上昇予測していない 原発事故によるがん発生率で国連科学委 via 福島民報

東京電力福島第一原発事故の健康影響に関する2013年報告書を4月にまとめた国連放射線影響科学委員会(UNSCEAR)は5日、福島市保健福祉セン ターで報告書に関する説明会を開き、「原発事故の放射線被ばくにより将来、がんの発生率が明確に上がることは予測していない」との見解をあらためて示し た。ただ、放射線リスクはゼロではないため今後も調査と分析を続け、報告書を毎年更新する。

説明会には医師や薬剤師、教職員、行政担当者ら約200人が参加した。同委員会のカールマグナス・ラーソン議長は「(住民避難などの)迅速な予防的措置で被ばく線量が大きく低減した」とし、被ばくによるがんのリスクは「極めて小さい」と述べた。

県民健康調査で見つかった子どもの甲状腺がんについて、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故で調査に当たったミハイル・バロノフ教授(サンクトペテルベルグ放射線衛生研究所)は「最新の医療技術による活発な検査の結果として見つかっている」と説明した。

質疑応答で、放射線被ばくについてラーソン議長は「(事故発生後)数カ月で放射性ヨウ素による被ばくはなくなった」と説明した上で、「いま注視すべきは放射性セシウムだが、計測しやすく対応が可能。除染などで被ばく線量はさらに低減できる」と述べた。

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