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<東海第二原発 再考再稼働>(23)圧力容器劣化にリスク 元原発技術者・服部成雄さん(76)via 東京新聞

日立製作所で長年、原子炉の材料研究やトラブル時の原因究明に従事してきた。二〇一一年三月の東日本大震災で事故を起こした東京電力福島第一原発や東海村の日本原子力発電(原電)東海第二原発といった全国の沸騰水型軽水炉(BWR)に携わってきた。  私が脱原発に考えを変えたのは、福島第一原発事故を経験してから。それまでにも、全国の原発で多くのトラブルに対処して、原発の脆弱(ぜいじゃく)性を知っていたことから「原発は危険なものだ」という認識はあった。だが、社内の原発推進の雰囲気にあらがうことができず、結局は黙認していた。  原発事故の映像をテレビで見た時に、「大きな被害を出す犯罪的なものを造ってしまった」と脱力感を感じ、自分がやってきたことが全否定された気がした。 元技術者として、反省の念を込めて原発の危険性を伝えなければならないと思い、講演や文章で再稼働のリスクを発信している。  東海第二原発の再稼働にも反対だ。「核のごみ」をこれ以上、増やすことは許されない。その上、運転開始から四十年以上経過しており、原子炉本体の圧力容器の目に見えない経年劣化も懸念される。  原子炉内を飛び交う中性子線が、圧力容器や内部構造物の材料の組織を傷付けてもろくする。特に、燃料集合体近くはダメージが大きい。だが、圧力容器内の材料の状態を正確に調べることは困難。中性子線が材料に与える長期的ダメージがどのように起きるかも十分に分かっておらず、研究途上の段階にある。  このままでは、圧力容器にどの程度のダメージがあるか不明で、適正な検査もできない。そのような状況で、再稼働をしようとしている。 (略) 原電が東海村など東海第二の周辺自治体で開く住民説明会に行き、質問もするが、原電は「適切にやっている」「これだけ安全対策をやっている」と答えるのみ。それでは、地元の理解を得られない。「住民をばかにしているのか」と言いたい。原電の体質も、事故前よりむしろ悪くなっていると感じる。 全文は<東海第二原発 再考再稼働>(23)圧力容器劣化にリスク 元原発技術者・服部成雄さん(76)

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原発再稼働の是非を問う県民投票はなぜ実現できないのか 茨城県議会で感じた疑問 via 毎日新聞

2011年3月の東京電力福島第1原発事故以降、原発再稼働の知事判断に地元住民の意思を反映させるため、県民投票の実施を求める動きが各地で起きている。しかし、過去に県民投票条例案を審議した静岡や新潟、宮城の県議会では全て否決され、茨城県でも否決された。会派構成から見れば数の論理で廃案となったことは理解できる。しかし、廃案にするには合理的な理由が必要だ。6月18日に行われた県議会の審議を聞くと、数々の疑問が湧いた。【吉田卓矢/統合デジタル取材センター、鳥井真平/水戸支局】 (略) 震災後は運転を停止しているが、18年11月までに被災した原発として初めて新規制基準への適合や最大20年の運転延長など、原子力規制委員会による主な審査を終えた。原電は今年4月、原子炉の使用開始時期を22年12月と記した使用前検査の申請を規制委に行った。 ただ、実際に再稼働するには安全協定を結ぶ地元自治体の事前了解も必要だ。原電は茨城県と東海村単独、さらに東海村を含む周辺6市村と協定を結ぶ。いずれも法的拘束力のない紳士協定だが、地元の事前了解なしに再稼働した原発はない。茨城県の大井川和彦知事は、判断する際に住民の意思を重視すると言っているが、その確認方法については明言を避けている。 そのため、「知事の判断に県民の意思をしっかりと反映させる必要がある」と考えた県民有志が、「いばらき原発県民投票の会」を結成して今年1月から署名を集め、5月に県に対し、条例案の提出を直接請求した。 (略) 条例の反対理由を聞くと、数々の疑問が 県民投票を実施するための条例案は6月8日に大井川知事が意見書を付けて県議会に提案した。審議は18日の常任委員会で1日だけ行われ、即日採決された。最終日の23日にも本会議で改めて採決。賛成少数で否決され、廃案となった。その間、県議の意見表明は、常任委員会と本会議の採決前に計2回あった。いずれも各会派の議員らが賛成・反対の各立場から理由を述べている。廃案理由は反対意見を聞けば分かるはずだ。 県議会は現在、議長を除くと58議席あるが、原発再稼働の是非を県民に問う条例案に反対した会派は、最大会派のいばらき自民党(41人、1人は議長のため採決に参加せず)、県民フォーラム(国民民主党、5人)、公明党(4人)と、一部を除く無所属議員だった。 委員会で反対意見を述べる自民の白田信夫県議の言葉でまず引っかかったのが「(条例が)次の任期の議会の判断を縛ることになる」との発言だった。投票の実施日について、「知事が再稼働の是非を判断するまでの期間で知事が決める」と定めていた条例案に対する反論として出てきた。大井川知事が、安全性の検証▽実効性ある避難計画の策定▽県民への情報提供--の3条件を整えた上で「県民らの意見を聞く」と意見書に書いているから、「投票が行われるのは(原電の工事が終わる)22年12月以降になると推察される」、自分たちの任期中には実施されないから、実施方法だけを先に決めるのはおかしい、という理屈らしいが、よく分からない。そもそも議会で決めた条例は任期をまたぐものだろう。ちなみに、茨城県議会が前回県議選前に制定した議員提案の政策条例「薬物の濫用の防止に関する条例」(15年)、犬猫殺処分ゼロを目指す条例(16年)などはいずれも現在も有効だ。なぜ県民投票条例だけが任期をまたぐとダメなのか。 自民は更に本会議で、「国は地元同意の法的な位置づけを明確にしていない。民間企業の行く末を県が決定することへの矛盾や賠償など法律上の懸念も指摘されている」(飯塚秋男県議)とも述べたが、これも変だ。原電との間で結んだ安全協定に基づく知事の判断と県民投票を混同していないだろうか? 「えっ?」と思ったのは、自民の意見表明だけではない。委員会で「投票率にこだわるべきだ」と主張したのは県民フォーラムの二川英俊県議だ。公明の田村佳子県議も「投票率が低かった場合、結果の解釈を巡って不審を招く」と述べた。これは、投票結果の成立要件について、「有効投票数の過半数を占めた賛否が、有権者の4分の1以上だった場合」とした条例案に対する批判だったようだが、何度聞き直しても、なぜ条例案の要件ではダメなのかが分からない。 ブラックジョーク、不勉強か不誠実…… 尽きない疑問を、筑波大の佐藤嘉幸准教授(社会思想)にぶつけてみた。佐藤准教授は昨年7月に東海第2原発の再稼働や住民投票の意義について考えるシンポジウムも開催している専門家だ。 まず、任期をまたぐ条例の制定について、佐藤准教授は「当然、国会で審議される法律も、県議会などで審議される条例も制定されれば、議員が選挙で変わっても効力があるのは当たり前で、これは理由になりません。そもそも、県民投票の時期が議員の任期をまたぐだろう、という点も推測に基づく議論でしかありません」ときっぱり。 「賠償など法律上の懸念が指摘されている」との主張については、「論理の飛躍です。住民投票の結果は知事が判断する際の材料の一つに過ぎません。これを知事による判断を否定する理由にするなら分かるのですが」と述べた。 「投票率にこだわるべきだ」との主張についても、「廃案理由になりません。条例案に書かれた投票結果の成立要件は、直近の米軍の基地移転を巡る沖縄の県民投票で採用、執行され、正当性について疑義は示されていません。過去の事例を検証して理由を示すべきです」とあきれる。「知らなかったのなら勉強不足です。もし、知っていたのなら、不誠実です」とバッサリ。県民投票の結果が知事と議会の判断を縛るとの主張についても「そもそも、県議会や知事の判断に影響を与えるために直接請求するのが住民投票です。地方自治法で定められた住民投票という制度自体を否定するつもりでしょうか」と疑問を口にした。 更に、佐藤准教授は「県民フォーラムは、知事と議会の間での十分な議論の後に意見の相違があった場合などに県民に問うべきだとも言っていましたが、そもそも議論してこなかったから直接請求されたのです。自らの不作為を(反対)理由にするなんて、ブラックジョークですよ」とため息をついた。 (略) また、参考人についても佐藤准教授は「専門家がいなかった。本来なら住民投票や地方自治の専門家を呼ぶべきです。首長を呼ぶなら立地自治体だけでなく、周辺自治体も呼ぶべきでしょう」と指摘する。他県では、宮城や静岡で専門家が呼ばれたが、いずれも地方自治や住民投票、法律などが専門の学識経験者だった。今回の審議では、学識経験者は茨城大の教授1人だけで、それ以外は、資源エネルギー庁や原子力規制庁の職員、立地自治体・東海村の山田修村長だった。鹿野さんは「条例案の審議に国の役人を呼んだのは茨城県だけ。条例案に関連するような質疑もなく、何のために呼んだのか最後まで分からなかった」と話す。 (略) 福島第1原発事故では現在も、故郷に戻れない人がいる。再稼働の是非について地元の声を表明できるのは地元の首長だけだ。大井川知事は、県民の声を聞いてほしいという8万6703筆に込められた思いの重さをかみしめてほしい。 全文は原発再稼働の是非を問う県民投票はなぜ実現できないのか 茨城県議会で感じた疑問

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原発否定なら「自宅から出るな」 東海第二の再稼働 村長が容認発言か via 東京新聞

沸騰水型原子炉(BWR)を備える日本原子力発電(原電)東海第二原発が立地する茨城県東海村の山田修村長が、雑誌の対談で「安定的な電力の供給は絶対に欠かせない。BWRについてもしっかりと再稼働していく必要がある」と、東海第二の再稼働を容認すると受け取れる発言をしていたことが分かった。山田氏は「東海第二の個別の話ではない」と否定するが、これまで「中立」として賛否を明らかにしていなかっただけに、波紋を広げそうだ。 東海第二の再稼働には、村のほか県や水戸市など周辺五市の同意も必要で、仮に山田氏が容認しても県や五市に反対があれば、事実上再稼働はできない。 発言は、原子力業界誌「ENERGY for the FUTURE(エナジーフォーザフューチャー)」(ナショナルピーアール社・東京)の十月五日号に掲載された、東京電力柏崎刈羽原発がある新潟県刈羽村の品田宏夫村長との対談で出た。テーマは「BWRの再稼働」。BWRは福島第一原発や柏崎刈羽で使われ、福島第一の事故後は一基も再稼働していない。再稼働しているのは、PWR(加圧水型原子炉)の九州電力川内原発(鹿児島県)など。 対談で山田氏は、原発に否定的な人に対し「全ての外部電源を遮断して自家発電だけで生活してもらわなくてはいけない。自宅から一歩も出てはいけない」とも指摘。このほかに、福島第一の事故を受けて厳しい新規制基準ができたとして「論理的に考えれば、同じような事故はまず起こらないと思うはずだ」と述べ、周辺住民に「『何かあった時には福島の二の舞いになる』という心理」があり再稼働への理解が広がらないとの認識を示した。 (略) 民間シンクタンク「原子力資料情報室」の伴英幸共同代表は「過酷事故への認識が甘い。自分は原発をよく知っている、理解できない住民はばかだ、という感覚ではないか」と批判する。 全文は原発否定なら「自宅から出るな」 東海第二の再稼働 村長が容認発言か

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原電の廃炉費、大幅不足 原発建設に流用、全基停止後もvia朝日新聞

原発専業会社の日本原子力発電(原電)が、廃炉のために準備しておくべきお金を流用し、残高が大幅に不足している。原電が保有する原発4基のうち、東海第二(茨城県、停止中)は来年11月に運転開始40年を迎え、敦賀原発2号機(福井県、同)は建屋下に活断層が走っている可能性が指摘される。これらの原発が廃炉の判断を迫られても、作業に必要な費用を賄えない可能性がある。 原電は近く、東海第二の運転を最長60年に延長できるよう原子力規制委員会に申請する方針だが、廃炉にするにもその資金を確保できないことも背景にある。 経済産業省の省令では、原発事業者は保有する原発の廃炉費用を見積もり、毎年、解体引当金の名目で積み立てるよう義務付けられている。ただ、積み立てたお金を一時的に別の用途に使うことは禁じていない。 原電の場合、廃炉作業中の東海原発(茨城県)、敦賀原発1号機を含む4基の廃炉にあてるため、総額1800億円前後の解体引当金がある計算だが、「大半を流用してしまった」(関係者)という。 複数の関係者によると、東京電力福島第一原発事故の前、原電は解体引当金を敦賀3、4号機(建設中)の建設費に流用することを決めた。金融機関からの借金を増やさない目的だったという。原発事故後、原電の全原発が停止して資金繰りが厳しくなると、穴埋めする余裕はなくなり、流用が続いた。原電は解体引当金をどの程度使ったかを明らかにしていない。 […]  金融機関は、原電の全原発が止まっている状況では、新たな融資はしない姿勢だ。規制委が東海第二の再稼働や運転延長を認めない場合、資金繰りが行き詰まり、原電は廃炉資金を調達できなくなる。逆に再稼働が認められても、原電は1700億円超の安全対策費を調達する必要があり、廃炉資金を穴埋めする余力は乏しい。(笹井継夫)       全文

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<参院選>東海第二「40年超え」運転延長 「候補の考えを」有権者から切実な声 via 東京新聞

運転開始から三十八年目。東海村の日本原子力発電(原電)東海第二原発は「四十年廃炉」の原則を超えた運転延 長の可否の判断を来年に控える。しかし、今回の参院選で、地元茨城選挙区(改選数二)では、アベノミクスの是非などが争点とされる中、東海第二原発の存廃 に関する議論は低調だ。原発と共に生活する有権者からは「もっと各候補の考えを聞きたい」「事故を風化させないでほしい」と切実な声が聞こえる。 (酒井 健)  原子力規制委員会は六月二十日、運転開始から四十年を超えた関西電力高浜原発1、2号機(福井県)の運転延長を認可した。東京電力福島第一原発事 故を教訓に施行された改正原子炉等規制法の下で、老朽原発の運転が認められたのは初めて。東海第二原発が続けば、四十年廃炉のルールは形骸化しかねない。  一九七八年十一月に運転を開始した東海第二原発は、東日本大震災で停止し、そのまま定期検査入りしている。現状から再稼働させる場合、原電は四十 年の約一年前に当たる二〇一七年八月二十八日~十一月二十八日の三カ月間に「四十年超え」の運転延長を規制委に申請する必要がある。 (略) 参院議員は、国会での質問や政治活動を通じ、世論や政策に影響を与えることができる。だが、今回、立候補して いる六人のうち、法定の選挙ビラに原発政策を記しているのは「再稼働を許さず廃炉に 東海第二原発」「原発廃炉」とうたった新人二人のみ。ほかの四候補 は、本紙など報道機関のアンケートに考え方を回答しているものの、街頭演説でも積極的には触れていない。  「どれも大事な政策だが、チラシにすべては載せられない」「消費増税の先送りを受け、社会保障の財源を心配する声も増えた」。各陣営の幹部たちは 説明する。ある陣営の幹部は「候補は『将来は廃炉』の考え。だが、私の親戚にも原発関連施設に勤めている人がいる。選挙戦で前面に出すメリットはあまりな い」と心情を吐露する。  六月十六日。水戸地裁であった東海第二原発運転差し止め訴訟の口頭弁論。傍聴に訪れた千葉県柏市の男性(67)は「国にはいろいろ課題があるけれ ど、福島県にはまだ苦しんでいる人がいる」。茨城町の男性(67)は「町は東海第二原発から三十キロ圏内にあるので大きな問題。参院選の候補者にも、もっ と議論をしてほしい」と訴えた。 全文は<参院選>東海第二「40年超え」運転延長 「候補の考えを」有権者から切実な声 

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