臨界から20年で運転3カ月 もんじゅ延命 政権固執 via 東京新聞

(抜粋)

「一日も早く県民、国民の信頼に足る組織としなければ、もんじゅの将来はない」。地元、福井県の西川一誠知事は県議会二月定例会で、もんじゅを運営する日本原子力研究開発機構(原子力機構)を批判した。

 福井県はもんじゅを含め全国最多の原子炉十四基が立地する。原発を推進する立場の知事が根強い不信感を口にしたのは、もんじゅをめぐる不祥事の 数々があるからだ。原発の安全性が揺らいだ福島第一原発事故から一年半後の二〇一二年九月にも、約一万点にも上る機器点検漏れが内部調査で発覚、原子力機 構のずさんな運営体質があらためて問題になった。

 機構側は組織改革に乗り出すとしたが、四月一日の組織再編は先送りに。自浄能力の無さを自ら示す結果となった。

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 もんじゅは総事業費一兆円を超える国家プロジェクト。保守や管理が難しく、運転していない現在でも年間二百億円、一日当たり五千五百万円の巨費が 投じられ、その大半は国民の税金だ。膨大なコストから米国やフランスなどは高速増殖炉開発から相次いで撤退、今や先進国では日本のみが開発にしがみつく。

 安倍政権は今週にも閣議決定するエネルギー基本計画にもんじゅ存続を明記する。核燃料を増やす増殖炉研究の余地を残しつつ、むしろ使用済み核燃料 を減らす「核のごみ専用の焼却炉」の役割を前面に押し出した。膨大な核のごみを解消する施設へ生まれ変わることで国民の理解を得ようとしている。

 しかし、フランスと日本に高速増殖炉で核廃棄物を燃やす基礎データがあるとはいえ「まだ試験管レベルの話」(関係者)で、現時点では絵に描いた 餅。核燃料サイクルでは、もんじゅだけでなく、青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理施設でもトラブルが相次ぎ、いまだ運転していない。プルトニウムを軽 水炉で燃やすプルサーマル計画も福島第一原発事故で見通しは立たない。

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