自民・麻生氏「原発で死亡事故ゼロ」発言、官房長官は「起きている」 via 朝日新聞


講演する自民党の麻生太郎副総裁=2023年1月15日、福岡県飯塚市

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 自民党麻生太郎副総裁は15日、福岡県飯塚市であった自身の後援会の会合で、エネルギー問題をめぐり原発のメリットに触れるなかで、「原発は危ないと言うけれど、原子力発電所で死亡事故が起きた例がどれくらいあるのか調べてみたが、ゼロだ」と述べた。一方、松野博一官房長官は17日の記者会見で、原発で死亡事故が起きていると説明し、「痛ましい事故が発生しないよう事業者を指導していきたい」とした。

 原発では2004年に関西電力美浜原発福井県)3号機で配管が破損して作業員5人が死亡する蒸気噴出事故が発生。原子力関連施設では1999年、茨城県東海村核燃料加工会社「JCO」東海事業所の臨界事故で、作業中の2人が死亡している。

 麻生氏は講演で「今最も安く、安全な供給源としては原子力」「原子力と原子爆弾の区別がついていない人もいる」などと主張。将来的に電気自動車(EV)が広く普及した場合などは「電気料金は、原発が使えないなら決定的に上がる」と強調した。

[…]

原発事故による死者をめぐっては、高市早苗政調会長(現・経済安保相)が2013年に神戸市内であった党の会合で「事故を起こした東京電力福島第一原発を含めて、事故によって死亡者が出ている状況ではない」と述べ、原発再稼働をめざす考えを示した。ただ、福島第一原発事故では多くの避難者や避難に伴う関連死が出た。地元から批判が噴出し、高市氏は後に発言を撤回し謝罪した。

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東電強制起訴、2審も無罪 被災者ら怒り「誰が責任取るのか」 via 毎日新聞 (YAHOO?ニュースJAPAN)

 東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された勝俣恒久元会長(82)ら東電旧経営陣3人を無罪とした18日の東京高裁判決に、東京・霞が関の高裁前に集まった被災者らからは「誰が責任を取るのか」などと怒りの声が上がった。

[…]

判決主文が言い渡された午後2時過ぎ、福島原発刑事訴訟支援団のメンバーは「全員無罪 不当判決」と書かれた紙を高裁前で掲げた。1審に続く無罪判決に、支援団の七戸和子さん(70)がマイクを握り「とても憤りを感じた。私たちはこれで退くことなく、きちんと責任を追及していきたい」と訴えると、集まった約100人の支援者らは「福島を返して」などと声を上げた。  事故当時、原発から20キロ圏内にある福島県富岡町に住み、現在は横浜市の長女の家で暮らす古川好子さん(59)は「こんなに多くの人が苦しんでいるのにどうして無罪なのか。本当に悔しい」と憤った。【遠藤浩二】

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福島第一原発事故の刑事裁判 東電元会長ら旧経営陣3人、二審も無罪 「津波の可能性は予測できない」via 東京新聞

東京電力福島第一原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電の勝俣恒久元会長(82)ら旧経営陣の被告3人の控訴審で、東京高裁は18日、一審東京地裁に続き、いずれも無罪の判決を言い渡した。細田啓介裁判長は「10メートルを超える津波が襲来する可能性は予測できず、原発の運転停止を講じるべき業務上の注意義務があったとは認められない」とした。(太田理英子)

 東電株主が旧経営陣に損害賠償を求めた訴訟で昨年7月の東京地裁判決は、甚大な事故を招く規模の津波は予測できたとして3人を含む4人に約13兆円の賠償を命じ、双方が控訴した。旧経営陣個人の責任が争われた裁判は刑事と民事で判断が分かれた。

 他の被告は、原発の安全対策の実質的責任者だった武藤栄元副社長(72)と、その直属の上司だった武黒一郎元副社長(76)。

 争点は、3人が巨大津波を予測し、事故を回避できたかどうか。東電内部では08年、最大15.7メートルの津波の到達を予測した試算を得ており、その根拠となった国の地震予測「長期評価」(02年公表)の科学的な信頼性が問われた。

 高裁判決は長期評価について、信頼性に異論を唱える専門家もおり「津波襲来の現実的な可能性を認識させるような性質を備えた情報であったとは認められない」として、一審と同様に信頼性を否定した。

 3人は東電内部の試算結果の報告を受けた際に長期評価の疑問点も説明されていたなどとし、「地震前に、10メートルを超える津波の可能性を認識できる状況ではなかった」とした。

 津波による事故を確実に回避するには「原発の運転停止しかなかった」とした一審判決を踏襲。電力は市民のインフラで「漠然とした理由で運転停止はできない」ことなども踏まえ、3人に運転停止を義務付けるほどの予見可能性はなかったと結論づけた。

 検察官役の指定弁護士側は、防潮堤の設置など他の対策でも事故は防げたと主張したが、高裁は「事後的に得られた情報や知見を前提にしており、回避できたという証明は不十分だ」と退けた。

 3人は原発の敷地の高さ(海抜10メートル)を上回る津波を予測できたのに対策を怠り、避難を余儀なくされた双葉病院(福島県大熊町)の入院患者ら44人を死亡させたなどとして同罪に問われた。東京地検は3人を不起訴としたが、市民で構成する検察審査会が2度にわたり起訴すべきだと議決し、16年に強制起訴された。

◆無罪でも東電の責任と義務は変わらない

 <解説> 2011年3月、世界最悪レベルの原発事故を起こした東電の旧経営陣3人について、東京高裁は再び「過失なし」と判断した。刑事責任は認められなかったが、東電が負った責任の重さは軽減されるものではない。

 東京地検による不起訴はおかしいとして、市民が参加する検察審査会が起訴すべきだと判断したことで、3人は強制起訴された。一審公判では社員の証言などから、津波対策の必要性を認識する現場と、判断を先送りする経営陣との温度差が浮き彫りになった。法廷に新たな証拠が出され審理されたことは、今後の対策に向けては意義がある。

 政府は昨年末に原発の建て替えや60年超の運転を柱とする政策方針を決め、「原発回帰」に大きくかじを切った。だが現在も事故の収束作業の終わりは見えず、多くの住民らは各地で避難生活を余儀なくされている。

 原発事故はひとたび起これば重大な被害をもたらすことはあきらかだ。刑事の過失認定は難しく、今回の判決は無罪推定の原則に沿ったと言えるが、自然災害は予測困難だからこそ、原子力事業者のトップは最悪を想定し、先手を打ってできる限りの対策に力を尽くす責任がある。原発事業者や国はその重大な社会的義務を改めて自覚すべきだ。(太田理英子)

【関連記事】東京電力の旧経営陣4人に13兆円賠償命令 株主代表訴訟で東京地裁判決 津波対策を放置「著しく不合理」

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An unacceptable risk to children via Beyond Nuclear International

By Linda Pentz Gunter

In a peer reviewed article published in the British Medical Journal Pediatrics Open in October, my Beyond Nuclear colleague, Cindy Folkers and I, reviewed the studies currently available that look at the impact on children from radiation exposures caused by the nuclear power sector.

In particular, we looked at the disproportionately negative impact on children living in disadvantaged communities, primarily those of color. As we wrote in the article: 

“From uranium mining and milling, to fuel manufacture, electricity generation and radioactive waste management, children in frontline and Indigenous communities can be disproportionately harmed due to often increased sensitivity of developing systems to toxic exposures, the lack of resources and racial and class discrimination.”

At about the same time, and as if to confirm our hypothesis, the story of the Jana elementary school in Missouri began to break.

The school is in a predominantly Black community in northern St. Louis and the US army corps of engineers had been called in to assess radioactivity found in classrooms, playgrounds and on sports fields at the school after findings of unacceptable levels of radioactivity on the premises were revealed in an independent report conducted by Dr. Marco Kaltofen, President of Boston Chemical Data Corporation.

The radioactive contamination found at the school was, as the report described it, “consistent with the radioactive legacy uranium processing wastes notoriously found in the heavily contaminated Coldwater Creek in North St. Louis County, MO, and in low-lying areas subject to flooding from the creek.”

The report concluded that “radiological contamination exists at unacceptable levels (greater than 5.0 net pCi/g as alpha radiation) at the Jana School property.”

Why had it taken so long to discover this immense and unacceptable risk to children?

Jana’s PTA president, Ashley Bernaugh, believes she knows the answer. 

“Jana elementary’s radioactive past looks like a lot of other communities where hazardous waste has been allowed to exist in predominantly minority communities and in lower middle income communities, where it never would have been allowed in upper income level communities because of the public outrage,” she told The Guardian.

By November 9 the corps had declared that radiation levels at the school “showed no levels of radiation higher than ‘the level of radioactivity Mother Nature already provides.’”

“Mother Nature” is a euphemistic reference to “background radiation,” already problematic given the decades of atomic testing and major nuclear accidents that have added to what “background” radiation levels once were but are no longer. Of far greater concern is that these levels, while likely not even safe for adults, are certainly not safe for children.

This determination of what is “safe” is based on a standard that is not only outdated but was wrong from the start. Here is what we wrote about this in our BMJ article.

“Pregnancy, children and women are underprotected by current regulatory standards that are based on ‘allowable’ or ‘permissible’ doses for a ‘Reference Man’. Early in the nuclear weapons era, a ‘permissible dose’ was more aptly recognized as an ‘acceptable injury limit,’ but that language has since been sanitized.”

Reference Man is defined as a nuclear industry worker 20–30 years of age, who weighs around 154 pounds, is 67 inches tall and is a Caucasian Western European or North American in habitat and custom.

“Very early research conducted in the USA in 1945 and 1946 indicated higher susceptibility of pregnancy to radiation exposure. Pregnant dogs injected with radiostrontium had defects in their offspring and yet, complete results of these studies were not made public until 1969,” we wrote.

“By 1960 however, U.S. experts were clearly aware that research indicated higher susceptibility of children, when the Federal Radiation Council (established in 1959 by President Eisenhower) briefly considered a definition for ‘Standard Child’—which they subsequently abandoned in favor of maintaining a Standard Man definition, later renamed Reference Man.”

Reference Man still stands, although our organization, in partnership with the Gender + Radiation Impact Project, are working to get it changed to Reference Girl. (If you are interested in learning more about this, you can join our online classes.)

[…]

Even perhaps the most famous study, in Germany, of children living near nuclear plants showing elevated rates of leukemia directly correlated to the proximity of their homes to the nuclear sites, was dismissed with claims that the doses were simply too low to have such an impact.

As we concluded in our BMJ article, which is fully accessible and can be read in its entirety here, “more independent studies are needed focused on children, especially those in vulnerable frontline and Indigenous communities. In conducting such studies, greater consideration must be applied to culturally significant traditions and habits in these communities.”

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原発事故の除染土再利用は「人ごとじゃない」 東電と意外な縁のある新宿の住民らが立ち上がった via 東京新聞

 東京電力福島第一原発事故後の除染作業で集めた汚染土、いわゆる「除染土」を首都圏で再利用する実証事業が公表されてから1カ月。予定地の一つ、新宿御苑(東京都新宿区)近くで生活を営む人らが腰を上げ、再利用に異を唱える団体を設けた。東電と意外な縁がある新宿。地元の人びとは何を思うか。ほかの地域は人ごとで済ませていいのか。改めて探ってみた。(中山岳、中沢佳子)

◆区民の合意形成図っていない

[…]

21日には御苑に面した新宿1、2丁目の住民を対象に説明会を実施。だが参加者はわずか28人。1丁目に住む平井さんも開催に気づかず、報道で知った。

 「区民の合意形成を図っているとはとても言えない」。平井さんは危機感を募らせ、28日に除染土問題を考える勉強会を開催。今月7日には区民有志らと反対する会を設立した。

◆歴代の東電幹部輩出した都立新宿高校

 東電と浅からぬ縁があるのも新宿の特徴だ。

 御苑そばの都立新宿高校の卒業生からは、歴代の東電幹部も輩出。卒業生でつくる「朝陽同窓会」によると、福島原発事故当時は会長だった勝俣恒久氏、事故後に社長を務めた広瀬直己氏らも名を連ねる。さらに御苑近くの信濃町には2014年2月まで東京電力病院もあった。「母校の近くに(除染土を)持ってこようとしていることについて勝俣氏らはどう思っているのか、問いたい」

 何より際立つのが、環境省の前のめりぶりだ。新宿の説明会で紹介された動画「福島、その先の環境へ。」からもうかがえる。

 除染土を「復興を続ける福島の地に、今も残された課題」と説明。除染土を詰めたフレコンバックが並ぶ福島県内の仮置き場の映像を流しつつ、「果たしてこれは、福島だけの問題でしょうか?」と問いかける。

 除染土を福島県外で受け入れるため実証事業が必要と言いたいようだが、住民の疑問に真剣に応えようとしているかは心もとない。説明会の資料に記されたコールセンターの受け付けは平日のみで「いただいた『ご意見』については、今後の検討の参考とさせていただきます」と素っ気ない。

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原発処理水の海洋放出は「今年春から夏」と政府が決定 漁業者側と交わした約束はどうなったのかvia 東京新聞

政府は13日、東京電力福島第一原発(福島県大熊町、双葉町)で発生する汚染水を浄化処理した後の水の海洋放出について関係閣僚会議を開き、「放出開始は今年春から夏ごろを見込む」とする方針を決めた。2021年4月の海洋放出方針の決定時に「2年程度後」としていた開始時期が具体化した。漁業関係者からは反対の声が上がっており、実際に放出できるかは見通せない。

【関連記事】処理水海洋放出の地元同意ないまま進む海底トンネル工事の現場とは 公開した東電は「順調」

 政府と東電は15年、福島県漁連に対し「関係者の理解なしには、いかなる処分(海洋放出)も行わない」と文書で約束していた。全国漁業協同組合連合会の坂本雅信会長は13日、「海洋放出に反対であることはいささかも変わらない」との談話を出した。

 この日の閣僚会議では、海洋放出に向けた行動計画を改定した。放出開始の見込みのほか、全国の漁業者向けに新たに500億円の基金を創設し、漁業の継続支援を強化。新たな漁場の開拓や漁船の燃料コスト削減策などに対し、必要経費を基金から支援する。

 テレビCMなどを活用した情報発信の拡充も盛り込み、計画は「安全確保と風評対策のために必要な具体策のメニューはおおむね出そろった」とした。

[…]

◆形骸化した約束…理解得られたかの判断基準もなく

 <解説> 東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出の開始時期を「今春から夏ごろを見込む」と政府が示したことで、反対を貫く漁業関係者との「約束」の形骸化が進んだ。「関係者の理解なしに海洋放出はしない」と約束してきた以上、開始時期の目安は、漁業関係者らの理解を得た後に示すのがあるべき姿だ。

 反対意見に向き合わずに手続きを進める政府の姿勢は、昨年末の原発政策の見直しで、原則40年、最長60年としてきた原発の運転期間について60年超の運転を可能とするなど原発の積極活用に転じた際も同じだった。

 処理水の海洋放出について政府や東電は「丁寧に説明を続ける」とするが、理解が得られたかどうかをどのようにして判断するのか、詳しい説明をしようとしない。漁業関係者の間でもあきらめの声が上がる。

 福島第一原発では汚染水が毎日増え続け、いずれは処理水の貯蔵も限界を迎える。ただ、処理水の増加量は東電の従来の説明よりも緩やかになっており、今夏までに放出するほど差し迫ってはいない。なし崩し的に放出に踏み切るのではなく、時間をかけ、まずは関係者の理解を得ることが前提だ。(小野沢健太)

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【福島原発かながわ訴訟】「もっと注意喚起してくれたら…」「子どもたちを被曝させてしまったかもしれない」女性原告が意見陳述~横浜地裁で第2陣の第3回口頭弁論 via 民の声新聞

2011年3月の福島第一原発事故で福島県から神奈川県に避難した人々が、事故の原因と責任の所在を明らかにし完全賠償を求めて起こした「福島原発かながわ訴訟」。2021年9月3日に提訴した第2陣(5世帯16人)の第3回口頭弁論が12日午前、横浜地裁101号法廷(高取真理子裁判長)で行われた。幼い息子とともに福島県福島市から避難した50代女性が意見陳述。国や自治体からの注意喚起がほとんどなく「子どもたちに被曝をさせてしまったかもしれない。申し訳なさを持ち続けています」などと述べた。次回期日は4月20日14時。原告の意見陳述が予定されている。

【初期被曝への後悔】
 「家族それぞれ、充実した毎日を送っていましたが、その生活は原発事故で一変してしまいました」
 女性は生まれ育った福島市で、夫と高校生の娘、幼稚園に通う息子と4人暮らし。娘は高校のダンス部に所属し、息子は幼稚園に隣接する山で伸び伸びと遊んでいた。女性はいずれ店を引き継ぐことを視野に入れながら、実家の美容室で働いていた。2011年3月の震災・原発事故が起きるまでは…。そこに降り注いだのが、大量の放射性物質だった。
 「放射線に関する知識はなかったので何をしたら危険なのかが分からず、事故後の行動について後悔することとなりました」
 被曝リスクに関する情報は乏しく、福島県も福島市も注意喚起をするどころか〝安全〟を強調するばかり。女性は当時の行動で子どもたちに無用な被曝をさせてしまったのではないかと悔やんでいるという。
 「事故後も幼稚園に通常通り通園していました。しかし、4月に入ってから、幼稚園も、幼稚園の隣の山も線量が高いことが分かり、山の中は立入禁止となりました。山は竹林なので除染もできないということでした。また、娘の通っていた高校も周囲の施設も、線量が高いことが分かりました」
 生活用水を汲んでいた場所はホットスポットだった。放射性物質を室内に入れないため換気扇を回さない、洗濯物を汚染させないよう外干ししない、など被曝リスクを避けるための情報が届いたときには、既に初期被曝をしてしまっていた。福島第一原発で爆発事故が起きた直後になぜ、注意喚起をしてくれなかったのか。「特に子どもたちには、事故直後に危険なことをさせてしまったと、今でも申し訳なさと不安な気持ちでいっぱいです」。
 夏でも長袖にマスクをして生活するような場所に住み続けていいのだろうか、という想いが日増しに強くなった。そして原発事故発生から半年後の2011年9月、女性は決断した。

【「誰にも相談できなかった」】
  女性は幼い息子を連れて福島市を離れた。娘は受験を控えていることもあり、2人だけで関東に向かった。「しかし、母と息子2人だけでの避難生活は本当に辛いものでした」。
 内気な息子は、知らない土地での新しい生活になじめず、精神的に不安定な日々が続いた。進学した小学校で〝避難者いじめ〟に遭わなかったのはせめてもの救いだった。
 女性も、徐々に不安定になった。
 「頼れる人が1人もいない、息子を守れるのは私1人。張り詰めた気持ちでいるうちに、涙が止まらないなど不安定な日々が続きました。福島県外に避難したことで、実家の美容室を継ぐことも叶わなくなってしまいましたし、父が亡くなった際には最後のお別れもできませんでした」
 娘は進学先の大学で「放射能が移る」、「近寄るな」などの心ない言葉を浴びたことがあったという。なぜ、こんな想いをさせられなければならないのか。

[…]

【「区域外避難者への賠償低すぎ」】
 法廷では、山﨑健一弁護士も「原発事故により原告らが被った精神的損害」について意見陳述した。
 「原子力損害賠償審査会(原賠審)の中間指針等においては、政府による避難指示等対象区域内からの避難者に対しては、原則として1人当たり月額10万円、区域外からの避難者に対しては、子ども及び妊婦について1人当たり40万円、その他の者は1人8万円を目安として賠償基準を提示している。しかし、そもそも、政府による避難指示等は科学的な根拠に基づくものではなく、避難による社会的混乱等を考慮した政策的な判断に過ぎなかったのであり、その対象区域によって賠償に水準に大きな格差を認めることに合理性は認められない。とりわけ、対象区域外からの避難者に対する賠償額は、その被害実態に照らして余りに低額に過ぎ、著しく不合理というほかない」
 昨年12月に公表された原賠審の「第五次追補」については「約9年振りの指針の見直しであり、本件原発事故の被害救済の必要性からすれば、遅きに失したものと言わざるを得ないが、同種集団訴訟で認められた『避難を余儀なくされた慰謝料』、『ふるさと喪失・変容慰謝料』等を新たに中間指針等に取り込むものであり、被害の救済範囲を拡げた点において大きな前進」と評価。一方で問題点も指摘した。
 「目安として定められた賠償額は、本件原発による被害の深刻さに照らせばいまだ不十分。また、政府による避難指示等対象区域間において不当に大きな賠償格差が残されたままであることも問題。特に、自主的避難等対象区域に関する賠償額については、現時点で十分な判決例の集積がないこともあってか今回の見直しではほとんど踏み込んだ検討がされておらず、今後の大きな課題だ」
 そのうえで、裁判所には次のように求めた。
 「中間指針等には多くの課題が残されており、その適正な見直しがなされるためにも、本件原発事故の深刻な被害について個別具体的に検討した上での適正な司法判断が必要」
 「本件訴訟においても、個別具体的な事情を踏まえて原告らの被害実態に見合った適正な賠償額を評価する必要がある。他方で『第五次追補』で示された対象区域には該当しない各原告に対しても、居住区域だけを理由に各賠償の対象とならないとすることは許されず、やはり個別具体的な事情を十分に考慮して被害実態に見合った適正な賠償を認めるべき」

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【原発避難者から住まいを奪うな】裁判官忌避申立も国際人権法もぜーんぶ無視して「国家公務員宿舎から出て行け」 怒号飛ぶ法廷で福島地裁が2世帯に判決言い渡し via 民の声新聞

  • 2023/01/14
  • 11:50

福島県が2020年3月、区域外避難者4世帯を相手取り国家公務員宿舎「東雲住宅」(東京都江東区)の明け渡しと未納家賃の支払いを求めて提訴した問題で、福島地裁の小川理佳裁判長は13日午前、審理が併合された2世帯に対し、福島県の主張を全面的に認める判決を言い渡した。小川裁判長を巡っては、避難者側が「訴訟指揮が不公平」などとして忌避申立。最高裁の結論が出ていないにもかかわらず判決言い渡しを強行した。判決内容も「避難者側が主張した国際人権法や知事の裁量権逸脱などをまったく検討していない」(柳原敏夫弁護士)。避難者側は仙台高裁に控訴する意向を示した。

福島県の主張を全面採用】
 小川裁判長は小さな声で判決文を言い渡した。早口でメモもままならない。途中、傍聴席から「声が小さくて聞こえない」と声が飛んだが、小川裁判長は気にも留めずに主文を読み続けた。
 退去済みの避難者には未払い家賃(131万8647円)の支払いを、退去できていない避難者には明け渡しと未払い家賃(147万5268円)と明け渡しまでの家賃(月額6万4863円)の支払いを命じる判決。傍聴席が騒然とするなか、小川裁判長は逃げるように法廷を後にした。その間、わずか40秒だった。

[…]

「一時使用許可の期間が満了した場合において、社会権規約によって、期間経過後も本件各建物での居住を継続する具体的権利が保障されるものではない」などとして、避難者たちの居住権を否定した。
 だとすれば、国内避難民の人権に関する国連特別報告者セシリア・ヒメネス・ダマリーさんはなぜ、訪日調査後の「予備的所見」(6月に最終報告書が提出される予定)で、次のように指摘しているのだろうか。
 「援助や支援を受けるという点での『強制避難者』と『自主避難者』という分類は、実際にはやめるべき。人道的な保護と支援は権利とニーズに基づくべきであり、国際人権法に根拠のない地位に基づく分類に基づいて行われるべきではない」
 「ある種の公営住宅に今も居住しているIDPs(国内避難民)は、現在、彼ら/彼女らを相手取って提訴された立ち退き訴訟に直面している。IDPsがどこにいようとも、政府は、特に脆弱な状態にあるIDPsに対して住宅支援の提供を再開すべきであると勧告する」
 避難者の代理人を務める柳原敏夫弁護士は閉廷後「一番大事な『国際人権法』と『裁量権の逸脱・濫用』に触れた部分は1ページほど。ここに裁判所の姿勢が端的に現われている。私たちはこの点こそ、きちんと審理して十分に説明して欲しかった。5秒もあれば書ける判決だ」と批判した。

[…]

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福島医大と仏政府機関、原発事故の健康への影響を共同研究へ via 福島民友新聞

福島医大は、放射線防護を専門とするフランスの政府機関と、東京電力福島第1原発事故に伴う県民の健康影響などを評価する新たな共同研究に取り組む。原発事故後の医大による研究で得られた知見と政府機関の国際的な知識を踏まえ、被ばくに伴う健康影響を科学的に明らかにするとともに、復興へと歩む本県の正しい現状を世界に発信する。

(略)

医大と共同研究に当たる政府機関は、国際放射線防護委員会(ICRP)などに人材を輩出しているフランス放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)。

 医大とIRSNは2021年3月に研究促進を図るための覚書を結んでおり、IRSNのジャン・クリストファー・ニエル所長が昨年12月に医大を訪れ、竹之下誠一理事長と今後の研究テーマについて合意した。

 研究テーマは〈1〉災害後の二次的な健康影響〈2〉災害直後の避難に伴う影響〈3〉甲状腺への影響―の三つで、主な内容は【表】の通り。原発事故に伴う生活習慣病の長期的な変化や検診の状況、原発事故直後の安全な避難方法、放射線被ばくと甲状腺発がんなどの研究を想定している。IRSNが持つ放射線防護に関する知識を日本国内での防災対策に生かすことも検討する。

 福島医大放射線健康管理学講座とIRSNは震災以降、交流を続けてきた経緯があり、共同研究の具体的な内容や期間などを調整している。同講座の坪倉正治主任教授は「さまざまな研究を通して国際機関に本県の現状を正しく理解してもらう機会となる。県民に対する偏見や差別を払拭する意味合いもある」と述べた。

 被ばくを巡っては、原爆が投下された広島、長崎両県のデータなどから遺伝的な影響が確認されていないにもかかわらず、環境省の全国意識調査で「遺伝的な影響が出る可能性がある」と4割が回答するなど正しい理解が進んでいないのが現状で、放射線についての知識をどのように普及させるかが課題となっている。

全文は福島医大と仏政府機関、原発事故の健康への影響を共同研究へ via 福島民友新聞

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Hot Water: Radioactive Contaminants are Seeping Into Drinking Water Around the US via CounterPunch

January 4, 2023
BY LYNNE PEEPLES

When Jeni Knack moved to Simi Valley, California, in 2018, she had no idea that her family’s new home was within 5 miles of a former nuclear and rocket testing laboratory, perched atop a plateau and rife with contamination. Radioactive cesium-137, strontium-90, plutonium-239 and tritium, along with a mix of other toxic chemicals and heavy metals, are known to have been released at the industrial site through various spills, leaks, the use of open-air burn pits and a partial nuclear meltdown.

Once Knack learned about the Santa Susana Field Laboratory and the unusual number of childhood cancer cases in the surrounding community, she couldn’t ignore it. Her family now only drinks water from a 5-gallon (19-liter) jug delivered by Sparkletts water service. In August of 2021, she began sending her then 6-year-old daughter to kindergarten with two bottles of the water and instructions to not refill them at school, which is connected to the same Golden State Water Company that serves her home.

A federal report in 2007 acknowledged that two wells sourced by the water company were at risk of contamination from the site. “The EPA has said we’re at risk,” says Knack. And Golden State, she says, has at times used “possibly a very hefty portion of that well water.” To date, radioactivity above the natural level has not been detected in Golden State’s water.

Concerns across the country

All water contains some level of radiation; the amount and type can vary significantly. Production of nuclear weapons and energy from fissionable material is one potential source. Mining for uranium is another. Radioactive elements can be introduced into water via medical treatments, including radioactive iodine used to treat thyroid disorders. And it can be unearthed during oil and gas drilling, or any industrial activities that involve cracking into bedrock where radioactive elements naturally exist. What’s more, because of their natural presence, these elements can occasionally seep into aquifers even without being provoked.

The nonprofit Environmental Working Group (EWG, a partner in this reporting project) estimates that drinking water for more than 170 million Americans in all 50 states “contains radioactive elements at levels that may increase the risk of cancer.” In their analysis of public water system data collected between 2010 and 2015, EWG focused on six radioactive contaminants, including radium, radon and uranium. They found that California has more residents affected by radiation in their drinking water than anywhere else in the U.S. Yet the state is far from alone. About 80% of Texans are served by water utilities reporting detectable levels of radium. And concerns have echoed across the country — from abandoned uranium mines on Navajo Nation lands, to lingering nuclear waste from the Manhattan Project in Missouri, to contaminants leaching from phosphate mines in Florida.

While ingesting radioactive elements through drinking contaminated water is not the only route of human exposure, it is a major risk pathway, says Daniel Hirsch, a retired University of California, Santa Cruz, professor who has studied the Santa Susana Field Laboratory contamination. “One thing you don’t want to do is to mix radioactivity with water. It’s an easy mechanism to get it inside people,” he says. “When you drink water, you think you excrete it. But the body is made to extract things from what you ingest.”

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Scientists believe that no amount of radiation is safe. At high levels, the radiation produced by radioactive elements can trigger birth defects, impair development and cause cancer in almost any part of the body. And early life exposure means a long period of time for damage to develop.

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The Santa Susana Field Laboratory was rural when it was first put to use about 70 years ago. Today, more than 700,000 people live within 10 miles (16 kilometers). Recent wildfires have exacerbated these residents’ concerns. The 2018 Woolsey fire started on the property and burned 80% of its 2,850 acres (1,153 hectares). Over the following three months, the levels of chemical and radioactive contamination running off the site exceeded state safety standards 57 times.

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In general, radiation can be very difficult to remove from water. Reverse osmosis can be effective for uranium. Activated carbon can cut concentrations of radon and strontium. Yet standard home or water treatment plant filters are not necessarily going to remove all radioactive contaminants. Scientists and advocates underscore the need for further prevention strategies in the form of greater monitoring and stronger regulations. The push continues across the country, as the issue plagues nearly everywhere — an unfortunate truth that Knack now knows.

Why doesn’t her family simply move? “I’m not saying we won’t. I’m not saying we shouldn’t,” she says. “But I don’t even know where we’d go. It really looks like contaminated sites are not few, but all over the country.”

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