東京電力は4日午前、福島第1原子力発電所1号機の原子炉建屋で1時間あたり4000ミリシーベルトと非常に高い放射線量を確認したと発表した。作業員の被曝(ひばく)限度量である250ミリシーベルトの16倍に相当し、同原発で測った空間線量としては最高という。また、配管が貫通する床の隙間から湯気が立ち上っていることも発見した。東電はさらに詳しく調べ状況把握に努める。
高い線量を確認したのは1階の南東角付近。3日にロボットで調べた。同建屋では5月13日に2000ミリシーベルトの放射線量を測定していたが、それを上回った。東電は線量が高い領域は限定的なので復旧に向けた作業に大きな影響を及ぼすことはないと説明している。
また、同じ南東角付近では湯気も確認した。東電によると、湯気は配管が損傷して発生しているのではなく、地下の圧力抑制室の損傷部分から漏れ出たセ氏50度程度の水に由来するものという。高い放射線量の原因になっている可能性がある。
一方、東電は3日、同建屋に圧力計を設置した。炉内の温度を正確に測れるようになる。