How comic books helped fuel Japan’s love for the atom via Aljazeera 日本語訳
アストロ・ボーイ(鉄腕アトム)のようなキャラクターが核エネルギーの利点をほめたたえ、2011年に惨事が勃発したさい、衝撃をなお過酷なものにした。
(略)
1冊目のストーリーはこうである――
はるか遠くにあるジャングルで、動物たちが困っています。母なる自然が動物たちを見放したのです。気候が寒冷になり、植物が枯れようとしており、動物たちは飢えようとしています。
そこで、動物たちはアストロ・ボーイに助けてくださいと頼みました。住処を暖めるにはどうすればよいか、熱心な話し合いがはじまりましたが、水が凍っているので、水力は使えません。石油はなくなろうとしています。動物たちに必要なものは、核発電所でした。
アストロ・ボーイが空を飛んで、日本から反応炉をジャングルに運んできましたので、動物たちはみな力を合わせ、張り切って反応炉の周りに発電所を建てはじめました。
ハイエナでさえも、協力しようと決心しました。小さなネズミは、青写真が巻き上がらないように、必死になって押さえています。公益である核エネルギーのために、一致団結しています。
動物たちはみるみるうちに、彼らの気候問題に対する、輝くばかりの安全な解決策を実現し――さらに一歩前進して、植物がふたたび育つのを助け、おまけに健康に必須なビタミンDの生成にも必要な人工太陽に電力を供給した。
アストロ・ボーイの生みの親、手塚治虫は常々、日本の核産業にイメージ・キャラクターを提供するつもりはなかったし、このジャングル物語にかかわったことはないと主張していた。
それなのに、このマンガは学校の発電所見学会のさいに無料冊子――キュートな小動物に込められた「原子力は安全」メッセージ――として配られていた。
(略)
2011年に地震と津波が福島第一原発を襲ったとき、反応炉建屋は爆発し、炉心はメルトダウンし、世界はチェルノブイリ以降で最悪の民間核産業災害に直面した。
楽しい物語を大量にばらまいていた産業の実態は、自画自賛していただけであり、規制も貧弱だった。
アストロ・ボーイの物語は極端な例かもしれないが、日本の国民が心配せずに、原子力を愛するように常に説得されていた様相を反映している。
この宣伝は、ヒロシマが原爆で完全に破壊されてから、ほんの11年後、広島市内で原子力平和利用博覧会が開催された時にはじまり、ついには日本が50基以上の核反応炉を保有するようになるまでつづいた。
反応炉はフクシマ核惨事の余波で、順次、運転を停止した。川内原子力発電所における最初の再稼働が2日後に実施されることになっている。
日本の核監視機関、原子力規制委員会は8月8日、新しい手続きのもとで、フクシマ惨事の規模の事故の再来は考えられないと述べた。
だが、絶対的な安全はないとも付け加えた。
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