福島県議会も福島県も、放射性廃棄物の貯蔵については、一旦[いったん]双葉郡の大熊町や双葉町などで「中間」貯蔵するものの、30年以内に県外に持っていくという条件で話を進めつつある。
しかしいったい、どこへ持っていくことが可能だというのだろう。
もしも30年後、やっぱりどこも受け容[い]れてくれません、ということになったら、どうするのだろう。
これは2012年の3月、県の主催したシンポジウムで私が佐藤雄平知事に質問したとおりの疑問である。
30年後、といえば誰も責任をとれる立場の人はいない。そんな約束を信じるんですか、と私は知事に訊[き]いた。すると知事は、「信じるしかないでしょう」と答えたのである。
政治家として、そうあってほしいという願いは解[わか]らないではない。だから法制化してほしいということなのだろう。しかし代替え地が見つからなければ法律があっても話は始まらないのである。
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(玄侑宗久、僧侶・作家、三春町在住)
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