東京電力福島第1原発事故に伴う避難などで精神的苦痛を受けたとして、主に福島県から県内に避難した32世帯90人が国と東電を相手取った集団訴訟の第1回口頭弁論が25日、前橋地裁(原道子裁判長)であった。原告は「平穏な暮らしを返してほしい」などと意見陳述した。国と東電は請求棄却を求める答弁書を提出し、争う姿勢を示した。【尾崎修二】
訴状では、国と東電は原発の経済性を重視して安全対策を先送りにし、適切な津波対策も講じなかったため事故が起きたと主張。避難者らは愛着のある土地を離れ、別の場所での生活を余儀なくされたとして、1人当たり1100万円、総額9億9000万円の損害賠償を求めている。
これに対し国と東電は、低線量被曝と健康被害の因果関係が明白でないことや、今回の地震は大規模で予見ができなかったなどとする答弁書を提出した。
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◇ためらう人多く 意見陳述この日の意見陳述では女性2人の原告が証言台に立った。うち1人がストレスのためか、途中で気を失った。裁判で戦う原告住民たちの苦痛をうかがわせた。原告は第2次訴訟と合わせて計125人いるが、公の場で意見を述べることに、ためらう人も多いという。
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