関西電力が平成27年9月中間連結決算で1125億円の最終黒字を確保した。東日本大震災以降、原子力発電所が長期停止し、火力発電の燃料コストの増大で4年連続の最終赤字に苦しんでいたのに、原発の再稼働のないまま業績を回復させた。なぜか。
実は、震災後初めて、全国大手電力10社が中間決算で黒字化した。東京電力も2794億円の最終黒字を計上し、経常利益に至っては過去最高の3651億円となった。
業績を押し上げたのは火力発電の燃料となる原油や液化天然ガス(LNG)の価格下落で、これで発電コストを引き下げた。これに燃料費の変動を料金に反映する燃料費調整制度の“タイムラグ”が関電に680億円の増収効果をもたらした。この制度は燃料費の下落分が電気料金に反映するまでに3~5カ月かかり、その間は電力会社は価格下落を反映しない高めの料金を徴収できるのだ。
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