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Tag Archives: 風評被害
<福島第1>公聴会終了 トリチウム水処分、長期保管含め議論へ via 河北新報
東京電力福島第1原発の敷地内にたまり続ける放射性物質トリチウムを含む水の処分方法を巡り、政府の小委員会は31日、国民の意見を聞く公聴会を東京都内と郡山市で開き、計30人が持論を述べた。有力な選択肢に浮上した「海洋放出」への賛成は皆無で、結論を急ぐ政府や東電への不信感が噴出した。 ◎海洋放出へ批判噴出 公聴会は30日の福島県富岡町を含め3回開催した。終了後、小委委員長の山本一良名古屋大名誉教授は公聴会で複数挙がった「タンクでの長期保管」を処分の選択肢に加え、期限を切らずに議論する考えを明らかにした。公聴会の追加開催も検討する方針。 […] トリチウムの半減期は約12年。原子力市民委員会(事務局東京)の細川弘明事務局長(63)=京都市=は「大型タンクで100年以上保管すべきだ。技術的、経済的に可能。長期保管は放射能を減衰させる積極的効果がある」と強調した。 […] 福島県三春町のヘルパー大河原さきさん(66)は「処分は漁業との関係ばかりが問題にされがちだが、広く国民や海外にも意見を聴く必要がある」と指摘した。 全文
福島の風評対策支援=6%減の1.5兆円-復興庁概算要求via 時事通信
復興庁は28日、2019年度予算概算要求をまとめ、自民党の東日本大震災復興加速化本部に示した。被災地のインフラ復旧が進み、総額は前年度当初予算比5.7%減の1兆5420億円だった。東京電力福島第1原発事故に伴う福島の風評被害対策を支援するため、食品加工の新たな衛生管理モデルを作り食品の安全性をPRするほか、全国の小中高生向け放射線副読本の普及に取り組む。 主な内訳は、原発事故からの復興・再生に7036億円、住宅再建や災害復旧などに6886億円、産業振興・雇用対策に786億円、心のケアなど被災者支援に644億円。 原文
福島はなぜ「水力発電」の増強を目指すのか 経済復興・自立のため人々は立ち上がった via 東洋経済オンライン
危機にある福島県経済 福島県全体が再生可能エネルギーの開発に向かおうとしているのは、福島県が危機的な状況にあるからです。 まず、深刻なのは経済状況です。震災前、福島県の経済規模は、東北地方では宮城県に次ぐレベルにありました。震災前の福島県の予算は約1兆円あり、2800億円は税収でまかなうことができていました。ところが、震災により福島経済は大きな打撃を受け、震災の年である2011年には、わずか1700億円に激減したのです […] 福島県経済がこれほどまでに疲弊してしまったのは、震災や原発事故の直接的な被害だけが原因ではありません。むしろ深刻なのは、あの事故以降に広がってしまった福島に対するマイナスイメージによる風評被害なのです。 風評被害が目立つのは、まず、農業分野です。福島県では県内の農産物の安全性を証明するために、県産の農産品に関して全品を精密検査しています。すべての食料品について完全に検査するなどということは、日本国内ではもちろん、全世界を見てもほかには例がなく、世界一の安全証明だと言えるでしょう。 ところが、これほど厳しい検査体制でも、農業産品に対する風評被害はなくなってはいません。 風評被害は農業についてだけでなく、工業についてもあります。福島県の産業のうち農業が占めるのは1割以下であり、最も割合が大きいのは工業で、30%以上を占めます。 その工業製品についても放射能汚染という風評による被害があります。これは、ほかの地域の人々にはあまり知られていないようです。 たとえば、震災からしばらくたったころ、福島県内のメーカーが、自社の工業製品を関西のクライアントに納品しようとしたところ、「これは放射能があるんじゃないか」と疑われて、受け取ってもらえなかったという出来事がありました。 もちろん、これは完全な風評被害です。その製品は室内で生産されていて、福島第一原発からの放射性物質を浴びていることはありえなかったのです。事実、製品を検査しても放射能など検出されはしませんでした。 […] 人口減少は存亡の危機につながる そして、福島にとってまさに存亡の危機といえるのが人口の減少です。福島県には震災前、200万人を超える人口がありました。ところが今は180万人台しかいないのです。 災害からの避難で一時的に人口が減ったのなら、いつかは回復すると見込むことができるのですが、そんな楽観はできないのが現実です。実は、震災や原発事故により産業が受けたダメージから、いまだに回復していないことに真の原因があるからです。 特に問題なのは、風評被害により産業が回復しないことが、県内における雇用不安につながっていることです。雇用がないために、福島から出て行った人が戻って来ることができないことに、人口減少の根源があります。 […] 私が2016年に出した『水力発電が日本を救う』で、日本の水力発電には大きな潜在的な可能性があり、発電量を2~3倍に伸ばせること(21世紀の日本は「ダム」によって救われる!参照)を述べたところ、各方面から「もっと内容を詳しく知りたい」というお声をいただきました。特に熱心だったのが福島県の人々でした。 […] 全文
「処理水処分」在り方問う 楢葉で福島第1廃炉国際フォーラム via 福島民友
東京電力福島第1原発の廃炉について学ぶ「第3回福島第1廃炉国際フォーラム」が5日、楢葉町で2日間の日程で開幕し、初日は廃炉の疑問に専門家が答える意見交換を行った。地元の団体の代表や高校生らが登壇し、第1原発の地上タンクで保管が続く放射性トリチウムを含む処理水の処分方法を巡り、合意形成の在り方を問う声があった。 意見交換で遠藤瞭さん(ふたば未来学園高3年)は処理水の処分について「科学的知見だけでは(処分後の)社会への影響は分からない」と指摘。経済産業省が30日に富岡町、31日に郡山市と東京都で開く公聴会については「話し合ったとしても絶対安全というわけではなく、何かしらの問題は出てくると思う」と専門家に意見を求めた。 同省の松永明廃炉・汚染水特別対策監は「科学的知見だけではなく、風評被害なども含めて国の小委員会で検討中」とし、公聴会や関係者との議論を踏まえて検討する考えを示した。ただ遠藤さんが「公聴会は限られた場所や時間、人数になる。十分なのかなと思う」と問うと、原子力損害賠償・廃炉等支援機構(NDF)の山名元(はじむ)理事長は「明確な答えは出せないが、リスクやメリット、デメリットなどを住民が共有し、判断するやり方が一番の理想」とし、科学的な情報を共有することも重要とした。 意見交換は立命館大の開沼博准教授が進行役を務めた。廃炉への関心を高める情報発信や廃炉後の作業員の雇用、廃炉教育の在り方などについても議論した。 […] 全文
「福島県産を食べない」は風評加害か?「避ける自由」封じられた学校給食。「実害」言い続ける農家もvia 民の声新聞
[…] 福島県内では、原発事故直後から〝風評払拭〟が大きなテーマとなった。その1つとして着目されたのが学校給食。子どもたちが食べるのが最大のアピール─というのが〝推進派〟の論理だった。 2012年6月18日の福島市議会では、尾形武市議が「地元農産物を食べていただいていないのは、非常に残念」として「地元農産物の安全安心をきちんと保護者の皆さんにお知らせをされ理解されるよう努め、まずは福島市民の皆様から安心して食べていただくようにされないと、なかなか風評被害の払拭にはつながらない」と市当局に迫っている。 同市議会では、地元産米の使用に反対する保護者を「騒ぐ人」と表現した市議に対し、別の市議が抗議する場面もあった。「家庭で大人が消費しますから子ども(学校給食)には避けて欲しい」という保護者の声を代弁した市議もいたが、大きな波には抗えなかった。陳情「学校給食用米穀に福島市産を使わないことを求めることについて」は2012年12月議会で賛成少数で不採択となっている。 2012年6月25日の郡山市議会でも、佐藤政喜市議が「地元でこういう風に学校給食で安全性を確認しながら使っているんだという事。これが(首都圏で)一番効果があったと(JAの関係者に)聞いております。学校給食はそういう意味でも風評被害を軽くするということにつながる」と〝地産地消〟を市当局に求めた。 今も、ある相双地区の自治体職員は「福島県外にセールスに行くと『自分たちで食べていないものをこっちに来て売るな』と言われてしまう。だから地産地消は大事なんだ」と語る。「せめて米だけでも」と自宅で炊いたご飯を持参させた保護者もいたが、1学年に1人か2人。自分を責める保護者もいた。本来なら全ての選択肢が尊重されるはずだ。だが〝風評払拭〟の大合唱は、それを許さなかった(2013年01月15日参照 […] 「検査をしていたとしても食べたくない」という心情に理解を示す生産者もいる。福島県須賀川市でキュウリや米を作っている農家で、映画「大地を受け継ぐ」に出演した樽川和也さんもその1人だ。2016年10月29日に須賀川市内で開かれた上映会で「汚染は風評じゃない。現実だ。福島産を買いたくないのは当然の心情」と語っていたが、その想いは2年経った今でも変わっていない。 「放射性物質に汚染された土で野菜を作ってるんだ。世間からすれば、検査をしているとか基準値以下だとかは関係ないのは仕方ないと思う。俺だってもし福島県外に住んでいて、福島県産と他県産のキュウリが店に並んでいたら、きっと他県産のキュウリを選ぶだろう。検査しているのはセシウムだけ。将来、本当に身体に害が無いのかなんて分からないからね」 今年3月11日に放映されたフジテレビ系列の震災特番「FNN3・11報道特番 その避難は正解か!?」に出演した。「福島の現実を隠したくない」と線量計を手に自身のビニールハウスの周辺を歩いた。ビニールハウスに降り注いだ放射性物質が雨などで流れ落ちる事もあり、線量計の数値は0・6~0・7μSv/hを示した。「福島の現実を隠したくない」という想いからだったが普段、毒舌で知られる坂上忍さんの口数は少なかった。 「結局、福島出身の有名人を含めて、多くの芸能人が原発事故と距離を置いてかかわらないようにしている。その意味でTOKIOは勇気があると思うし、彼らはすごいと思う。今回、こういう事になって、彼らを応援しようという気持ちに福島県民がなったのも当然だと思う」と樽川さん。現実を全てオープンにし、買うか買わないかは消費者の判断─。そんな想いで田植えの準備を進めている。 フジテレビのホームページには、同番組の趣旨が次のように記されている。 「福島県産の野菜を7年たった今も避ける人たちがいるなど、今なお続く〝福島差別〟ともいわれる現象の実態も追います」 福島県産の農林水産物を避けるのは〝差別〟では無いはずだ。樽川さんは言う。「いくらTOKIOが『安全だ』と言ったって難しいんじゃないかな。だって、事故を起こした原発の廃炉に30年も40年もかかるわけでしょ。廃炉作業が終わるまでは無理だと思うよ」。 […] しかし、「選択の自由」と言いながら実際には、原発事故による汚染や被曝リスクに対する懸念は封じられてきた。今回、福島県の内堀雅雄知事は5月3日にはTOKIOの継続起用をジャニーズ事務所に伝える「スピード判断」で決着を図った。県庁に寄せられた400通を超えるメールも判断を後押しした。5月7日の定例会見では「東日本大震災以降、TOKIOの皆さんが福島を全力で応援していただいた」などと知事の想いの強さを口にした。 一方で、避難指示が出されていない区域から福島県外に避難した〝自主避難者〟向け住宅の無償提供打ち切り問題では、2年近くにわたる交渉や8万筆を超える署名、全国の地方議会からの意見書、避難者による直訴状も全て〝無視〟して2017年3月末で打ち切った。〝復興〟や〝風評払拭〟につながる個人や団体とは時間を割いて面会するが、〝自主避難者〟が何度頼んでも、最後まで「多忙で時間が無い」、「担当課が対応する」と会おうともしなかった。これが現実の姿だ。モニタリングポスト撤去問題でも、原子力規制庁は理由の1つに「海外からの観光客に『福島はまだ危ない』と思われてしまう」事を挙げている。福島市の木幡浩市長は「モニタリングポストの存在が風評の源になっている」と明言している。 「放射能はうつる」、「〝自主避難者〟も多額の賠償金を得ている」という誤解こそ、根も葉もない〝風評〟だ。いわゆる〝原発避難者いじめ〟は、それらの誤解が招いた。しかし、国も福島県も芸能人を起用して、それらの〝風評〟を払拭しようとはして来なかった。経済原理が優先され、被曝リスクを口にする人は肩身の狭い想いをする。原発事故後の一面が如実に表れた「TOKIO騒動」だった。 全文
【モニタリングポスト撤去】福島市でも母親たちが継続配置を要請 via 民の声新聞
福島県内(避難指示区域を除く)に設置された「リアルタイム線量測定システム」と呼ばれるモニタリングポスト(MP)の撤去計画問題で、福島市内に住む母親たちが18日午後、同市役所を訪れ、継続配置を求める要請書を木幡浩市長に手渡した。母親たちの訴えに、木幡市長も「当面はむやみに外さないよう、福島県とともに国に求めて行く」と寄り添う姿勢を見せたものの、一方で「MPの存在が風評の源になっている事も総合的に判断しなければならない」とも。子育て中の母親たちの想いよりも風評払拭を重視するような言葉が随所に出て、集まった母親らを落胆させた。 【「あの時、何も知らされなかった」】 継続配置を要請したのは、「モニタリングポストの継続配置を求める市民の会」の動きに呼応して集まった福島市内のお母さんたち。地元市町村への要請は、郡山市に続いて2例目。代表して、NPO法人「ふくしま30年プロジェクト」の理事も務める佐原真紀さんが要請書を読み上げ、木幡市長に手渡した。 今回の撤去計画に対し「大きな不安を抱えている」、「強引さに大きな憤りを感じている」などとして①MPが不要であるか否かの判断や決定する権利を住民に持たせるよう今後も訴え続けること②福島第一原発の廃炉作業が全て完了してから撤去に着手するよう今後も訴え続けること─を求めている。 佐原さんは「風評払拭も大事だが、食品にしても空間線量にしても、出来るだけ細かな測定を続けている事が復興につながるのではないかという声を多く聴いている。今後も現状の体制を続けて欲しい」と求めた。 参加した母親たちからは「今後、もし福島第一原発で何かがあった場合、MPは情報をキャッチ出来る要となるはず。皆が平等にきちんと『知る』ために、このまま継続配置を強く望みます」、「7年前、原発事故が起きた時に私たち市民には、空間線量もSPEEDIも知らされなかった〝苦い思い出〟がある。数値を簡単に目にする事が出来るMPはぜひ残して欲しい」、「小学生と中学生の息子がいるが、息子たちも『なんで撤去するの?』、『市長は僕たちを守ってくれないの?』と驚いていた。子どもたちを守るのは大人の責任。どうか撤去しないで欲しい」、「原発事故によって子育ての状況が180度変わってしまった。せめて私たちの要望を受け入れて欲しい」と市長に頭を下げた。原発事故当時は高校生だったという女性は「私たちと同じ目線にたって考えて欲しい」と求めた。 これに対し、木幡市長は「皆さんの不安な気持ち、よく分かります。私も除染廃棄物の搬出も出来ていない状況で外す(撤去する)という判断はあり得ない、と国には話をした。国と第一義的に動くのは県。自治体の要望を聴いて動くのは県の仕事になる。なので、県と市町村とが一体となって『ここで外すというのはおかしいと言おう』と申し入れをした。県からも、福島市も一緒になってやってくれという話をいただいている。原子力規制庁からは『除染廃棄物が残っている段階では撤去はしない』という意向を聴いているし、やみくもに撤去される事は無いだろうと考えている。モニタリングポストは、この地域が安全であるというエビデンス、証拠になるといった面で大事だと思っている。当面は、ともかく国もむやみやたらに外す事はないと思う。我々も県を中心にまとまって対応して行きたい」と答えた。 全文
福島産農産物/風評払拭へ問われる販売戦略 via 河北新報
[…] 野菜や果物など青果物について、首都圏の仲卸業者の3割が事故前より福島産の取り扱いを減らしていた。理由(複数回答)には「販売先から別産地を指[定されている」(43%)「販売先が福島産以外を希望すると想定される」(39%)などが挙がった。 […] だが、イメージ戦略だけで解決するのかどうか。今回の調査では首都圏の小売業者が聞き取りに対して「一度外した商品を棚に戻すことは難しい」などと明言している。 そうだとすれば、県や農業団体などが県産品の販売フェアを開催してイメージアップを図ったところで、取り扱いはフェア期間に限られ、本当の販路回復にはつながっていないことになる。 「業者が福島産に戻す理由やきっかけを見いだせていない」。農水省も指摘するように、安全性のPRといった従来の取り組みでは不十分。新たな付加価値を提案できるかどうかが問われている。 どこに狙いを定めるか、販売先に関する検討も必要だ。コメについては福島産は中食や外食向けなど業務用米としての引き合いが強い。中食業者からは「(福島産を)大量に仕入れたいが、手に入りにくい」との声も上がっているという。産地や品種によっては業務用に活路を求めるのも一つの手法かもしれない。 モモについては高価格の贈答用が他県産に取って代わられたままになっている。どうすれば巻き返せるのか、流通ルートから見直すなど知恵の絞りどころだろう。 ここ数年、全国各地で新たなブランド米が誕生しているように、産地間競争が一段と激しくなっている。熾烈(しれつ)な棚の奪い合いという厳しい状況下で、県や農業団体、生産者が新たな福島産の価値を提案し、アピールできるかどうか。それこそが風評の払拭につながるのではないか。 全文
福島の農産品 タイに商機 via 日本経済新聞
青木フルーツホールディングスが調達・販売でタイに着目する背景には、東京電力福島第1原子力発電所事故に伴う風評の影響が小さい同国への期待がある。青木信博会長兼社長は「タイは日本の果物への憧れが強く、福島産品を含めて積極的に購入してくれる」と語る。 2015年5月に福島など3県を対象とした食品の輸入規制を解除したタイは16年度には福島県産の農産物を輸入する国・地域で1位となった。モモ、ナシなどが人気で、17年は日本から輸入しているモモの約95%が福島県産品となった。県も「風評が少なく、親日的な同国は農産品の市場として魅力的」(県産品振興戦略課)とみる。同HDはタイの果実を使った国内商品の開発と、福島産を含めた日本のフルーツを原料にした現地でのジュース販売は相乗効果が高いと判断。 […] 全文
福島・浪江町、帰還まだ2%「元々何もなかった。慣れるとなんとかなる」避難解除後初の正月 via 産経ニュース
[…] 正月といえば、初詣。神社に向かった。しかし、参拝客の気配はなかった。 神社をあとにして、浪江駅近くで、歩いていた女性(80)に出会った。昨年の避難指示解除とともに二本松市の復興公営住宅から戻ったという。 歯科足りず40日待ち 新年を迎えて、どのような年になってもらいたいかを尋ねてみた。 「お医者さんにかかりやすくしてほしい」 とりわけ足りないのは、眼科や歯科。歯科に至っては40日待つこともあるという。日常の生活でも、「食料品は(南相馬市の)原町まで買いに行く」と話し、まだまだ町内の販売網が整っていないことを訴えた。 「。。。」 実際に訪ねてみると、コインランドリーを除いて、全て休業だった。 もっとも、そんな町の風景に違った見方をする住民もいる。 「色々なものがないといっても、ここには元々何もなかった。慣れてみるとなんとかなる」 こう話すのは、町内で電気工事業を営む男性(57)だ。その言葉からは、町外避難を続ける住民に感じている違和感がうかがえた。 「戻らない理由付けをしている。いつまでもひきずらず、町に戻るか、移るか決めればすっきりする」 指摘は厳しい。しかし、それこそが、東京電力福島第1原発事故が産み落としたコミュニティーの断絶かもしれない。 […] 浪江町は4月に小中学校の再開を予定している。 住民の立場で、早くから町の復興に関わってきたのが、浪江町行政区長会会長の佐藤秀三さん(72)だ。 佐藤さんは「浪江に戻ってきた人は不便や不安を覚悟して戻ってきた」と話す。自身も町の生活にさほど不便はないという。 「浪江に戻ってきた人同士で話しても、不満は話題にならない。それが『何か不安はないですか』と、かしこまって聞かれると、違った答えをすることになる。結果的に被災者とメディアが『風評』を作る格好になっている」とみている。 […] 全文
被ばく医療拠点整備に遅れ via ロイター
東京電力福島第1原発事故を教訓に見直された緊急時の被ばく医療体制で中核を担う「原子力災害拠点病院」について、国から指定を義務付けられた24道府県のうち11府県が未指定であることが8日、原子力規制委員会などへの取材で分かった。対象自治体によると、原発事故時の被ばく患者受け入れによる風評被害を懸念する病院が多く、専門知識を持つ医療従事者も不足している。 規制委の再稼働審査に7原発14基が合格した一方、拠点病院の整備は遅れており、原発事故が起きて多数の住民が被ばくした場合、受け入れや治療がスムーズに進まない可能性がある。 【共同通信】 原文