農産物や魚介類からの放射性物質の検出、大きく減った 震災4年 via apital

原発事故の発生から4年がたち、農産物や魚介類などから検出される放射性物質は大きく減った。被害からの立ち直りを目指す生産者の努力も実を結びつつある。だが、福島県産品の価格は元に戻っていない。

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 ■魚 試験操業、58種に増

福島県の沿岸漁業者は、現在も本格的な操業をしていない。県のモニタリング検査では、今も魚介類から国の基準を超える放射性セシウムが検出されることがあるからだ。

ただ、その割合は大きく減った。今年1月に調べた706検体のうち、基準値超えは0・4%。反対に86・7%は検出限界値未満だった。

沿岸漁業者は12年の夏から、放射性物質濃度がきわめて低いと認められた魚種に限って取り、国の基準より厳しい自主検査をした上で販売する「試験 操業」を続ける。対象魚種は15年2月時点で58種まで増えた。海域も全県沖に広がり、第一原発20キロ圏内を除く岸近くでも認めている。一部は東京の築 地市場など県外にも出荷している。

水揚げ量は原発事故前の3%未満にとどまるが、昨年には震災前の主力魚種であるマガレイなどが加わった。今年1月には冬場の主力のマダラも追加、来年度中にはヒラメも見込む。福島県漁業協同組合連合会は「今年は勝負の年になる」と話す。

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■野菜も米も基準値超えゼロ 放射性物質のモニタリング

農作物など食品中の放射性物質を調べるモニタリング検査は今も全国で続き、4年間の検査総数は3300万件を超す。放射性セシウムを指標として測 定し、国の基準値(1キロあたり100ベクレル)を超えた時は市場に出ない。地域的広がりがあれば出荷制限となる。現在も一部地域では品目によって出荷制 限がかかっている。

農林水産省のまとめでは、基準値を超えた検体の割合は大幅に減った。2011年度(11年3月も含む)は3・4%だったが、12年度は0・02% に急減。14年度は12月22日時点で0・002%となっている。野菜類は2年連続で基準値超えがゼロ、全袋検査をしている福島県産米も14年度は初めて ゼロとなった。

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厚生労働省は昨年2~3月、13都道府県のスーパーマーケットなどで食材を買い、簡単な調理をして放射線セシウム濃度を測定。それを1年間食べ続 けた時の被曝(ひばく)量を計算した。検出限界未満の場合は限界値(おおむね1キロあたり0・1ベクレル)の半量が含まれていたと仮定した。

その結果、最も高かった福島県(浜通り・中通り)でも0・0019ミリシーベルト。基準の根拠になっている年間1ミリシーベルトの526分の1だった。

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