーマンに接待攻勢 業者がお墨付き求め via 朝日新聞

(抜粋)

福島県の担当者が話した。県は2014、15年度にため池の除染関連技術を公募し、74件の応募に対して9件を採用。数千万円ずつ出して実証試験をした。

ランデックとは、内閣府認定の公益財団法人「原子力バックエンド推進センター」(東京都)の略称。一般的な知名度は低いが、研究施設などから出る低レベル放射性廃棄物の処理を担う、原子力業界では著名な団体だ。

ランデックによると、事故後、自治体や国に売り込みを図る中小企業の除染技術の評価も始めた。1件当たり100万~200万円で、年間で2千万円前後の収入を得ているという。ランデックの賛助会員には近年、除染関連法人が加入するようになり、15年度の賛助会費は計約2400万円に上る。

ログイン前の続きなぜこれほどまでに中小企業がランデックを頼るのか。ある会社役員は「中小企業が除染技術を開発しようとすれば、技術的な相談に乗ってくれる団体はランデックしかない」と話す。さらに、震災後に新興の「除染」企業が雨後の竹の子のように生まれたなかでランデックの評価書が差別化につながるのだという。

(略)

ランデックのトップは菊池三郎氏(75)。廃炉が決まった高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県)の建設所長を長年務め、核燃料サイクル開発機構(現国立研究開発法人日本原子力研究開発機構)理事を経て、05年からランデック理事長を務めている。かつて「ミスターもんじゅ」と呼ばれた。

ランデック理事長は公務員ではないが、業者の証言などから、バブル経済時をほうふつとさせる接待の光景が浮かんだ。

菊池氏への接待を証言したのは、一般社団法人「放射物処理促進センター」(東京都)の藤井正三郎理事長(77)。藤井氏が保存するカード明細書やクラブ領収書の内容と藤井氏の証言を照合したところ、14年10月からの約1年間で菊池氏がいたとする銀座のクラブでの接待費が計18回、約480万円。藤井氏は「菊池さんに車代3万円を渡すこともあった」と話す。

「開発した放射線量を下げる装置を国に採用してもらうよう、菊池さんに口利きしてもらいたかった」とその理由を語る。

また、別の3社の関係者が、菊池氏の飲食代肩代わりの依頼について証言した。「飲み代を持ってくれませんか」と菊池氏から頼まれた後、銀座のクラブから会社あてに請求書が届いたという。内部資料で確認できたのは、14~16年に2社に送られた請求書の金額がクラブ2店で11回、計約142万円。そのうち約55万円は支払い済みとなっていた。

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菊池氏からクラブ飲食費の肩代わりを頼まれたことがある会社の幹部は言う。「除染事業に今後も多くの国費があてられる。もんじゅ元所長の肩書もある菊池氏の態度は、原子力事業への不信を高めかねない」(五十嵐聖士郎、市田隆、木原貴之)

■菊池理事長「技術の有利性を説明するだけ」

ランデックの菊池三郎理事長は取材に対し、放射物処理促進センター側からの接待について、「他の人も色々いたと思うから、私だけじゃない。全部、私かどうかは確認できない」などと答えた。車代の提供については「何回かあったかもしれない」とした。

同センター側が接待の狙いを「国に口利きしてほしかった」としている点については、「うちに試験を頼む業者は基本的に皆そう思っている。我々は技術の有利性を説明するだけであって、接待で動くわけがない」と説明した。

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