2014年に米核廃棄物隔離試験施設(Waste Isolation Pilot Plant)の地下処分場で生じた放射性廃棄物を納めた容器が暴露し、放射能が外部に流出した事故に関連して、流出した放射能の除染費用は20億ドル (2000億円)超の費用がかかる見通しとなっていることが22日、LA Timesの報道により明らかとなった。
20億ドルという費用は、1979年に発生したスリーマイル原発事故での復旧費用とほぼ同じ金額ともなる。
WIPPは、第二次世界大戦以降の核兵器製造開発工程で生じて核廃棄物などを保管するための最終処分場のパイロッ トプラントして建設が進められてきたもので、地下600メートルの安定した岩塩層をくり抜くことで、数万年に渡って核廃棄物を長期保存することが可能な核 廃棄物の最終処分場として機能することが計画されていた。
運用が開始となったのは1999年3月で、数万年もつはずの施設なのにも関わらず運用開始から15年に重大事故が発生したこととなる。
2014年に発生した放射能漏れ事故は、核廃棄物を納めたコンテナの密閉状態が破られ、内部の核廃棄物が外部に暴 露したというものとなる。このコンテナへの核廃棄物の収納は米核兵器研究開発の拠点となるロスアラモス国立研究所で行われたものとなるが、ロスアラモス研 の作業ミスにより、本来は同じコンテナ内にいっしょに収めてはならない核廃棄物を同じコンテナに収めてしまったため、内部で複雑な化学反応が生じ、内圧に よってコンテナが粉砕してしまったことが判っていた。
粉砕し内部の核廃棄物が流出したドラム缶は、約1ダースに限定されていたが、ドラム缶内の核廃棄物が暴露したことにより、周囲には甚大な汚染が広がってしまっていた。
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一方、2011年3月に発生した福島第一原発事故の廃炉費用に関して日本政府は2兆円(200億ドル)と見積もっている。
今回、明らかとなったWIPP事故の除染費用は、高レベルの放射能漏れ事故の復旧作業がいかに困難で多額の費用を要するものになるかを示唆したものとなっている。
全文は米核廃棄物隔離試験施設放射能漏れ事故、除染費用は20億ドル(2000億円)となる見通し
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