農作物想定以上の汚染範囲 検査手引書 現実離れ via 東京新聞

原発事故が起きた際には、自治体は放射性物質による農作物の汚染を国が定めたマニュアルに沿って調べることになっている。しかし、東京電力福島第一原発の事故では、想定よりずっと広い範囲に汚染が広がり、マニュアルはまるで機能しなかった。自治体からは経験を踏まえたマニュアル改正を求める声があるが、厚生労働省は放置したままだ。 
 二〇〇二年につくられたマニュアルでは、検査する野菜などの品目や集める地域、農家まで事前に事細かく決めておくよう自治体に求めている。
 福島県はマニュアルに従い、原発から十キロ圏内で検査サンプルの提供を受ける農家も選定していた。しかし、汚染範囲はもっと広く、十キロ圏外でサンプルを集めるのは非常に困難だった。
 当初、厚労省は露地栽培のホウレンソウなど葉物野菜を調べるよう指示したが、収穫シーズンが異なるため、県全域からホウレンソウを集めるのは現実的ではなかった。

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