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プールには定期検査で原子炉から取り出したばかりの燃料157体がある。核燃料は原子炉停止後も「崩壊熱」を出すため冷やし続ける必要があり、専門家は「一時的とはいえ冷却がストップした事実は重い」と指摘している。
伊方原発は昨年12月に3号機が定検に入り、運転を停止。外部から電力供給を受けていたが、1月25日午後3時44分、発電所内につながる送電線が遮断され、電源を一時喪失した。1、2号機はすぐに別の送電線から受電し、3号機は非常用ディーゼル発電機が自動起動した。
四電はこれまでに「受電停止は1、2号機が3秒間、3号機は9秒間だった」と公表し、「バックアップ電源が正常に作動し、東京電力福島第1原発事故のように全交流電源を喪失したわけではない」と説明している。
だが、3号機の燃料プールの冷却はすぐ再開されたわけではない。プール内の水を循環させるポンプの電源を起動したのは43分後で、その間冷却は止まった状態だった。