まさに本末転倒である。食品中の放射性物質規制強化のことだ。4月1日から、食品衛生法で定められた放射性物質の規制値が変更された。これまで1キログラム当たり最大500ベクレルだった暫定規制値が、最大100ベクレルに厳格化された。
そもそも放射能検査を厳格化したのは、食品の安全性を国がしっかり担保し、情報公開を進めて消費者の不安を払拭するためだったはずである。ところが、4月1日以降、情報公開は進むどころかかえって後退している。
厚生労働省のホームページを見てほしい。報道発表資料のところに「食品中の放射性物質検査の結果について」という項目があり、検査結果自体はPDFファイルで閲覧できる。
しかし、それらは自治体から上がってくる検査結果をランダムにまとめて電子化しているだけ。つまり、具体的にどの地域でどんな食品を検査し、どの ような結果が出たのかを調べるには、バラバラにアップされているPDFファイルをいちいち開いて確認しなければならない。この結果は、後にエクセルファイ ルにもまとめられるものの、発表から約2ヵ月後という遅さだ。
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