元裁判長が示した「原発の耐震性」衝撃のデータとは via 毎日新聞

元裁判長が語る原発の不都合な真実(2)

 福井地裁裁判長として、2014年5月に関西電力大飯原発の運転差し止め判決を出した元裁判官の樋口英明さん(68)は、オンラインの講演会で「電力会社が最も国民に知られたくない事実」について語り始めた。

(略)

停電と断水を防ぐには

 新規制基準は地震の強さを加速度で示す単位「ガル」を重視している。樋口さんは「原発は停電、断水してはなりません。そこで配電と配管の耐震性が重要になります」と説明し、具体的な数値を示した。

 それは衝撃的な数値だった。震度6はおよそ700ガル、震度7は1500ガル以上となるが、「大飯原発の耐震設計基準は当初405ガル、私が判決を出した時は700ガルで、今は856ガル」という。

これは一般住宅と比べてどうなのか。樋口さんは「三井ホームの住宅の耐震設計は5115ガル、住友林業は3406ガル。実際に鉄板の上で住宅を揺さぶる実験をして、ここまで大丈夫でした。これに対して原発の基準は上げたところで、この程度。ハウスメーカーの耐震性よりもはるかに低い。だから、とてつもなく危ないのです」という。

電力会社は反論

 「原発は関東大震災クラスの地震にも耐えられるというつもりで造ったんです。昔は1000ガル以上の地震はないと思われていたんですが、2000年以降に実際に測ってみると、1000ガル以上なんて当たり前で、3000ガル、4000ガルの地震もある。原発は見当はずれの低い耐震性で造られていたことが判明したのです」

大飯原発の場合、「基準地震動(原発の耐震設計の目安)である700ガル以上の地震が原発を襲うと、配管が壊れて断水したり、配電関係が壊れて停電したりする危険があり、震度7に当たる1500ガル以上の地震だと絶望的になる。巨大地震だけでなく、平凡な地震でも危ない」というのが、樋口さんが運転差し止めの判決を出した理由だ。

 これに対して、電力会社は「原発は固い岩盤の上に建っている。一般の住宅が建つ地表は岩盤より揺れがはるかに大きく、比較はできない」と反論する。「岩盤の上に建つ原発の敷地内には震度6や7の地震は来ない」とも主張する。

全文は元裁判長が示した「原発の耐震性」衝撃のデータとは

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