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A nuclear power plant in Byron, Illinois. Taken by photographer Joseph Pobereskin (http://pobereskin.com). カレンダー
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Tag Archives: 復興
聖火リレーのルート発表~双葉町も検討 via OurPlanet-TV
2020年東京五輪大会組織委員会は1日、聖火リレーのルート概要を発表した。来年3月26日に福島県からスタートして、121日間かけて47都道府県を巡る。「復興五輪」をアピールするために、東京電力福島第一原発事故の被害を受けて、避難区域が設定された12市町村も、双葉町以外は全て走るのが特徴だ。 「復興五輪」を掲げる東京五輪。原発事故後に作業員の拠点となったJヴィレッジ(楢葉町、広野町)からスタートし、岩手県陸前高田市の「奇跡の一本松」や、2016年熊本地震で被害を受けた益城町などもルートに選ばれた。富士山などの世界遺産なども巡り、7月24日の開会式で新国立競技場の聖火台に点火される。 聖火リレーが福島県内を巡るのは3日間。初日は、富岡町や大熊町など浜通りを巡り、相馬野馬追の会場となる南相馬市の雲雀ケ原祭場地へ。2日目は、相馬市から飯舘村、福島市、会津若松市などへ繋ぐ。3日目は、南会津町から郡山市に向かい、開成山公園で記念イベントを開く予定だ。 […] 組織委員会によると、今回ルートから外れた双葉町の走行も追加で検討しているという。全町避難となったままの双葉町だが、来年の3月には双葉駅周辺など一部の避難指示解除を目指しており、「環境が整えば実施したい。国と自治体と相談し決定する」という。 大熊町の木幡ますみ町議会議員は、「国道6号線はまだ放射線量が高い。住民がほとんど帰還していない地域もあり、人が走り住民が応援できる環境ではない」と批判。五輪のために、工事現場の人件費や資材が高騰していることを指摘し、「復興に向かう工事は遅れている。何のための五輪なのか。復興の意味を履き違えている」と訴えた。 […] 全文とビデオ
原発事故後復興PRに240億円〜電通1社で via OurPlanet-TV
ダントツ1位は環境省の除染PR国の省庁の中で、電通に対してもっとも高額な支出をしていたのは環境省だった。除染やがれき処理に関わる啓発のために支払った費用は7年間で113億3364万円。毎年10億円以上をつぎ込んでいた。基本方針は「安全と安心を取り戻す」「ふるさとから離れて暮らしている住民を取り戻す」「地域の住民としての誇りをとり戻す」。ただインターネット上で公開している動画の中には、再生回数が10回未満のものも多く、効果は重視していないとみられる。支出の内訳は真っ黒で、一切あきらかにしていない。 福島第一原子力発電所事故後、風評被害の払拭や福島県の復興PRのために、国や県から広告代理店「電通」に支払われた金額が240億円にのぼることが、雑誌「たぁくらたぁ」編集部による情報公開で分かった。福島県産農産物の情報発信に66億円。環境省が除染や中間貯蔵施設等に関する広報活動に支払った金額は120億円を上回った。 調査を行ったのは、長野県でミニコミ機関紙「たぁくらたぁ」を発行している野池元基さん。原発事故後の復興PRのために、国や福島県が電通と結んだ契約を調べたところ、2011年から2018年までの7年間に、240億円もの費用を支払っていた。この金額は、福島中央テレビ(日本テレビ系)や福島テレビ(フジテレビ系)の4年分の売り上げに匹敵する。 復興庁のリスコミが2位環境省に次いで多かったのは、復興庁の13億9,328万円だ。他の省庁が徐々に広報予算を減少させている中、唯一、2018年度に大幅に増額した。背景にあるのは、「風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略」。妊産婦や乳幼児など子どもの小さな世帯をターゲットに、テレビCMや電車広告を展開。また「放射線に関する正しい知識」を広めるため、有識者を集めた「風評払拭・リスコミ強化のためのメディアミックスによる情報発信に関する検討会」を開催。「放射線のホント」などを刊行した。検討会のメンバーは、薮内道彦氏や熊坂仁美氏らクリエイターのほか、高村昇長崎大教授や早野龍五東大名誉教授、開沼博立命大学准教授などが顔を並べる。 復興庁「放射線等に関する情報発信事業ー実施報告書」(全113ページ 42MB)※ファイルが大きいのでご注意ください。 マスコミ動員した風評払拭地方自治体ながら、環境省と並んで突出していたのが福島県だ。73億8,800万円と、やはり年間10億円以上を電通に支払っていた。福島県の原発事故前の当初予算は総額で1兆円を下回っていた。しかし事故後に復興予算が流入し、2015年には1兆8994億円と事故前の2倍以上に膨らんだ。広報予算も例外ではなく、事故前の10倍以上となっている。このため外部監査の報告書では、「各部局の連携により事業が効果的に行われていると認められるケースはほとんどなかった。」と指摘。ほとんどが随意契約となっていることを改め、予算を圧縮するよう提言している。 情報発信事業に関する財務事務執行 及び管理運営に関する外部監査報告書https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/117384.pdf この福島県の広報予算で気になるのが、2012年から実施している「新生!ふくしまの恵み発信事業委託業務」だ。福島県の農産物といえば、ジャニーズの人気グループ「TOKIO」を起用したCMが有名だが、それだけでなく、福島県内のマスコミ関係者を集めた「ふくしま農林水産安全・安心メディア発信研究会」を年6回開催。福島県のネガティブな情報を払拭し、明るい情報をつくりだそうと意見交換を重ねている。 […] また会合では、新聞報道や在京テレビの報道も分析。他県の報道などを研究し、県のマイナスイメージを払拭する工夫を検討するなど、地元メディアが報道機関という立場を超えて、行政と一体化している様子が垣間見える。資料には「原発事故、放射能、除染、避難生活、風評被害を軸としたネガティブなニュースが根深く継続することを考えれば、ポジティブなニュースをいかにきめ細かく(地元メディアの力をお借りして)発掘し、発信することが重要になってくる」などと記載されていた。 “http://www.ourplanet-tv.org/files/20190524anshinanzen.pdf” target=”_blank”>「安全・安心メディア発信研究会」2012年度議事録(全187ページ28MB)※ファイルが大きいのでご注意ください。 会社の方針に沿えないと退職した地元紙の元記者はこう話す。「 復興に前向きに頑張ってる人を取り上げ続ければ、福島も元気になるだろうという安直な方針に危機感を抱いていた。自主避難者は切り捨てろ、臭いものに蓋をする感覚というか。書いてもベタ記事で、載ればいいだろ、という扱いだった。こうした会社の方向性に疑問を感じて辞める人は多いが、会社の方針のかげにこうした会議の存在があったとしたら、残念だ」 […] 電通との契約を公開請求したのは、福島県伊達市の除染をめぐり、不安払拭のための対策事業、通称「心の除染」事業を電通が2億116万円で随意契約していることを知ったのがきっかけだという。 […] 全文と動画
福島復興を演出する政権 避難者少なく見えるカラクリ via 朝日新聞
首相、事故現場にスーツで 炉内の燃料、取り出し方針は未定 世界最悪レベルの事故を起こした東京電力福島第一原発。4月14日、メルトダウンした1~3号機から100メートルほど離れた海抜35メートルの高台に、安倍晋三首相は防護服とマスクをつけず、スーツ姿で車から降り立った。 東電側から廃炉作業の現状について説明を受けた首相は「防護服に身を固めることなく、スーツ姿で見られるようになった。着実に廃炉作業も進んでいる」。視察後の作業員らとの懇談でも「5年前に視察した時は防護服に身を固めた。今回はスーツ姿で視察ができた」と繰り返した。 5年半ぶりとなる原発視察。首相周辺は、防護服やマスクをつけない姿をメディアに取り上げさせることで見栄えを良くし、「復興の進み具合をアピールすること」を狙ったと認める。 だが、1~3号機周辺の屋外で、防護服とマスクをつけないことが許されるのはバスの車内と視察用の高台だけで、高台視察は6分ほど。高台の放射線量は毎時100マイクロシーベルト超と高く、長居は許されない。 スーツ姿が可能になったのは、飛び散った放射性物質が舞わないように地面がモルタルなどで覆われたことが主因で、廃炉作業の主眼である燃料デブリは炉心に残ったまま。周辺の線量は極めて高く、取り出し方法すら決まっていない。 (略) しかし、避難指示が出た地域の住民登録は約7万1千人で、実際に住むのは約1万1千人。約6万人が原発事故前の居住地を離れている計算だ。復興庁の数字とは約2万人のズレがある。今も避難指示が出ているにもかかわらず、「避難者」として数えられていない人たちがいる。 復興庁は14年8月、避難者を数える全都道府県に対し、「避難者」を「震災をきっかけに住居の移転を行い、その後、前の住居に戻る意思を有するもの」と定義した通知を送った。意思の把握が難しい場合は、家を買うことなどで「避難終了」とみなしてよいという趣旨も記した。 福島県ではこの通知を根拠に、避難先で家を買った人、復興公営住宅や災害公営住宅で暮らす人を「生活が安定した」として「避難者」として数えない。 県は「統計から外れても支援は継続しているので問題ない」と説明。復興庁は「各都道府県の判断なのであれこれ言う立場にない」。だが、県は帰還の意思確認はしておらず、統計から外す際に、本人に対する通知もしていない。 避難が長引き、本当は帰還を望みながらも家を買った人は少なくない。その一人、大熊町に住んでいた山崎由美子さん(52)の自宅は帰還困難区域内にある。 町外の復興公営住宅に入居したため、復興庁や県の統計上は「避難者」ではない。「好きで町を離れているわけではない。避難者を減らして表面を取り繕おうとしているのが見え見えだ。避難をなかったことにするのは許せない」 (略) 安倍晋三首相の「復興」「福島」関連発言●【2019年1月 施政方針演説】「日本にやってくる復興五輪。その聖火リレーは福島からスタートします。最初の競技も福島で行われます。復興した東北の姿を世界に発信しようではありませんか」●【17年11月 参院本会議】「福島では帰還困難区域を除くほとんどの地域で避難指示が解除され、復興再生に向けた動きが本格化しております」●【15年2月 施政方針演説】「福島を、世界最先端の研究、新産業が生まれる地へと再生する。原発事故で被害を受けた浜通り地域に、ロボット関連産業などの集積を進める」●【13年10月 参院予算委員会】「福島の再生なくして日本の復興なし。これが基本だ」●【13年9月 東京五輪・パラリンピック招致演説】「(第一原発の汚染水の)状況はコントロールされている。決して東京にダメージを与えることを許さない」●【12年10月 野党自民党総裁として野田佳彦首相(当時)への衆院本会議での質問】「自民党が政権を回復した暁には、現場主義で真の復興を実行する決意があることを宣言する」 石塚大樹、石塚広志、太田成美 全文は福島復興を演出する政権 避難者少なく見えるカラクリ
【97カ月目の福島はいま】「語り部たらん」。詩で綴る奪われたふるさと、表面的な〝復興〟への疑問。双葉町出身の元教師・二階堂晃子さん「語らねば原発事故被害が消えてしまう」via 民の声新聞
「見えない百の物語」(土曜美術社出版販売)という詩集がある。作者は、福島県双葉郡双葉町出身の元教師・二階堂晃子さん(75)=福島県福島市在住=。大切なふるさとを根こそぎ奪った原発事故への怒り、差別を恐れて「福島から来た」と県外で口に出来ない苦悩、国や福島県が進める〝復興〟への疑問、「語り部としての決意」が伝わってくる作品の数々。その中から3篇を紹介しながら、二階堂さんが詩に込めた想いに迫りたい。元号が替わっても原発事故被害は終わらない。それぞれの被害を語り継ぐ事こそ、新たな原発事故被害を防ぐ。 […] 【原発事故被害を語ると復興の妨げ?】 古来より人は語り伝えてきた 人が生きていく思い 忘れ去られようとする言葉 消されようとする歴史 広島を 長崎を 沖縄を 人々は語り継いできた 今 語り部たらん 見えない 匂わない 感じない福島を ふるさと追われ 葬られ 風に運び去られん福島を ブルーシートの下に隠された消えない線量 フレコンバッグピラミッドを横に置いた避難解除を 裏山除染作業のすぐわきで部活をする高校生を 地表より一メートルを測量する意味 人の生殖器官の高さであることを 廃棄物を積んだトラックと並行している日常を 今 語り部たらん すべての悲しみの源 決して消えない恐怖 人災が成せる 未曽有のむごさを 平穏な息吹 まだ蘇らないままに 望郷の思い ひとつにして 手を取り合い 抱き合い 雄々しく立ち上がる 同胞を 六年の歳月に刻まれる九万の物語 自ら命を絶った幾十人の無念さ 「なんかいも死のうと思った でもしんさいでいっぱい死んだから つらいけどぼくは生きると決めた」 少年がギリギリ生きたこの思いを 今 語り部たらん 詩集のタイトル「見えない百の物語」。それは、原発事故被害者には百人百様の〝物語〟がある事を改めて教えてくれる。しかし、時間の経過とともに「語り部」は減る一方。語ればつらいし、時に周囲に叩かれる。 「話は山ほどあるんです。でも、それを語る人がいません。語ろうとすると、復興の妨げになると拒絶されてしまう。でもね、語って行かなければ消えちゃうんですよ。県外では様々なイベントや学習会で原発事故が語られているのに、福島に戻って来ると驚くほど関心が低い。いかに福島県が表面的な〝復興〟に偏って来ているか…。オリンピックで復興を世界にアピールするためには、マイナスの話は持ち出して欲しくないというのが本音なんだと思います」 最近では講演の講師として招かれる事も増えた。一昨年からは、群馬県の共愛学園前橋国際大学で年1回、学生に特別講義をしている。学生から寄せられた直筆の感想文はファイルされて大切に保管されている。表題作「見えない百の物語」は、学生の反応や教室の様子を綴った作品だ。 「質疑応答で1人の女子学生が手を挙げました。学内で100人にアンケートをとったんだそうです。原発存続が1割、原発廃絶も1割。どっちでも良いが8割だった。これほどまでに関心が低いのかとがく然とした、という話をしてくれました。そうしたら、別の学生が手を挙げました。そのアンケートで『どっちでも良い』と答えた学生さんでした。二階堂さんの話を聴き、いかに自分が無知であったかを痛切に感じました。今からでも出来る事はありませんか?と言ってくれたんです。本当に感動しました。『福島だけの問題では無い』、『ふるさとを自分の意思で離れる事と奪われる事は全く違う』という発言もありました。伝わったんですね。うれしかったです。どれだけ励まされたか分かりません」 詩集の問い合わせは土曜美術社出版販売株式会社03(5229)0730まで。 全文
旧避難区域の居住率23% 福島、帰郷きっかけ失うvia 日本経済新聞
東京電力福島第1原発事故による国の避難指示が2014年4月以降に解除された福島県の9市町村で、解除地域に住民票がある4万7721人のうち、実際に居住しているのは23.0%の1万1003人にとどまることが7日、各市町村への取材で分かった。 帰還する住民も一定数はいるものの、事故後の8年間で避難先に住まいを構え、古里に戻るきっかけを失った人が多いとみられる。避難解除が遅い地域で居住率が低い傾向があり、買い物や病院、交通などの生活環境の整備が重要課題となっている。 居住者数は1月31日か2月1日の時点で各市町村が集計したもので、避難先から戻った人に加え、原発や復興関連の作業員など転入者も含む。住民票の登録数は18年1月の計約4万9千人から大きく減っていない。 14年4月に最も早く避難解除となった田村市都路地区は81.3%。15~16年に避難指示が大部分で解除された南相馬市は41.4%、楢葉町は52.2%だった。楢葉町は住宅や商業施設などを集めた拠点を整備したことに加え、18年3月末に町外の仮設住宅の無償提供を終了し、居住者が回復したとみられる。 一方、解除の時期が17年春と遅かった浪江町は6.1%、富岡町は9.2%、飯舘村は18.4%と低調。浪江町では今年7月にもスーパー「イオン」が出店する。住民の帰還を促したい町の要請を受けたもので、町はイオンの土地や建物の賃料負担を検討している。 第1原発が立地する双葉町、大熊町は現在も全町避難が続く。今春に大熊町の一部地域が初めて解除されるが、帰還に向けた住民の動きは鈍い。 […] 全文
福島の避難者「頑張ろう」は過去最少 朝日共同調査 via 朝日新聞
[…] 原発事故に伴い、福島県では今なお約4万1千人が県内外で避難生活を続ける。調査は8回目。これまで調査に応じた305人にアンケートを送り、156人が答えた。 「生活の復興度」は今回新たに追加した質問。「0%」「20%」「40%」「60%」「80%」「100%」の中から一つ選んでもらい、0が5%、20が21%、40が17%で、復興度が半分に満たない人が計43%に上った。復興度が低い人に取材したところ、「人とのふれあいがなく心が満たされない」(75歳女性)や「昔は忙しかったが今はやることがない」(76歳女性)との答えが目立った。一方、こうした人とのつながりや仕事を確保した人は復興度が高い傾向があった。 今の気持ちを聞いたところ、「仕方がないと思う」と答えた人が35%と8回の調査で最も多く、「頑張ろうと思う」は31%で前回の49%から大きく減って、これまでの調査で最も少なくなった。(石塚大樹) 全文
南相馬小高病院に危機 市長と対立、唯一の常勤医が退職届 via 毎日新聞
福島県南相馬市立小高病院が4月以降、診療できなくなる恐れが出てきた。唯一の常勤医、藤井宏二医師(64)が6日、今年度いっぱいでの退職を届け出たことで、このままでは法律上、診療が認められないためだ。藤井医師はIT機器を使った在宅医療に力を入れており、同病院の入院機能再開を目指す門馬和夫市長との意見対立が退職する理由だ。ともに地域医療の充実を目指す思いは変わらないものの、打開策は見えていない。【高橋隆輔】 […] 2014年、避難指示解除に備えて外来診療を再開。16年4月に藤井医師が着任し、同年7月に避難指示が解除された。 ただ、本来の病院棟は震災の揺れで損傷し、現在はリハビリ施設を改修して診療している。小高区は人口減少が進み、病院の収支も悪化した。市は17年12月、入院機能のない診療所とする議案を市議会に提案した。 しかし、当時市議だった門馬氏は、翌月の市長選に入院機能再開を公約して立候補を表明しており、門馬氏を支持する市議たちが議案に反対し、小差で否決された。門馬市長は初当選後、入院機能再開を目指し、18年8月に市立病院改革プラン策定委員会を設置して検討を重ねてきた。 門馬市長が小高病院の入院機能再開を目指す理由は二つある。一つは、住民の帰還を促すため。もう一つは、原発事故で受けられる支援の違いから生じた市内の3地区(小高区、原町区、鹿島区)の間の住民のわだかまりを解消したいとの思いからだ。3地区は第1原発からの距離の違いによって、東電の賠償金額や高速道路無料化の対象となるかどうかなど、支援に違いが生じ、市政の課題になってきた。震災で小高区のみになくなった入院機能を取り戻すのは、門馬市長の重視する政策の一つだ。 一方、藤井医師は17年5月から、通院が困難な患者がパソコンやタブレット端末を利用して自宅で診察を受けられる遠隔診療を始めた。看護師が患者宅を訪ね、モニター画面を通じて診察することで、患者の生活の様子が医師に伝わるようになったという。 藤井医師は、入院機能の再開について「患者は誰も必要と言っていない。市長はほとんど現場に来ない」と反対してきた。小高区の住民らでつくる小高区地域協議会も先月、遠隔診療・在宅医療の充実を求める一方で「医師確保や財政上の課題がクリアできない限り、入院機能は必要ない」とする提言書を門馬市長に提出した。 また、藤井医師は「入院機能があるかどうかで建物の規格がまったく違う。入院機能再開を目標とすれば、それが実現するまで施設の再建も進まない」とも指摘。自身が市立病院改革プラン策定委員会のメンバーに選出されていないことなど、議論の進め方にも不信感を募らせている。 策定委が6日に門馬市長に答申した内容は、当面、小高病院は無床診療所として在宅医療を推進する▽将来的な入院機能の再開を認めるものの、周辺医療機関に影響を及ぼさずに医師や看護師を確保し、市の財政負担も縮小する――などと入院機能再開に高いハードルを課したが、藤井医師には受け入れられなかった。 退職届の提出後、両者は直接の対話の場も持ったが、藤井医師の退職の意思は変わらない。小高病院事務課総務係の高野真至係長は「常勤医の確保は喫緊の課題だが、誰でもいいというわけにはいかない。藤井先生のような熱意のある医師をまた見つけるとなると、ハードルは相当高い」と表情を曇らせた。 全文
「福島の今」伝えるCM 風評払拭へ復興庁が初の試み via 産経新聞
復興庁は8日、福島県の風評払拭をはかるため、子供を抱えた保護者ら向けに「福島の今」を分かりやすく伝えるテレビCMを制作、9日から福島、富山両県を除く全国で一斉に放映すると発表した。同庁が福島をテーマにしたCMを放映するのは初めて。 CMは30秒。小学校の教室でタブレットをかたどった教師役のキャラクターが児童に「福島の今を知っていますか?」と問いかけながら福島の農産物、観光地や温泉、福島ロボットテストフィールド(南相馬市、浪江町)など復興に向けた取り組みを端末に映して紹介する内容。最後に「知ってください、食べてください、来てください」と福島をアピールする。 […] 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から8年という節目を近く迎えることから、決めた。放映期間は1週間程度だが、制作・放映費は約1・8億円という。 県外発信との趣旨から福島県内では放映しないが、富山県で放映されないのは同庁によると、テレビ3社が「(福島は)復興が完全になしとげられておらず、避難者がいる状況に配慮したい」として、見送った。 […] 全文
『花は咲く』異論 松本昌次(編集者・影書房)via レイバーネット
松本昌次の「いま、言わねばならないこと」 第二回・2013/5/1 (毎月1日発行) 『花は咲く』異論 松本昌次(編集者・影書房) しばらく前、ある小さなリーフレットに、わたしは次のように書いたことがある。 ――この頃、NHKのテレビをつけて気になることがあります。それは38人の有名な俳優やタレントたちが、一輪の花を手にして歌いつぐ『花は咲く』(作詞・岩井俊二/作曲・菅野よう子)という、東日本大震災の「復興支援ソング」です。「今はただ なつかしい/あの人を思いだす」とか、「花は 花は 花は咲く/いつか恋する君のために」とか、なんとも甘い激励と癒しと浄化の言葉の羅列は、被害者たちを個人の「体験」にのみ、明るい希望にのみとどまらせようとしているとしか思えないからです。敢えて言えば、この歌は、戦争中の『海行かば』の裏返しの歌です。――と。 […] 野坂昭如氏が「毎日」に『七転び八起き』を連載していて、その連載151回「震災から2年」を友人が切り抜いて送ってくれた。野坂氏の「被災者それぞれの声に耳を傾けること」をわたしたちの「務め」と語る真摯な姿勢に共感を覚えたが、それとは別に、記事に添えられた黒田征太郎氏のイラストには、痛烈な感銘を受けた。点描で描かれたチューリップのような花が、茎の半ばでポッキリ折れて、地面にばったりと倒れこんでいるのである。そして「ハナハ/ハナハ/ハナハ/サク?」とある。このイラストとたった一つに疑問符、これこそが、3・11後の被災者の現実を見事に言いあてたものではないのか。 […] 続きは 『花は咲く』異論 松本昌次(編集者・影書房)
五輪の聖火トーチに仮設住宅資材 via 福島民友
大震災の被災地アルミを再利用 2020年東京五輪・パラリンピックの聖火リレーで使うトーチに、東日本大震災の被災地の仮設住宅で使われたアルミニウム資材を再利用する計画があることが31日、複数の関係者への取材で分かった。実現すれば「復興五輪」の大会理念を具体化する象徴的な取り組みの一つとして国内外で関心を集めそうだ。 全国のランナーが使用する聖火リレーのトーチは計1万本以上が必要になる予定。役割を終えた仮設住宅の金属をどの程度確保できるかについては今後、関係自治体などとの調整が必要となる。[…] 全文