2020/10/10 23:35
東京電力福島第一原発事故を巡り、福島県田村市都路町地区に不動産を購入し、首都圏から移住するなどした男女54人が「自然との共生生活を奪われた」として、東電と国に計約17億円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁(中吉徹郎裁判長)は9日、東電に対し、49人に計約6500万円を支払うよう命じる判決を言い渡した。国への請求は、「津波対策が著しく不合理だったとは言えない」として退けた。
判決は、同地区を「人工の広葉樹林が多く、山菜やキノコ類が植生する全国的にも珍しい地域だ」と指摘。不動産の利用や活動が制限されたことなどに対する損害を認め、東電に1人当たり約708万円~約1万2000円の賠償を命じた。