原発再稼働しなければ交付金を減額 国が自治体へ圧力 via しんぶん赤旗

 国が地方自治体に出す交付金をてこにした原発立地自治体への圧力が強まっています。安倍晋三政権は2016年度予算案の作成にあわせて電源立地地域対策 交付金の算定方法を変更しました。再稼働しなければ交付金が大幅に減額される仕組みです。なかでも知事が再稼働に慎重姿勢をとっている新潟県の下落幅が最 も大きくなることが、本紙の調べで分かりました。 (佐久間亮)

(略)

これまで国は、停止中の原発について一律81%の“みなし稼働率”を適用し、発電電力量を試算してきました。16年度以降は、原子炉ごとに福島事故 前10年間の平均稼働率を適用します。上限は68%で下限はありません。市町村に対しては下限や激変緩和措置があり、下限なしで一気に減額する道県と二重 基準になっています。

原発が再稼働した場合は、実際の発電電力量に基づいて交付金額を算定し直します。全国43基の原発のうち平均稼働率が68%を下回るのは18基。多くの原発は再稼働で交付金が増える可能性が高く、再稼働に向けた動きが強まる恐れがあります。

新潟県の東電柏崎刈羽原発は、2000年代に東電のトラブル隠しや中越沖地震によって運転停止が相次いだため、7基合計の平均稼働率が約48%と 15年度までのみなし稼働率と比べ30ポイント以上落ち込みます。同県の担当課は「減額でいろいろ影響がでてくる」と語ります。

安倍政権は、みなし稼働率の見直しで同交付金を15年度から43億円減額する一方、廃炉が決まった原発立地自治体向けの新たな補助金(エネルギー 構造転換理解促進事業)として45億円を計上しました。再稼働に積極的な福井県の西川一誠知事などが政府に求めてきたものです。

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