極めて危ない状況だ。鹿児島県・桜島で15日朝から火山性地震が急増し、山体が膨張。火口から3キロ以内で大きな噴石の飛散や火砕流の恐れがあり、噴火警戒レベルが初めて4(避難準備)に引き上げられた。鹿児島市の3地区には避難勧告が出され、対象全世帯が避難している。
16日は火山性地震は減少したものの、「いつ規模の大きな噴火が起きるか分からず、警戒が必要な状況は変わらない」(気象庁)という。
そこで心配になってくるのが、11日に再稼働した川内原発1号機だ。桜島からはわずか52キロしか離れていないのだ。九州電力は「現時点で、影響があるとは考えていない」とした上で、「特別な態勢も取っていない」とノンビリと構えているが、果たして大丈夫なのか。
川内原発については、以前からその“危険性”は指摘されてきた。2013年に毎日新聞が火山学者に行ったアンケートでは、「巨大噴火の被害を受けるリス クがある原発」として、50人中29人が「川内」を挙げている。九電が何を根拠に「影響なし」としているのかわからないが、噴火の規模が大きければ、影響 は避けられないだろう。
(略)
桜島は1914年に大噴火を起こしている。予兆があったにもかかわらず、当時の気象台は「噴火はしない」と答え、結果的に死者を出す大惨事となった。桜島近くの東桜島小学校にある石碑にはこう書かれてある。
「科学を信じてはいけない、危険を察したら自分の判断で逃げるべきだ」
全文は噴火警戒レベル4 再稼働「川内原発」を桜島の火砕流が襲う日
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この川内原発の安全性審査では、火山噴火の影響について、「川内原発の運用期間中に巨大噴火が起こる可能性は十分に小さい」「モニタリングを行うことで巨大噴火を予知でき、さらに予知してから噴火までに核燃料を搬出する十分な時間がある」として、問題ないと結論づけた。
しかし、火山噴火予知連絡会会長の藤井敏嗣・東京大学名誉教授は、この「巨大噴火が起こる可能性は十分に小さい」という根拠は十分ではないとし、東 京大学地震研究所の中田節也教授も「巨大噴火の時期や規模を予測することは、現在の火山学では極めて困難、無理である」「核燃料の冷却・搬出に必要な数 年~10年程度より前に噴火がわかるとは限らない」としている。
過去、姶良大噴火の火砕流が、川内原発サイトに及んでいたという痕跡もあると、九州電力さえもが認めている。この再稼働が、あの過酷深刻事故を再び起こさないように心から祈るばかりである。もう「想定外」という言い訳は断じて許されない