東日本大震災から3カ月を迎えた11日、「6・11 脱原発100万人アクション」を合言葉にした集会やデモが、東京や被爆地の長崎市、広島市など全国各地であった。世界各都市の関心も高く、パリ市内でも原発廃止を求めて市民の輪が広がった。
九州各県の原水爆禁止日本国民会議(原水禁)関係者ら約170人が参加し、長崎市内で開かれた第34回九州ブロック原水禁・原爆被害者活動交流集会は「脱原発を求める100万人アクションアピール」を採択した。
主催者代表の前海満広・福岡県原水禁事務局長は、福島第1原発事故に触れ「人類と核は相いれないことが証明された」とあいさつ、脱原発を訴えた。「核兵器廃絶と原発問題」と題して講演した土山秀夫・元長崎大学長は「政治家、官僚、電力会社が団結し、学者まで育てて原発を推進してきた。一方で再生可能エネルギーは『コスト面などで非現実的』とケチがつけられてきた」と指摘。「現代が文明を享受すればいいという考え方を変え、次世代を考えた計画を示すべきだ」と訴えた。
パリ市内では、原発廃止とエネルギー政策転換を訴えるデモ行進と集会が行われた。
日仏交流を通じて環境問題などに取り組む非政府組織(NGO)の日本人メンバーらを先頭に、市民団体メンバー、原発労働者ら数千人が、レピュブリック広場からパリ市庁舎まで約3キロをデモ行進。市庁舎前広場では、原発の現状や脱原発へ向けたシナリオを発表・報告する集会やコンサートが開かれた。
=2011/06/12付 西日本新聞朝刊=
脱原発へ市民の輪拡大 長崎やパリ 各地で集