原発賠償金の上乗せ「違法だ」 新電力が国を提訴へ via 朝日新聞

小森敦司

東京電力福島第一原発事故の賠償費用について、送電線の使用料(託送料金)に上乗せして徴収するのは法的な根拠がなく違法だとして、九州や中国、関西地方の生協でつくる新電力「グリーン・市民電力」(福岡市)が国を相手取り、電力会社の託送料金の認可取り消しを求める訴訟を起こす方針を固めた。原発事故の賠償費用の利用者負担の是非を問う、初めての訴訟になるという。

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政府は当初、原発事故の賠償費用を全国の電気利用者から電気代を通じて集める仕組みをつくった。だが、賠償費用が5・4兆円から7・9兆円に膨らんだため、2016年末に託送料金に上乗せして徴収する追加策を決めた。

新電力に対しても「積み立て不足があったため、追加分をわかち合うのはやむを得ない」との理由から、計2400億円の負担を割り振った。グリーン・市民電力が自社分を試算すると、賠償費用として年間百数十万円を九電側に払うことがわかったという。

グリーン・市民電力の母体の「グリーンコープ共同体」の熊野千恵美・代表理事は提訴理由について、「原発事故に由来する費用を、意図しないのに支払わされるのはとても問題だと考えた。(これを許すことは)結局、原発を温存することにもなる」と話す。

電気料金の問題に詳しい大島堅一・龍谷大教授(環境経済学)は「追加負担についての政府の理屈は、国民に事故の賠償費のツケがあったというものだ。ではJRが事故を起こした時、同じ理屈で運賃からその費用を徴収できるのか。そんな『論理の飛躍』に、納得できないと声を上げる意義は大きい」とする。

グリーンコープ共同体の、会員生協の組合員は計42万世帯いる。チェルノブイリ原発事故の後、脱原発運動に力を入れ、「自分たちの電気を自然エネルギーで」との思いから、12年にグリーン・市民電力を設立し、太陽光発電などを拡大してきた。

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