[…]
環境省は5~9月、除染土を厚さ50センチの汚染していない土で覆った飯舘村長泥地区の農地で、ミニトマトやカブ、キュウリ、トウモロコシを栽培。放射性物質の濃度を調べたところ、いずれも1キロあたり0・1~2・3ベクレルと、国内で販売される食品の基準値(同100ベクレル)を大きく下回ったという。同省は今後、専門家会議に結果を報告し、除染土を農地の造成に利用できるようにする省令改正の検討に活用する。
長泥地区では現在、育ち具合と安全性を比較するため、覆土した農地としない農地でインゲンとキャベツを栽培し、来月末にも結果が出る見通し。
同省はこれまで覆土する方向で検討していたが、今夏、覆土せずに野菜を栽培する試験を行っていたことが判明。有識者からは、住民らと非公開の会議で試験内容を検討してきた同省の姿勢を疑問視する声が出ていた。
こうした事情を踏まえ、同省は6日、会議メンバーの過半数の同意があれば、会議の全部か一部を公開とすることを決めた。同省の川又孝太郎・環境再生事業担当参事官は「(会議メンバーは)情報を発信したいという思いを持っている。相当な部分は公開になる」と説明した。(福地慶太郎)