[…]溶接など火を使う作業や、放射性物質を含むほこりが舞う恐れがあるがれき撤去などが対象となる。広報担当者は「世界的イベントが開かれる中、現場作業に起因するトラブルが発生した場合の影響を考慮した」と説明した。
東電によると、作業を見合わせるのは、五輪の競技開始前日から閉会式まで(7月20日~8月8日)と、パラリンピック開会式前日から閉会式まで(8月23日~9月5日)の計約1カ月。溶け落ちた核燃料が残る原子炉の冷却や汚染水処理などは続ける。
中断した作業をお盆休みに実施するため、現場で人繰りの調整が必要になる。下請け企業の幹部は「猛暑の厳しいお盆の時期に作業員を出し、その後の残暑厳しい時期に作業の遅れを取り戻さなくてはならない。トラブルが起きやすくなる」と嘆いた。日給の作業員は長期中断中に給与が出ず、死活問題でもある。
福島第一では1日約4000人が働く。東電は3月下旬、福島県内の聖火リレーの期間中も作業を見合わせた。(片山夏子)