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福島復興を演出する政権 避難者少なく見えるカラクリ via 朝日新聞

首相、事故現場にスーツで 炉内の燃料、取り出し方針は未定 世界最悪レベルの事故を起こした東京電力福島第一原発。4月14日、メルトダウンした1~3号機から100メートルほど離れた海抜35メートルの高台に、安倍晋三首相は防護服とマスクをつけず、スーツ姿で車から降り立った。 東電側から廃炉作業の現状について説明を受けた首相は「防護服に身を固めることなく、スーツ姿で見られるようになった。着実に廃炉作業も進んでいる」。視察後の作業員らとの懇談でも「5年前に視察した時は防護服に身を固めた。今回はスーツ姿で視察ができた」と繰り返した。 5年半ぶりとなる原発視察。首相周辺は、防護服やマスクをつけない姿をメディアに取り上げさせることで見栄えを良くし、「復興の進み具合をアピールすること」を狙ったと認める。 だが、1~3号機周辺の屋外で、防護服とマスクをつけないことが許されるのはバスの車内と視察用の高台だけで、高台視察は6分ほど。高台の放射線量は毎時100マイクロシーベルト超と高く、長居は許されない。 スーツ姿が可能になったのは、飛び散った放射性物質が舞わないように地面がモルタルなどで覆われたことが主因で、廃炉作業の主眼である燃料デブリは炉心に残ったまま。周辺の線量は極めて高く、取り出し方法すら決まっていない。 (略) しかし、避難指示が出た地域の住民登録は約7万1千人で、実際に住むのは約1万1千人。約6万人が原発事故前の居住地を離れている計算だ。復興庁の数字とは約2万人のズレがある。今も避難指示が出ているにもかかわらず、「避難者」として数えられていない人たちがいる。 復興庁は14年8月、避難者を数える全都道府県に対し、「避難者」を「震災をきっかけに住居の移転を行い、その後、前の住居に戻る意思を有するもの」と定義した通知を送った。意思の把握が難しい場合は、家を買うことなどで「避難終了」とみなしてよいという趣旨も記した。 福島県ではこの通知を根拠に、避難先で家を買った人、復興公営住宅や災害公営住宅で暮らす人を「生活が安定した」として「避難者」として数えない。 県は「統計から外れても支援は継続しているので問題ない」と説明。復興庁は「各都道府県の判断なのであれこれ言う立場にない」。だが、県は帰還の意思確認はしておらず、統計から外す際に、本人に対する通知もしていない。 避難が長引き、本当は帰還を望みながらも家を買った人は少なくない。その一人、大熊町に住んでいた山崎由美子さん(52)の自宅は帰還困難区域内にある。 町外の復興公営住宅に入居したため、復興庁や県の統計上は「避難者」ではない。「好きで町を離れているわけではない。避難者を減らして表面を取り繕おうとしているのが見え見えだ。避難をなかったことにするのは許せない」 (略) 安倍晋三首相の「復興」「福島」関連発言●【2019年1月 施政方針演説】「日本にやってくる復興五輪。その聖火リレーは福島からスタートします。最初の競技も福島で行われます。復興した東北の姿を世界に発信しようではありませんか」●【17年11月 参院本会議】「福島では帰還困難区域を除くほとんどの地域で避難指示が解除され、復興再生に向けた動きが本格化しております」●【15年2月 施政方針演説】「福島を、世界最先端の研究、新産業が生まれる地へと再生する。原発事故で被害を受けた浜通り地域に、ロボット関連産業などの集積を進める」●【13年10月 参院予算委員会】「福島の再生なくして日本の復興なし。これが基本だ」●【13年9月 東京五輪・パラリンピック招致演説】「(第一原発の汚染水の)状況はコントロールされている。決して東京にダメージを与えることを許さない」●【12年10月 野党自民党総裁として野田佳彦首相(当時)への衆院本会議での質問】「自民党が政権を回復した暁には、現場主義で真の復興を実行する決意があることを宣言する」 石塚大樹、石塚広志、太田成美  全文は福島復興を演出する政権 避難者少なく見えるカラクリ

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