自主避難、負担重く 福島県、住居無償は月内限り via 中日新聞

東京電力福島第一原発事故の避難指示区域外からの「自主避難者」に対し、福島県は今月末、住宅の無償提供を原則打ち切る。同県によると、対象は約一万五百世帯の二万六千六百人。生活の再建を目指す中部各県への避難者も直撃を受け、家賃の安い住宅への転居を余儀なくされるなど困惑が広がる。避難先の自治体の救済策は温度差があり、支援団体からは、国の一律支援を求める声が上がる。

 滋賀県栗東市の市営住宅で避難生活を送る福島県相馬市出身の佐藤勝十志(かつとし)さん(56)は父(79)、母(79)、妻(55)、娘(21)の五人暮らし。病気を抱える父や、原発事故によるストレス障害を発症した妻を気遣い、故郷に戻れずにいる。

 月六万二千円の家賃はこれまで支払わずに済んだ。住宅支援の打ち切りで、四月からは家賃の安い別の部屋に移らざるを得ない。別の補助を受けても月二万三千円が実費負担で、部屋は手狭になる。

 佐藤さんは昨年十二月、脳梗塞で倒れ、右肩から右手にかけてまひが残る。貯金を切り崩したり、父の年金を充てたりしてしのぐ中、家賃負担は一家に重くのしかかる。「まさに棄民政策。自分で何とかできない人は、故郷に帰ってこなくていいという福島県の姿勢が見え隠れする」と憤る。

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 一方、北海道や山形県などは住宅の無償提供といった独自の支援策を打ち出すが、取り組みは自治体間で差がある。

 「原発事故避難者の住宅支援継続を求める滋賀の会」事務局の杉原秀典さん(67)は、原発事故の責任は国と東電にあると指摘。「避難する必要のなかった人たちが、なぜ自己責任を求められるのか」と、国による一律の救済を訴えている。

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