アングル:福島原発事故6年、避難解除でも帰還の足取り重く via Reuters

(抜粋)

昨年11月以降、登録した住民は浪江町に泊まることが許されていたが、浪江町の一部を含む福島県内の4町村が、避難指示を3月末(富岡町は4月1日)に解除する政府案を受け入れたため、住民は特別な手続きを経ることなく町で暮らすことができるようになる。

福島第1原発からわずか4キロの浪江町は、2011年3月11日に震災が発生して以来、住民の帰還が許された地域としては同原発から最も近い位置にある。

しかし以前のような町に戻ることは決してないだろう。帰還が許されたとはいえ、放射能汚染により町の大部分が立ち入り禁止となっており、そうした地域では二度と居住できない可能性がある。

昨年9月に政府が発表した調査によると、元住民の53%が帰還しないと答えている。その理由として、放射能や廃炉作業に40年が見込まれる福島第1原発の安全性に対する懸念を挙げている。

<高齢者>

同調査では29歳以下の75%超が帰還する気がないと回答しており、浪江町の人口の多くがこの先、高齢者で構成され、子どもがほとんど存在しないであろう可能性を意味している。

(略)

2月28日の浪江町役場の放射線量は毎時0.07マイクロシーベルトで、日本の他の地域とほとんど変わらない。

しかし近隣の富岡町では毎時1.48マイクロシーベルトと、都心部の30倍近い数値を示すところもあり、 今なお放射線量の高い「ホットスポット」の存在を浮き彫りにしている。

避難指示の解除には、年間の放射線量が20ミリシーベルト以下で、電気や水道、通信システムなどのインフラ、基本医療、高齢者介護、郵便事業などの復旧が条件となる。

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