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福島の“甲状腺ガン”健康調査検討委員会は問題がありすぎる! 患者のデータを医大が隠そうとする理由とは via 週プレNews

福島で甲状腺がんが多発している原因が福島第一原発からの放射線かどうかを専門的な立場から助言するために県が設置した「県民健康調査検討委員会(検討委)」。 チェルノブイリ原発事故では子供の甲状腺がんが多発した。そのため福島でも疑ってかかるべきなのだが、実際には逆方向へと進んでしまっている。 このままではがん患者が見殺しにされかねない事態になりそうだ。一体、何が起こっているのか? ■チェルノブイリ同様、5歳以下からがん患者が 6月6日に福島市で開かれた「第23回県民健康調査検討委員会」。放射線被曝(ひばく)と甲状腺がんの因果関係を調べるこの有識者会議で、県民や報道陣が傍聴する中、福島の事故当時18歳以下だった子供の甲状腺がんが、さらに15人増えたことが報告された。 これでがんと確定したのは131人になったのだが、今回、この15人の中に当時、5歳以下の子供が加わっていたことが初めてわかり、傍聴人の間に衝撃が走った。 もともと小児甲状腺がんの発症率は、100万人当たり年間2人程度といわれている。それが原発事故後の福島では、約38万人いる18歳以下に対して、5年で131人ががんと診断された。34倍以上の明らかな「多発」といえる。 だが、検討委は「過剰診断が多発の理由であり、放射線の影響は考えにくい」としてきた。過剰診断とは、本来は診断する必要もなかったが、調べてみたら見つかってしまい、手術までしてしまった診断のことだ。 (略) ところが、今回初めて5歳以下の患者が出た。県や医大は公表していないが、事故当時、いわき市に在住していた5歳の男児が、今年5月頃に手術を終えたとみられていることが取材でわかったのだ。これで検討委の「被曝と関係なし」とする根拠のひとつが崩れたことになる。 だが、記者からの質問に答えた星北斗座長はこう突き放した。 「恣意的に公表しなかったわけではなく、全体的に判断すること(だと考えている)。この先どのくらい5歳以下の患者が出てくるのか検証する必要はあるが、放射線の影響は考えにくいとするいままでの論拠を、これで変更することはないと考えている」 つまり、ひとりぐらい5歳以下から患者が出ても、被曝と関係があるのか議論することはしない、ということだ。こうした検討委の姿勢に、福島の甲状腺がんの患者や親が集まる「311甲状腺がん家族の会」代表世話人の千葉親子(ちかこ)氏はこう怒りをにじませる。 「星座長の言葉は言い逃れにしか聞こえません。5歳以下の子供にがんが見つかったのだから、きちんと検証をしないといけないはず。第一、今の甲状腺がん多発についても『過剰診断』と言っていますが、もっと被曝の影響をちゃんと検査をして調べるべきです」 ■患者のデータを医大が隠そうとする理由 そもそも検討委は、以前から結論ありきの組織ではないかとの批判が多い。福島の甲状腺がん問題に詳しいジャーナリストの藍原寛子氏が解説する。 「4年前、検討委は秘密会を開いて県民が知らないところで大事なことを決めていることがわかり、大きく批判されました。当時の座長だった山下俊一氏 らのメンバーは、それをきっかけに代わりましたが、検討委の本質は今でも同じ。放射線の影響は考えにくいとした今年3月の中間とりまとめにしても、どうい う議論がされたのかさっぱり見えてきません。 初めのうちは、予防医学につなげるようなことを言っていたけど、フタを開けてみると疫学的な分析も不十分な上、チェルノブイリなどほかの地域との比 較もおざなりで、都合のよいデータしかつまみ食いしないのです。実際のデータさえきちんと比較分析していないのに自分たちは科学的だと言う」 秘密会とは、検討委員会に先立って非公開の会議をこっそり開催し、調査結果に対する見解を「がんと原発事故の因果関係はない」とするよう擦(す)り合わせしていたものだ。この問題は県議会でも取り上げられ、村田文雄副知事(当時)が陳謝する事態に及んだ。 藍原氏は、検討委の人選もありえないという。 「まず当事者である患者が入っていない。これでは県民のための調査といえません。それに委員は東京や長崎から来ていて、福島で患者を実際に診ている 人がほとんどいない。星座長は地元ですが、医師免許を所有していても病院の経営者で、実際に患者を診ていないのです。そもそも甲状腺の専門外の委員がほと んどだから、バラバラに好きなことを言って終わってしまっているのが現状です」 全文は福島の“甲状腺ガン”健康調査検討委員会は問題がありすぎる! 患者のデータを医大が隠そうとする理由とは  関連記事: 福島の甲状腺がん患者が“抹殺”される? なぜ県の検討委員会は「被曝影響は考えにくい」と言い切れるのか via 週プレNEWS

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(核の神話:23)「沈黙を強いる」日本社会、気がかり via 朝日新聞

日本で生まれ育ち、米国で教えてきたシカゴ大学名誉教授(日本文学)のノーマ・フィールドさん。原爆投下や原発事故の「被ばく者」に寄り添いながら、日本社会に発言を続けている。いま、福島原発事故の被害者らに「沈黙を強いるメカニズム」が気になって仕方がないという。 (略) ある風景が頭に焼き付いています。それは(今年3月12日の)「311甲状腺がん家族の会」の発足記者会見です。ユーチューブで動画を2時間。目が離せませんでした。福島県民健康調査(「核の神話:18」で紹介)で小児甲状腺がんと診断された子どものご家族に話を聞くのは難しいと聞いていたので、画期的だと思ったんです。 ところが、実際見てみると、会見に出た保護者、お父さん2人なんですが、福島からスカイプでの参加なんです。「カミングアウト(告白)」といわれているものが、顔を見せずに、声も操作されて。それで、「白い服の方」とか「黒い服の方」と司会者に指されるんです。「カミングアウト」と称しても、こういう形を強いる日本の社会のおぞましさ。 会見に参加したジャーナリストがお父さん2人に対して「東電(東京電力)に遠慮している話し方」と感想を述べたとき、やっぱり他の人にもそう聞こえるのだ、と。スカイプで顔を見せずにあの場に出ることが要した勇気って、私の想像を絶するものに違いない。あれが現時点での限界だったんでしょう。これからは、安心して心の内を話せる仲間が増えて、まずは精神的に支え合うことが大事。批判はその先なのかもしれません。 福島に限ったことではないけれども、一番気になってきたのは、被害者たちの被害性からの自己疎外です。自分で自分の感情や、大切なものを否定しなければならない。そういう効果が最初からあって、それがどんどん強化されている気がして。家族会のようなものが発足すれば、必ずバッシングが起こる。だから、自分が被害者であるということを堂々と言えない人が圧倒的多数でしょう。自分の被った被害を認めない、認めることができない、認めようとしない。それこそが自己疎外です。そこが最初から気になっていました。(2020年の)東京オリンピックが近づくにつれて、もっとひどくなると思うんです。 上からの圧力は見えやすい。でも、もっと怖いのは、被害者同士がお互いを制することです。それなしには上からの圧力も効かないでしょう。同じような不安を抱えている人たちがその苦しさから逃れるためには、まわりもその不安を表明しないことを欲するじゃないですか。私の心の寝た子を起こさないで、というふうに。そういう素地というか装置がすぐに活性化されるように暮らしのすみずみまで張り巡らされているような気がしてならないのです。 (略) 日本の原発がこれからどうなっていくかわからないけれども、地裁レベルの判決や差し止めや、たとえ覆されるとしても、ぽつぽつ全国の地裁で再稼働を遅らせる動きがあればいいと思います。そうすると、個々の裁判官にとって、どこか心に響くものがあるんじゃないか、と。あそこで、あいつにこれができたんだ、みたいに。それが、ひとつの動きとして目に見えるようになったらなんとすばらしいか。裁判闘争って効率が悪いけれども、いろんな証拠が出てくるし、法廷が醸し出す尊厳もある。とにかく福島原発告訴団が頑張り抜いて、やっと刑事裁判が開かれることになったので、いろんな人に注目してほしい。関心を示して、公表しないと生かされない。メディアと市民の監視が大事なんです。東京オリンピックが近づいたら、もっともっと福島がなかったかのようにされて、声を上げるのが大変になるでしょう。市民もメディアもそれを意識しないといけません。 福島のお母さんたちの今後についてですが、福島県の外に出たお母さんたちが語っていますよね(「核の神話:20」で紹介)。けれども、そこにまた、それぞれの分断の手が入っています。いつまで「避難者」って言っているのか。はずかしくないのか。はっきり「永住者」と言いなさいとか。それをまた内面化して、これからは自分のことを避難者と言わないで永住者って言おう、とか。切なくなります。 でも、仲間やグループがあるかないかは決定的です。仲間の手を絶対離さない。「311甲状腺がん家族の会」だったら、電話番号があるじゃないですか。 あのご家族、保護者の方2人が、非常に限られた形ですけど、社会に登場したことによって、多くの家族が少なくとも電話をかけるだけの勇気を奮い出すことができるかもしれません。そうあってほしいですね。そういう人たちが増えれば増えるほど、何かが変わってくるはずです。 (略) 東京オリンピックに向けた、帰還政策のような「復興」プロパガンダが目立つなか、いろいろ声をあげようとしている人、また恐る恐るだれかにつながろうとしている人が、たくさんいると思うんです。そういう人たちの力になるようなかたちで、存在を可視化することができないでしょうか。可視化ってほんとうに大事でしょう。 「家族会」の記者会見で顔は出さなくても、そこにいる。顔が見えないぶん、手のしぐさに注意が引かれて、そこから緊張感が伝わってくる。あの2人のお父さんの身体性。かなり違っていましたね。その対比も面白いと言ってしまうと失礼なんですけれど、違いが見えてよかったと思います。手から、操作された声から、いろいろ伝わってくるものがあった。とにかく出てきてくださったことが大事なんです。 あの記者会見で、1時間ほど過ぎたあたりで出てきた白い帽子の女性がいました。広島で被爆したジャーナリストの小野瑛子さん。自分は甲状腺がんも肺がんも患い、それでも生きてこられたのは、仲間がいることと被爆者手帳があることだったと思います。福島でも「被ばく者手帳」をつくる会を立ち上げた方だそうですね。けれども、福島では「被ばく者手帳」と呼ぶかどうか、広島と同じことが起きてしまうのではないかという議論もあると聞きます。差別が怖いんですね。 3・11が起きてかなり早い時期に、当時シカゴ大学の院生だった友人が頼まれてある研究者の論文を英語から日本語に訳した時、日本にいる友だちに「『ヒバクシャ』って差別語だって知らないの」と言われました。自分の責任ではなく差別される対象になったひとたちが、名乗り出て、自らのアイデンティティーとして差別語を捉え返すようになるには、どうしてもかなりの時間がかかるんでしょう。もちろん、一部ですが、被差別部落の人たちであったり、同性愛者であったり。とくにアメリカでは後者の待遇はこのところ急激に変わったけれども、長い期間にわたって隠されていました。私はいつも焦りを感じています。健康手帳を何と呼ぶかは別として、福島のヒバクシャには早く権利を主張して欲しくてなりません。 (略) (シカゴ大学を2012年に)退職する前の最後の学期に、シカゴと広島をスカイプでつなぐ授業をしたんです。1歳の時に被爆した方が登場してくださって、親にも「(被爆者であることは)絶対口外するな」って言われていたと。福島(原発事故)が起きてからの彼女の深い後悔は、自分たち広島の被爆者がアイデンティティーを隠さずに暮らしてきていたなら、福島(の現状)は起こらなかったんじゃないかということです。深い気のとがめがあるのが、スカイプを通して伝わってきました。だから、自分はこれから、福島から避難してきた人たちのために生涯を捧げるんだと。 福島で甲状腺がんと診断された子どもについて、セカンドオピニオンはどうなっているのでしょうか。患者の権利は守られているのでしょうか。「沈黙を強いるメカニズム」って一体何なのか、考えさせられます。いろんな要素が入り交じっていて、先ほどから触れているわけですが、まだ他にあるような気がしています。 病気が意味することに限って考えると、なにが見えてくるか。甲状腺がんはよく知られているけれど、チェルノブイリの例を見ても分かるように、がんだけではなくて、心臓疾患とか他にもいろいろあるわけです。けれども、「がんイコール死」って考えてしまうのは世界共通のことではないでしょうか。 全文は(核の神話:23)「沈黙を強いる」日本社会、気がかり    

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原発事故の“不都合な”因果関係…国の“強制帰還策”で福島の甲状腺がんは激増する!? via 週プレNEWS

福島県で多発する甲状腺がん。福島原発事故後に県が始めた検査で、現在までに甲状腺がんかその疑いがあると診断された人は166人に上る。通常(100万人に年2~3人程度)の146倍~200倍という高い発症率だ。 県は現在も放射線被曝(ひばく)との因果関係を認めていないが、果たして…? 前編記事(「福島で多発する甲状腺がんと原発事故の“不都合な”因果関係」)に続き、福島の甲状腺がんが原発事故由来なのかどうかを徹底検証するーー。 県民の甲状腺検査を行なう、福島県「県民健康調査」検討委員会(以下、検討委)は、甲状腺がんの発症と放射線被曝の因果関係を認めない理由のひとつに、「チェルノブイリと比べて(原発事故)当時5歳以下からの甲状腺がんの発見がない」ことを挙げる。 だが、この点についてロシア研究家の尾松亮(おまつりょう)氏は「チェルノブイリの状況は今の福島と似ている」と指摘する。 「ロシアで事故時0~5歳の層に甲状腺がんが目立って増えたのは、事故の約10年後からでした。事故直後から増加が見られたのは事故時に15~19 歳の子供で、この年代は5年後あたりから甲状腺がんが目立って増えています。ウクライナ政府の報告書でも、事故から5年くらいの間は0歳から14歳の層に 顕著な増加は見られず、15歳から18歳の層に増えました。つまり、ここだけを見れば、むしろ福島の今の状況との類似性が目立つのです」 尾松氏の指摘の根拠は、2011年にロシア政府が発行した「ロシアにおける事故被害克服の総括と展望」と呼ばれる報告書に基づいている。 検討委が開いた2月の会見でも、このロシア政府報告書についての質問が出た。だが委員から出た答えは「読んでいない」だった。(甲状腺がんの発症と放射線被ばくの因果関係は考えにくいとする理由として検討委が挙げている)「チェルノブイリ事故に比べて被曝線量が少ない」という点に関しても、福島の事故当時に県民の甲状腺への被曝量をきちんと測定できたのか疑問が残る。 弘前大学の床次眞司(とこなみしんじ)教授は、2011年の4月11日から16日まで浪江町や福島市で62人の甲状腺被曝調査を行なった。しかし県の職員から「それ以上の検査は不安をあおる」として止められ、被曝量のデータが集まらなかった。放射性ヨウ素131は半減期が8日と短く、今となっては、測定することは不可能だ。 (略) 安定ヨウ素剤の服用基準は日本では年齢に関係なく、「被曝量」100mSv(ミリシーベルト)だった。しかし、アメリカやフランスなどでは18歳以 下は50mSv。国際原子力機関も2011年6月に服用基準を100mSvから50mSvに下げた。チェルノブイリ原発事故で約50mSvの被曝でも甲状 腺がんが増えたためだ。 そのため日本も50mSvに下げることを決めている。床次氏が調べた65人の分析結果では、5人の被曝量がこの50mSvを超えていた。検査を止め られなければ、被曝の実態がより明らかになったことは間違いない。福島では甲状腺がんが多発している上に、このようなデータも明らかになってきているた め、被曝との影響は考えにくいとする検討委の中でも、ここにきて委員間の認識の相違が目立ち始めている。 前出の床次教授は、原発事故直後の福島で測定できた数少ない甲状腺被曝の測定結果をもとに、福島はチェルノブイリよりも被曝量が低かったとした。だ が、甲状腺がんと診断された人たちの被爆量をきちんと測っていないのに、この測定結果から甲状腺がん多発は放射線の影響とは考えにくいとする検討委の方向 性に、最近の報道番組のインタビューの中で疑問を投げかける見解を示した。 (略) それでも検討委や甲状腺検査を行なう福島県立医大は、一向に放射線との関連を認める気配を見せない。そのため、本当のことを知りたい患者同士が情報交換や政治などへの働きかけを目的として「311甲状腺がん家族の会」を3月に発足させた。 (略) 「放射線の影響ではないと言いながら、福島県立医大はなぜ何度も検査をするのか。被曝の影響が考えにくいというなら、他の原因をきちんと探ってほしい。再発や転移が不安で仕方ない」 会の代表世話人のひとり、河合弘之弁護士は、 「原発事故の訴訟が全国で起きているが、損害の核心は甲状腺がんや白血病などを引き起こす放射能被害。放射能の健康被害が心配だからみな避難をし、結果的に家や財物を失っているのです。だからこそ因果関係を社会的、政治的に立証していく」 という。患者の会とは別に、被曝で不安を抱えている人たちに情報提供をする「甲状腺110番」も間もなく発足する予定だ。 日本の原発事故被災者への手当が不十分なのは、チェルノブイリ事故が起きたウクライナと比較することでわかる。ウクライナでは「チェルノブイリ法」 をつくり、被災児童への手当を徹底している。年間の被曝線量が0.5mSv以上ある場所に3年以上住んでいれば被災児童と認定される上、甲状腺がん患者で あれば、被曝量の数値を問わずに法律で保護される。 (略) 一方、福島県では被災者が受けられる健康診断の対象範囲も狭く、なおかつ甲状腺検査になると成人を過ぎれば5年に1度の頻度でしかない。その上、住民に原発作業員と同じ年間20mSvまでの被曝を許容し、除染も終わらないうちに避難指示を次々に解除しようとしているのが現状だ。 甲状腺がんの原因は、すでに消えてしまった放射性ヨウ素だけに限らない。がん治療のためにエックス線やガンマ線などを頭や首などへ照射した経験も発 症因子になるといわれている。つまり、いまだに土壌にたくさん含まれているセシウムを含めた放射線に被曝すること自体が発症リスクにつながりかねないの だ。 この先、国と自治体の福島帰還政策が変わることはないだろう。となると、住民が甲状腺がんの発症リスクを避けるには自衛するしかない。大切なのは、すでに多くの住民は実行しているが、大きな被曝リスクのある場所に子供は帰さないと徹底することだ。 全文は原発事故の“不都合な”因果関係…国の“強制帰還策”で福島の甲状腺がんは激増する!?

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福島・見捨てられた甲状腺がん患者の怒りvia女性自身

和田秀子 「僕が、がんになったのは、こんな体に産んだお母さんのせいだ! 僕は、どうせ長生きできないんだから、もう放射能の話なんてしないで!」   13年の春、郡山市内に住む川向アキさん(仮名・52)は、次男の隆くん(仮名・事故当時中2)に夜通し泣きながら責められた。 「だから私、隆に言ったんです。『お母さんのせいで、アンタががんになったんだったら、死ぬときは、お母さんも一緒に死ぬべ。ぜったいにアンタ一人では死なせねぇ』って」 […] 川向さんが、今回、本誌に胸の内を語ろうと思ったのは、治療を受けている県立医大や福島県の対応が、あまりにも患者の心を踏みにじるようなひどいものだったので、「誰かが訴えなくては」と考えたからだ。 福島県では、原発事故以降、子どもの甲状腺がんが”多発”している。福島県が、原発事故当時18歳以下だった県内の対象者約38万人(受診者は約30万人)に対して甲状腺検査を実施したところ、11年から15年12月31日までに、甲状腺がんの”悪性”ないし”悪性疑い”と診断された子どもは166人、手術の結果、隆くんのように悪性(がん)と確定した子どもは116人にものぼった。(図参照)   12年ごろから、「福島県では小児甲状腺がんが多発している」と警鐘を鳴らしていた津田敏秀氏(岡山大学大学院環境生命科学研究科教授)は、「もともと小児甲状腺がんの発症率は、全国平均で年間100万人当たり約3人。ところが福島県内では、この4年間で約30万人中、がんと確定した人が116人。これは、全国平均の約30倍。あきらかな多発です」と、その深刻さを訴える。 […] しかし、これまで国や福島県は、これほど福島で小児甲状腺がんが増えているにもかかわらず「いっせいにエコー検査したことで、将来見つかるがんを前倒しで見つけている。いわゆる”スクリーニング効果”だ」として、多発すら認めていなかった。 ところが、県民健康調査(注)に対して専門家の立場から助言するためにつくられた、「県民健康調査検討委員会(以下、検討委員会)」が、3月末に発表した「中間取りまとめ」では、福島県で小児甲状線がんが”多発”していることを、ようやく正式に認める形となった。つまり、スクリーニング効果では説明がつかないほど増えてしまったというわけだ。 […] 家族は福島から中継で、顔を隠しながらの会見だった。 実際に子どもが県立医大で治療を受けている手前、表立って批判しづらいという事情もある。   「子どもを人質にとられているようなものだ」と話してくれた患者の母親もいた。 […] 通常は、病院の対応が気に入らなければ、病院を変えればすむ。しかし、福島県内には甲状腺の専門医が少ないうえ、国や福島県は、原発事故による被ばくの影響を調べるために、すべての検査データを県立医大に集約しようとしているためマンパワーが不足している。さらに、県が実施している検査の枠組みから外れると、受診しづらいという事情があるのだ。実際に、患者が一般の病院を受診しようとしても、拒否されるケースがあった。  […] しかし、いままで医師からきちんとした説明はない。それどころか、川向さんが主治医に「どうして、うちの子は甲状腺がんになったのでしょうか。やっぱり、放射能の影響なんでしょうか」と尋ねたら、主治医は、頭ごなしに、こう言った。 「そんなのは(がんは)前々からあったんだ!」 それ以来、次男の隆くんは、「がんになったのは、お母さんのせいだ。放射能の話はするな」と言うようになった。 夫からも、「騒いだって、切ってしまった息子の甲状腺は戻ってこねえ。放射能のせいでがんになったのなら、うちだけじゃなくて、ほかの子もなるはずだ。隆が、がんになったのは、体質だっぺ」と、諭された。川向さんは、「私のせいだ」と、自分を責めた。 […] 前出の「検討委員会」の中間取りまとめでは、(現時点で完全に影響は否定できないものの)「放射線の影響で多発しているとは考えにくい」と結論づけている。 その理由として、あげている主なものが、「将来的に臨床診断されたり、死に結びついたりすることがないがんを、(いっせいに大規模に検査することで)多数診断している可能性がある」という点だ。これを”過剰診断”という。 […] 「家族の会」は4月12日、「ほんとうに不必要な手術が行われていたのなら、許されない」として、現在までに施行されている手術のうち、何例が必要のない手術だったのか明らかにすることや、医療過誤に詳しい専門家を集めた第三者検証機関を大至急設置し、手術の検証を行うことなどを求める要望書を、検討委員会に提出した。 「家族の会」の世話人を務める武本泰さん(郡山市在住)は、「過剰診断説が声高に叫ばれたら、検査を受けないほうがよい思う県民が増える。そのせいで、重篤な症状に陥る患者が出てきた場合、福島県や医大は訴えられる可能性もあるのでは」と危惧する。 実際に、最近では検査の受診率が低下しているのだ。 […] これに対し、早くから福島県での甲状腺がん多発を警告していた前出の津田氏は、「過去の公害問題などでくり返されて来た過ちを、再び堂々とくり返そうとしている。犯罪的だ」と述べた。 さらに、「すでに議論をしている時期はすぎた」として、医療体制の整備や、県民へのリスク喚起など対策を急ぐべきだと語る。 […] もっと読む。

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モントリオールで福島の集い~被災者の生の話を聞く via レイバーネット

    長谷川澄(モントリオール在住) 3月12日(土)にモントリオールでは福島の被爆問題を考え、被害者と繋がる会、「絆ジャポン」の主催で、震災5年目の集いがありました。35人ほどの小さな集まりでしたが、半分くらいは日本語話者以外の地元市民で、関心を持ち続けてくれる人がいることを有難く思いました。  福島やチェルノブイリの放射能汚染と健康被害の問題や、オンタリオの原発廃棄物によるヒューロン湖の汚染等に関するドキュメンタリー映画数本を鑑賞した後、東日本大震災後にカナダに移住した人の通訳つきトークがありました。岩手県出身の人で、震災前は宮古で魚介加工、食肉などの食品会社を経営し、そこで作ったものを使う飲食店も県内各地に営業、従業員は100人以上いたそうです。地産地消企業のホープとして、岩手県の新聞やテレビに出たこともありました。 […] ここまでだけでも、この人の行動力と前向きの思考に圧倒されて、皆は引き込まれるように話に聞き入ったのですが、その後で度胆を抜かれるような話が続きました。被災地ではレイプが多発し、トラックを使った、被害家屋からの盗難も多かったし、また、指輪を盗むために指を切断された遺体もあったというのです。その人は美しい話に溢れるメディアに疑問を感じ、取材の記者にも、テレビ局にも、そういう話ばかりではないことを伝えたけれど、取り上げられることは一切なかったそうです。  この話の後で、私は、やはり東北出身の一人から、自分もレイプがあった話を親や知人から聞いたけれど、被害者から直接聞いた訳ではないので、口外を控えていたと聞きました。あの美しい話の洪水はメディアの演出だったのかと思うと何とも後味の悪い感じが残ります。あのような混乱した状況で、普段は考えられないような酷いことをする人も出るのは、どこの国であってもあり得ることだと思います。しかし、それを一切隠して、美しい話ばかり繰り返したとしたら、それは、余りにもオカシイ。その先にあるのは、日本人は美しい、こんな事態でも酷いことは起きない、秩序ある社会、節度ある国民、他の国とは違うという、偏狭なナショナリズムでしょう。  それはまた、5年経っても、復興など覚束ない原発被災者の話などあるべきではない、聞きたくもないという態度にも通じるかもしれません。先日、「甲状腺癌家族の会」結成の記者会見のビデオを見ました。何の落ち度もない、純然たる被害者家族が顔も声も隠さなければならない社会とは一体何なのだろうと強い疑問を感じました。でも今は、被害者がバッシングされる異常さは、美しい話の洪水とまっすぐ繋がっていると思うようになりました。震災から5年経った今、メディアを徹底的に検証すべきではないかと思います。 全文を読む。

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「小児甲状腺がん家族会」*発足記者会見viaOurPlanetTV

*正確には「311甲状腺がん家族の会」

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311甲状腺がん家族の会を設立します via 311甲状腺がん家族の会

私 たちの子どもたちは、唐突に甲状腺がんと宣告され、その瞬間から、がんと向き合わざるを得ない人生を強いられています。同時に、甲状腺がんと診断された子 どもを持つ私たち家族は、まわりの目を恐れるなど、様々な理由で孤立を余儀なくされてきました。そのため必要な情報も共有できず、さらに悩みを深めていま す。 この会は、こうした患者家族同士が交流するために設立しました。今後、患者の治療および生活の質を高めることができるように情報交換を行い、家族間の交流で見えてきた様々な課題の解決のために取り組んでいきたいと思います。 会の概要、問い合わせは311甲状腺がん家族の会を設立します 関連記事: 福島の子どもの甲状腺がんで「家族の会」結成 via NHK News Web 福島県では、原発事故当時18歳以下だった38万人余りを対象に甲状腺の検査が行われ、これまでに167人が、がん、またはがんの疑いと診断されています が、県の検討委員会は、被ばく量が少ないなどとして、現時点で「放射線の影響とは考えにくい」という見解を示しています。 一方で、がんと診断された子どもやその家族は、手術など治療の負担や将来への不安があることから、12日に家族どうしの情報共有を図る「311甲状腺がん家族の会」を結成しました。 都内で行われた会見では、世話人の河合弘之弁護士があいさつしたあと、甲状腺がんと診断された、いずれも10代の子どもを持つ父親2人が、テレビ電話で会見に参加しました。 このうち父親の1人は「突然、子どもががんと言われ、ショックが大きく、つらい思いをしてきましたが、同じ境遇の人と話をして、心が救われました。がんになった本当の原因を知りたいです」と訴えていました。

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