廃炉作業員描く漫画「いちえふ」仏独伊などで出版へ via 毎日新聞

福島第1原子力発電所の廃炉作業を担う現役作業員が描いたルポ漫画として、反響を呼んだ「いちえふ 福島第一原子力発電所 労働記」(講談社)が海外で出版されることが決まった。フランス、ドイツ、スペイン、イタリア、台湾の5カ国・地域で今後、順次刊行され、欧州では計約2 万部の発行が予定されている。来春の東日本大震災5年を前に、原発事故と作業員の日常を描いた漫画は海外でどのように受け入れられるのだろうか。

 「いちえふ」は作者の竜田一人さん(50)が自身の体験をもとに、作業員の日常を淡々と描いたルポ漫画。週刊漫画誌「モーニング」(講談社)で2013年秋から約2年間、不定期連載され、単行本は第3巻が今秋刊行された。発行部数は計35万部に達する。

 海外出版は「モーニング」編集部の要望を受け、講談社が国外の出版社に働きかけ、実現した。特に強い関心を示したのはフランス。フランス語版は欧州で最多の8000部の発行が予定されている。

 11月中旬には、フランスの季刊漫画評論誌「カブーム」編集長、ステファン・ボジャン氏とフランス語出版を手がけるカナ社(本社・ベルギー)のゼネラル マネジャー、クリステル・ウーランス氏が来日。同誌の企画で「いちえふ」を取り上げるため、竜田さんのインタビューを収録した。両氏の評価は「原発事故後 をテーマに描いたニュース性があるルポ漫画」で一致する。

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