◎セシウム飛散乗り越え収穫 南相馬
南相馬市で2014年産米の稲刈りが進んでいる。昨年、市内の一部で生産されたコメから国の基準値を超える放射性セシウムが検出され、作付面積は福島第1原発事故前の2%にとどまるが、稲は順調に育った。
同市原町区下高平では18日、地元の農業法人「泉ニューワールド」がひとめぼれの刈り取りを始めた。作付面積は約21ヘクタールと市内最大規模で、全量を政府備蓄米に出す。
同法人の作付け地域からは昨年、基準値超の放射性セシウムは検出されなかった。佐藤幸信代表(59)は「コメの出来はいいが、作付け農家が少ない。環境が整い、来年は多くの農家が作ってくれればいい」と話した。
昨年、市内では原町区太田地区と小高区で収穫されたコメの一部から基準値を超す放射性セシウムが検出された。福島第1原発のがれき解体現場から昨年夏飛散した粉じんが原因の可能性もあると指摘されている。
基準値超のコメを産出した地区でも試験栽培が行われており、市は放射性セシウムの検査結果などを踏まえ、来年産米の作付け方針を決める。
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