東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、原発の安全性やエネルギー政策に対する関心が高まっている。福井、大野両市で、脱原発などをテーマにした講演、映画会を企画する市民グループが相次いで発足。原発関連の書籍の売れ行きもよく、福井市内の書店では専用コーナーが設けられている。(青木さやか)
「事故が起きて、自分が何も原発のことを分かっていないことを痛感した」
小中学生らを対象にした環境教育などに取り組むNPO法人「エコプランふくい」(福井市)会員の主婦加藤米子さん(53)らが事故後、知人に「原発の基礎的なことを知ろう」と勉強会の開催を持ちかけ、会員3人らを中心に4月中旬、市民グループ「ただ人(びと)の会」(同市)を設立した。建設会社社員や市職員、寺住職など、20~60歳代の男女が次々と集まり、メンバーは計21人に増えたという。
同グループは31日午後6時30分からアオッサ(同市手寄)で、自然エネルギーに詳しいNPO「未来バンク事業組合」代表の田中優氏を招いた講演会を開催。来場者に同グループへの参加を募り、今後の活動内容を一緒に話し合う予定。加藤さんは「賛成、反対を打ち出すのではなく、無関心だった人にも集まってもらい、普通の生活者の目線で考えられる場になれば」と期待を込める。