今年10月から、今後40年続く電気代値上げがこっそりと始まったことを、皆さんはご存知だろうか?その原因は、主に2011年3月の東京電力の福島第一原発事故だが、今回、負担増となるのは、原発事故とは関係ない新電力事業者及び消費者だ。新電力には、太陽光や風力など、CO2や放射性廃棄物を出さない、再生可能エネルギーに力を入れている事業者が多数あるのだが、これらの事業者が発電した電気を供給する際に、既存の電力網を使用する。その「使用料」は、託送料金と呼ばれるが、これに原発事故による賠償や廃炉費用の一部を上乗せすることを、経済産業省が省令で決めてしまったのである。だが、これは本来、原発事故を起こした東京電力及び、その他の原発事業者が負担すべきものだ。また、原発産業にお金を使いたくないという消費者の選択の自由を奪うものでもある。
○2.4兆円+4740億円を消費者に肩代わり
2.4兆円。託送料金として、新電力や消費者が新たに支払うこととなる、原発事故への賠償負担金だ。これは、福島第一原発事故以前に、東京電力ほか原発事業者が確保しておくべきであった賠償への備えの不足分。さらに、経産省は「円滑な(原発の)廃炉を促す環境を整備する」として、4740億円を消費者負担として宅送料金に上乗せした。だが、託送料金への賠償負担金や廃炉円滑化負担金の上乗せについては、環境団体から批判の声が上がっている。
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