Tag Archives: 双葉町

原発が壊れる…前双葉町長「日本は信用できなかった」 via 朝日新聞

4日に避難指示の一部が初めて解除された双葉町。原発事故で全町避難を強いられ、被災自治体で唯一、役場を県外へ移した。事故直後の状況や県外避難を決めた時、トップは何を考えていたのか。井戸川克隆・前町長(73)に振り返ってもらった。  3月11日の午前中は双葉中学の卒業式に出ていた。その後、双葉地方広域市町村圏組合の事務局に行き、車に乗り込んで50メートルほど走った時、大地震が来た。すごい揺れで車が跳ね上がりそうだった。  災害対策本部を開くため、至急役場に向かった。国道6号が混んでいたので裏道を通ったが、その後の津波で流された場所なので、あと10分遅れていたら津波に巻き込まれていた。 […] 全文

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「復興五輪」開催が福島の復興作業を遅らせる via Newsweek

[…] 白い防護服に長靴姿の大沼勇治さん(43)は、傷んで雑草がはびこる自宅の前に立ち、あたりを見回しながら、つぶやいた。「住居の墓場に来たみたい」 2011年の東日本大震災と東京電力福島第1原子力発電所からの放射能流出により、壊滅的な被害を受けた福島県双葉町。同町では夏の東京五輪の聖火リレーを想定し、駅前の道路の補修や町中の除染が急ピッチで続いている。 しかし、大沼さんは、その作業を指さし、「ここで(東京五輪の)聖火リレーをやって欲しくない」と話した。原発事故で7000人を超す双葉町民が失ったものを伝えるには、荒廃し、廃墟となった地域も聖火リレーの通過点として含めるべきだ、との思いが大沼さんにはある。 […] 歴史を塗り消そうとしている 日本政府にとって、今夏の五輪は被災地域の再建が順調に進んでいる姿を内外に誇示する機会となる その演出として、今月26日から予定されている東京五輪の聖火リレーは、同原発事故の対応拠点だった福島県沿岸のスポーツ施設「Jヴィレッジ」からスタートする。 東京五輪・パラリンピックの大会組織委員会は2月13日、双葉町を聖火リレーの初日の通過点にすると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大への懸念から、同委員会は聖火リレー計画の修正を検討しているが、双葉町は通過点として残る見通しだ。 しかし、聖火リレーのスタートが秒読み段階に入った今もなお、「復興五輪」開催への熱気がすべての被災者に共有されているわけではない。双葉町を福島復興の象徴にしようと、その形作りを最優先する政府の姿勢に批判的な見方も少なからずある。 […] 思い起こせば12歳の時、福島原発PRのキャッチフレーズを競う地元のコンテストで優勝した事があった。「原子力 明るい未来のエネルギー」という大沼少年の作品は、双葉町が訪れる人々を歓迎するアーチ広告に大きく描かれた。 その広告板は福島事故の数年後に撤去された。町の歴史を正しく見つめるべきだ、として広告板の存続と一般への展示を主張した大沼さんの訴えは通らなかった。 「この町の歴史がすべて消されているような気がします。修正液で塗った感じがする」と大沼さんは語る。大沼さんは現在、太陽光パネル事業で生計を立てている。 […] 復興作業は後回しに 福島復興を前面に掲げている政府の姿勢とは裏腹に、東京五輪の開催が本当に地域の再建に役立っているのか、という疑問も被災者や住民たちにはある。 福島原発に近い浪江町で飲食店を経営する新妻泰さん(60)は、五輪開催によって工事の人件費や資材コストが上がり、地域の再建プロジェクトは大きく遅れていると指摘する。 「家ひとつ立てるにしても、職人がいないから2年も3年も待たされる」と新妻さんは言う。「こちらは後回しにされているんです」 県の農業や水産業に関与する人々も、政府の対応には批判的だ。 「『アンダー・コントロール』って、何を言ってるんだと思いました」と、同原発から南に50キロ離れたいわき市の漁業協同組合の柳内孝之理事は話す。「復興をネタにオリンピックを勝ち取ったみたいな印象はありますよ」 地元漁業再生への支援を願う柳内さんの思いとは反対に、経済産業省は2月初旬、福島第1原発の汚染水の処理について、海洋放出と水蒸気放出を「現実的な選択肢」とした小委員会の報告を公表した。 同省は今後、地元自治体や漁業関係者などの意見を踏まえて具体的な対策に動く方針だが、柳内さんは風評被害がさらに広がり、地元漁業再生の可能性はさらに打撃を受けると懸念する。 被災者らからのこうした批判に対し、田中和徳復興相は記者会見でロイター通信の質問に答え、東京五輪を念頭に「地域住民に前向きな見方を持ってもらえるよう、関係各県、市町村、各種団体と力を合わせていきたい」と語った。 また、双葉町の伊澤史朗町長は「チェルノブイリと違って、私たちは住民の帰還が目的だ」とし、3月4日の双葉町の避難指示一部解除を「大きな進歩」と述べた。 怒りよりも、あきらめがあるだけ しかし、解除の対象となるのはわずかな面積にとどまっており、困難区域の大半では帰還のめどが立たない状況が続く。 養蜂業を営んでいた双葉町からいわき市に転居し、レストランを開いている小川貴永さん(49)がかつて住んでいた場所は、コンクリートの瓦礫で覆われ、野生のイノシシなどの汚物も散らばる。昔の名残をとどめているのは庭にある小さなカエルの置物程度だ。 昔の友人や近所の人たちがこの町に戻ってくることはないだろうと小川さんは思っている。妻や子供たちを説得できず、ついに住居の取り壊しに踏み切った。 「もう怒りを感じる段階は過ぎました。ひたすら、あきらめがあるだけです」と小川さんは言った。 (編集:北松克朗) 全文

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福島・双葉の避難指示一部解除 住民に期待と不安 via 日本経済新聞

[…] 双葉町など同県浜通り地域を南北に貫く国道6号。4日午前0時、国の原子力災害現地対策本部の職員らが常磐線の双葉駅につながる道を塞ぐバリケードを開き、通行止めの看板撤去を始めた。 […] 今回、避難指示が解除されたのは常磐線の不通区間にある双葉駅とその周囲の区域と、隣接する町北東部の避難指示解除準備区域の計240ヘクタール。町全体の4.7%に相当する。これまで同駅を含む町内の大半の地域は帰還困難区域に指定されており、同区域での避難指示解除は県内7市町村で初めてとなる。 これとは別に駅の周辺は居住はできないものの、自由に立ち入りができる「規制緩和区域」(約560ヘクタール)となった。このエリアは特定復興再生拠点区域として、除染やインフラ整備が集中して進められる。 駅では営業再開の準備が進む。駅舎や踏切は真新しく塗り替えられ、駅前ロータリーも舗装された。5日に大熊町の大野駅周辺で、10日に富岡町の夜ノ森駅周辺でも避難指示が解除され、常磐線富岡―浪江間(約20.8キロ)の運行が14日から9年ぶりに再開する。 しかし駅前の地域でさえ、商店や建物のガラスは割れ、庭木などは荒れたままだ。 「駅前はきれいになっても、住める状態になるのはまだまだ先だ」。4日、車で訪れた町民の渡部勝以さん(70)はこう話した。自宅はイノシシに屋内まで踏み荒らされた。兄夫婦が営んでいた駅前の雑貨店も、床一面に商品のダルマが散乱している。周辺の解体も進み、変わり果てた姿にため息をついた。 震災後、関東の親類宅や仮設住宅を転々とし、「少しでも双葉町に近い場所で暮らしたい」と2018年から福島県いわき市の復興公営住宅で一人暮らしを始めた。将来の古里への帰還も考えたが、「先のことを考えると不安で眠れなくなるから、今はもう考えたくない」と話す。 今回の解除は住民の帰還を伴うものではなく、住宅整備などを進めるための「先行解除」の位置づけだ。双葉町の担当者は「駅から人の流れをつくり出せれば、復興の加速につながるはず」と期待を寄せる。同町の避難者は約6800人で、22年春ごろから帰還を始め、27年までに約2千人の居住を目標としている。 […] 常磐線は就職や進学で地元を離れる先輩らを見送り、自身も東京の専門学校に進んだ50年前に見送られた鉄道だ。「原発事故前は特に意識もしなかったけど、今はとても懐かしい」。全線開通当日の14日は友人らと「待ってたよ」と書いた文字を掲げ、一番列車の通過を見届けるつもりだ。 全文

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避難指示解除、事後に線量確認 異例の決定の背景に何が via 朝日新聞

 原発事故で設けられた空間放射線量が比較的高い「帰還困難区域」。双葉、大熊、富岡の3町の一部で来月、同区域で初の避難指示解除を迎える。ただ、政府は先月、大熊町の一部で空間線量が解除要件の値を下回ったか確認しないまま、解除を決めていた。その後、空間線量が要件の値を下回ったことを確かめたが、異例の決定の背景を検証すると、JR常磐線の全線再開が迫る中での判断だったことが浮かんだ。  今回、帰還困難区域で避難指示が解除されるのは、不通だったJR常磐線の夜ノ森(富岡町)、大野(大熊町)、双葉(双葉町)の3駅周辺など。解除対象区域内に住宅はない。3月14日の再開に先がけ、同月4日以降に順次解除される。  政府は、解除の要件の一つとして「空間線量率で推定された年間積算線量が20ミリシーベルト以下になることが確実であること」としている。政府は、1時間あたりだと3・8マイクロシーベルトに相当するとする。 […] 一部の委員から「大野病院地区は、今回の解除対象地区から外してはどうか」との意見も出たが、町は「政府からの要望で、このスケジュールの中で判断しないといけない」と説明した。スケジュールとは常磐線の再開で、町にとっても大野駅は「町の玄関口で、再開は悲願」(委員の広嶋公治町議)だった。  検証委が昨年10月にまとめた中間報告では、「日常的に駅を利用しても全く問題ないレベル」との見解を示した。追加除染後の結果はそろっていなかったが、利用者の行動を想定した被曝(ひばく)線量評価なども踏まえての判断だった。町は「常磐線が使えることの便益と比較した時、行政としては十分、解除するに至る」(環境対策課)と説明する。  今回の解除地域の空間線量は、これまでに解除された地域より総じて高い。その要因について、河津委員長は取材に「周りに帰還困難区域が残ることは影響しているだろう」と指摘。中間報告ではホットスポット対策として、「周辺地域の除染」も求めている。  解除決定前日にあった1月の町議会の全員協議会では、木幡ますみ町議が「周辺の線量が高い。(先に解除した)大川原地区などと同じように家屋を解体除染し、更地にしてから解除するべきだ」と主張した。  これに対し、国側は「これからやっていく」との回答だったという。木幡町議は「なぜ同じように、線量を確認してから解除できないのか、急ぐ必要があるのか」と話す。(三浦英之、関根慎一) 全文

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避難解除、双葉3月4日、大熊5日〜帰還困難区域の一部via OurPlanet-TV

全文と動画 東京電力福島第1原発事故で唯一全町避難が続く双葉町は26日、JR常磐線双葉駅の周辺など一部地域について、来年3月4日に避難指示解除することで国や県と合意した。一方、今年4月に一部地域の避難指示が解除された大熊町も26日、翌日3月5日に大野駅周辺の避難指示解除することで合意した。JR東日本は来年3月14日、この2駅を含む常磐線富岡―浪江の運行を再開し、9年ぶりの全線開通を目指している。 伊沢史朗双葉町長は「解除はスタートラインにすぎない。4年後の特定復興再生拠点区域に向けて、職員が全力で取り組む。」と述べた。双葉町の場合、避難指示解除はするものの、町民の帰還を前提としていない。中間貯蔵施設建設の影響などもあり、これまでの街や住宅には戻れないことから、駅の西側エリアに位置する復興再生拠点に新たな住宅を整備するなど、全く新たな町づくりを進める。 聖火リレーで発信したい避難指示解除の合意を受けて、伊沢町長は聖火リレーのコースに追加してもらえるように要望することも明らかにし、「もっとも被害が甚大な町だが、こうした厳しい中でも着々と復興が進んでいることや、住民の帰還が果たせるような状況にあることを発信できれば」と力を込めた。聖火リレーのコースは、「復興五輪」であることを踏まえ、「復興の姿を県内外にみなさんに見ていただけるルートにしたい。」と述べた。 一方、大熊町は、大野駅周辺、大野病院の敷地、JRの敷地など面積約28ヘクタールを解除する。鈴木正晃福島県副知事は、「一人でも多くの人が故郷に帰れるように、引き続き国に支援を求めていく。」と述べた。 双葉町、大熊町、富岡町の新たな避難指示解除を受け、国道6号沿いのバリケードは撤去し、立ち入りの緩和を行う方針。それぞれの避難指示解除日の午前0時から順次開けていく。新たなゲートは、解除エリアとは別のとこに設置する。 避難指示解除をめぐっては、「年間20ミリシーベルトより下回っていること」「生活環境の除染が進んでいること」「町民との協議」の3要件が定められている。国の原子力災害対策本部の松本洋平本部長は、「除染の効果が認められて、放射線量は十分低減している」と述べた上で、大熊町で3回と双葉町で11回の説明会を開催したことを踏まえて、避難指示解除の要件を満たしたとの考えを示した。

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原発避難の小学生、立ち入り禁止の故郷へ「疑似遠足」via 朝日新聞

 東京電力福島第一原発事故で故郷への立ち入りが禁じられている福島県双葉町の小学生が26日、避難先のいわき市の校内で、ドローンによる中継映像で町の風景を見たり、現地で働く人と話をしたりした。「バーチャルふるさと遠足」と名付けた授業の一環で、初めての試み。子どもたちはほとんど記憶にない故郷のいまの姿に触れた。 約45分間の遠足は、体育館に70インチの三つのモニターを設置。北に約80キロ離れた双葉町と中継でつなぎ、町職員が「双葉町がどんな町か、タケコプターで空から見てみましょう」と話しかけ、一部が紅葉した山や海のドローン映像が映し出されると、児童たちは身を乗り出し、「うわあ」「すごい」と一斉に声をあげた。 […] 全文

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中学校教諭が「飛び降りろ」と発言 謝罪へ 福島 via NHK

[…] 教諭の行為について生徒と保護者は 教諭の行為について1年生の生徒は「黙っていると首を絞められたり声を出すためだと言って腹を強く押されたりした。1学期は嫌なことが多かった」と話していました。 生徒の母親は「息子は声が小さいという理由で『毎日のように暴力を受けていた』と話しています。 学校からは『コミュニケーションの一環』などと説明を受けましたが、納得がいかず許せません」と訴えています。 この生徒の同級生の母親は「中学校に入ってから子どもが学校のことを話さなくなりました。こういうことがあると安心して子どもを学校に預けることはできません」と話しています。 さらに別の生徒の母親は「子どもたちは男性教諭に対して恐怖を感じ、精神的に追い詰められています。中学校の仮設校舎は狭く、ほかの教諭は知らなかったのか疑問です」と学校の対応に不満を感じていました。 全校生徒は11人 いずれも避難を経験 東京電力福島第一原発が立地する福島県双葉町は、今も全域で避難指示が出されています。 原発からおよそ4キロほどの場所にある双葉中学校は、町にあるただ1つの中学校で事故のあと授業を休止していましたが、平成26年の春に避難している住民が多いいわき市で授業を再開しました。 その年の夏からは新たに建設された仮設の校舎で授業を行っています。 現在の全校生徒は11人でいずれも避難を経験し、複数回、転校した子どももいるということです。   全文

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大熊町、今夏に「1カ月帰還」 福島第一原発立地では初via朝日新聞

[…] 原発が立地する大熊、双葉両町では初めてだ。 期間はお盆を含む約1カ月間の見込みで、政府と調整を進める。対象は「居住制限区域」の大川原地区(昨年12月時点132世帯362人)と、「避難指示解除準備区域」の中屋敷地区(同11世帯22人)。全町民の3・6%にあたる。 両地区とも、除染などにより、政府が避難指示解除の要件の一つに掲げる年間20ミリシーベルトの被曝(ひばく)線量を下回っている。町民の96・4%を占める「帰還困難区域」は対象外だ。 一方、両地区の避難指示の解除時期について、石田仁副町長は「準備宿泊をした結果の検証に加え、議会や住民の合意を得ることが必要で、少なくとも年内は困難」と話している。 両地区では昨年、お盆と秋の彼岸に墓参を希望する町民らに、短期の帰宅を認める「特例宿泊」が5~6日間、実施された。(池田拓哉)     もっと読む。

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故郷奪った福島原発 「原子力明るい未来のエネルギー」標語考案者の大沼勇治氏に聞くvia長週新聞新聞

[…] 大沼氏は双葉町の入口に掲げられた原発PR看板「原子力明るい未来のエネルギー」の標語を子どもの頃に考案して表彰された過去を明かし、震災後は「明るい未来」どころではなくなってしまった双葉町や福島の実情を伝えるために、全国各地を訪れて講演などで思いをのべている。近年は福島がどうなっているのか、とりわけ双葉町や大熊町がどうなっているのかは、まるで報道管制でも敷かれたように表に出てこない。そして原発に翻弄された一般住民を東電と同列の「加害者」のように叩く構造もあるなかで、いいたいことをあからさまにいえない力も加わっている。その声なき声を伝えることを重視し、以下、大沼氏が撮影した写真とともにインタビュー形式で紹介する。 「。。。」Q 福島第1原発事故が起きてからの変化はどうだったか。  A 原発で成り立ってきた町は、事故が起きてから一変した。私も家とアパートのローンが残ったまま出ていかなければならず、その後もローンは払い続けて補償金で完済したが、無人のアパートは汚染されているので、もう貸すこともできない。自宅もおそらく解体するしかない。人口に見合わないのに電源立地交付金で建てた立派な駅や役場なども何の意味もないものになってしまった。それらのハコモノができたからといって、潤ったのは工事に携わった人ぐらいで私たち住民の生活がよくなるわけでもなかったのだが…。東電の補償金でローンは終わり、残った補償金で土地を探した。土地と建物を探すときも、福島では避難者がいっぱいで地価も上がっていたので、茨城に土地を買った。震災の年とその2年後に子どもが生まれ、幼稚園にも通わせなければならない。茨城だったら東京からも1時間半、福島には4時間ぐらいで行くことができるのでそうした。  原発事故に直面している者として、30年以上にわたって反対している人たちと交流することは大切だし、家族でデモに参加することで祝島の人たちと共感しあえたらいいと思って上関に来た。 […] 今、福島原発の復旧作業のための作業員でいわきなどの宿舎やホテルもいっぱいになっている。そういう人のための宿舎をやれば2150万円くらいの補助金が下りる。コンビニなどを開いた人にも国が補助金を出して住民の帰還を促している。住民票を移して自分もいなければならないのが条件だが、そこまでして戻りたいという人はあまりいない。メディアがコンビニなどを映して復興しているかのように伝えているが、現実には人などほとんどいない。  私は福島の現状を講演しながら回っているが、私がこの地域のことを知らないように、遠くなればなるほど、五年半前のことはもう話さなくてもいいという空気も感じる。また、福井など原発を推進しているようなところへ講演に行くのは、やはりおっかないなという思いもある。ネットなどでも「原発を推進していたくせになんだ」「虫が良すぎる」という書き込みを見かけたりする。しかし逆に、このような境遇になったからこそ思いを伝えられる。福島第一原発があのような状況になって、原発を推進する人はいないと思う。双葉町民の心情もそうだと思う。ただいいづらくていえない。双葉町民で脱原発を訴えている人に出会わないのは、家族や親戚、周囲に勤めている人がいるとかが大半だからだと思う。  双葉町は、「原子力明るい未来のエネルギー」の標語とまったく反対の運命をたどってしまった。この看板は今年3月4日に「老朽化して危険だ」という理由で撤去されてしまった。双葉町の負の遺産である看板を残してほしいという署名は6500筆にのぼったが叶わなかった。看板よりも撤去されるべき倒壊家屋は無数にあり、なにより撤去してほしいのは原発だ。そして町長が「看板の老朽化」よりも心配しないといけないのは、5年半も避難生活を送っている双葉町民のことではないだろうか。そのような心配よりも真っ先に看板を撤去するのはなぜなのか。「大事に保管する」といっていた看板は今シートに包まれ、草に覆われている。双葉町が行き着いた先は「明るい未来」ではなく、人がいなくなり赤信号だけが点滅する暗い町だ。いくら看板を撤去しても過去は永遠に残る。 […] Q 原発事故を経験した双葉町民として、上関や全国の人人に伝えたいことは何か。  A 上関町の景色を見て、原発に30年反対してきた気持ちに共感できる。たった1回の事故で、これから先もいつ帰れるかわからないが、そのようななかで解除しようとしている。国は補償金を払いたくないので、被災者の立場ではなく「復興」を無理矢理させようとしているのを感じる。原発ができれば町が発展するという“嘘”というか、“魔法”で信じ込ませるやり方は上関も双葉も同じだ。建てれば最初の何年かは町財政も右肩上がりだが、それが次第に下がってくるとまた増設、増設になり、麻薬のように依存していく。1回建ててしまうと必ずそうなってしまう。交付金がおり続けるわけでもなく、その交付金もハコモノに化けてしまう。 […] もっと読む。

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原発推進看板は撤去し保管へ 福島・双葉町viaNHK

東京電力福島第一原子力発電所の事故が起きる前、原発がある福島県双葉町の象徴になっていた原子力の推進をPRする標語が書かれた看板について、町は原発事故の教訓を後世に伝えるため現場から撤去したうえで保管し、将来、展示することも含めて活用の方法を検討することになりました。 この看板は、東京電力福島第一原発がある双葉町の2か所に設置されているもので、「原子力明るい未来のエネルギー」という標語とともに原発との共存を掲げる町の象徴になっていました。 この看板について、町は、老朽化が進んで避難先から一時帰宅する住民などに危険が及ぶおそれがあるとして、年内に現場から撤去したうえで別の場所で保管することを決め、町議会などに報告しました。 この看板を巡っては、今月、標語を考えた住民の男性が現場での保存を求める6500人余りの署名を提出し、町が対応を検討していました。 […] 「撤去決定は納得できない」 看板の標語の考案者で、現場での保存を求める署名を町に提出した大沼勇治さん(39)は、「署名を提出してから、まだ間もないのに撤去が決定されたことは納得できない。将来的に展示するとしても具体的な計画が何もない。このままでは、撤去されて倉庫に眠ったままの状態になりかねない」と話していました。 もっと読む。

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