2016参院選/4 エネルギー 原発事故5年、戻らぬ信頼 再稼働、与党に温度差 via 毎日新聞

東京電力福島第1原発事故から5年が経過し、安倍内閣のもとで、原子力規制委員会の新規制基準をクリアした原発の再稼働が進む。しかし、大津地裁が関西電力高浜原発の再稼働差し止め決定を出すなど、原発の安全性への信頼は揺れている。今回の参院選で、参院議員は非改選を含めて全員が原発事故後の選出になる。将来のエネルギー政策を問う節目の選挙だ。

 自民党は2014年衆院選に続いて「安全性を最優先し、立地自治体等関係者の理解と協力を得つつ、原発の再稼働を進める」と公約に掲げた。安倍晋三首相は6月21日の党首討論で「できる限り原子力依存は減らすが、今の段階でゼロにはできない」と表明。29日、再稼働に向けて準備中の東電柏崎刈羽原発がある新潟県内4カ所を遊説した際は、原発問題に一切触れなかった。

 公明党は「原発ゼロ」を目指し、再稼働に関しても新規制基準を満たしたうえで「立地自治体の理解を得て判断する」と、自民党より慎重だ。原発の新設を認めないことも公約に明記した。原発に不安を抱く地域住民への配慮がにじむ。

 民進党は「30年代原発ゼロに向け、あらゆる政策資源を投入する」と訴える。関電高浜原発1、2号機(福井県)の運転延長が20日に認可され、40年運転制限(40年ルール)が空洞化する懸念が出る中、同党はルールを「厳格に運用する」と将来の廃炉に軸足を置いた。再稼働は「責任ある避難計画」を条件にしている。

 おおさか維新の会は、再稼働の賛否を明示せず、電力自由化や再生可能エネルギーの導入などが進めば既存の原発は「市場競争に敗れ、フェードアウト」するという立場だ。

 これに対し、共産党は「核のごみの問題は八方ふさがりで、原発固執政治は破綻している」と政府方針を批判し、全原発の廃炉を訴える。社民党は25年までに脱原発を実現する基本法の制定を公約に盛り込んだ。生活の党と新党改革も脱原発を主張する。

 しかし、エネルギー政策に詳しい東京理科大大学院の橘川武郎教授は「核のごみなど具体的な課題の解決に道筋を示す政党がないのは残念だ。政治家が選挙だけを考えてエネルギーを論じているとしたら、今後を悲観せざるを得ない」と各党の公約に満足していない。原発を抱える選挙区では、統一候補を立てた野党が互いの政策の違いから訴えを自重するケースもある。

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